「サザビーズジュエリーオークション(Magnificent Jewels and Jadeite)」香港会場の様子

10月3日に香港で開催された「サザビーズジュエリーオークション(Magnificent Jewels and Jadeite)」で話題を総なめにしたのは、落札予想価格をはるかに上回る「約1億3000万円」で落札された、「レイモンド・ヤードの翡翠のネックレス」でした。

なぜこのような事態が起こったのか? この奇跡の瞬間を現場で目の当たりにしたサザビーズジュエリーオークション ジュエリー分野担当の植村亜希子さんに、その白熱した様子をうかがいました。

【関連記事:総額90億円!サザビーズのオークションに出品される超高級ジュエリーを特別公開】

オークション会場が熱気に包まれた、奇跡の数分間とは?

Q. レイモンド・ヤードの翡翠のネックレスが出品されたときの、会場の様子はいかがでしたか?
A. 今回出品された翡翠のネックレスは下見会の段階からものすごく人気が高く、このロットがオークションに登場した瞬間、会場と電話を受けているサザビーズの職員の手が一斉に上がり、ベテランのオークショニアであるチン・ヤオ・クエック(アジア副会長、 アジアジュエリー部門会長)でさえ、誰を指してよいのかわからないくらい慌てていました。今までに見たことがないほどの、ものすごい熱気に包まれた数分間でした。
Q. オークション前の注目度を教えてください。
A. まず、こちらのネックレスには、非常に良質な翡翠が使用されているという点。そして、通常大ぶりな石の多い翡翠の中では珍しく華奢なデザイン、という点でも注目度の高い商品ではありました。アジア人の中で人気の高い石、ということもありますが、幅広いシーンでつけやすいデザインであることも人気を呼び、下見会の時点で試着される方も多く、電話やメールでの問い合わせも多かったので、落札予想価格より必ず上回るであろう、と予想はされていました。
Q. 今回、予定落札価格を大幅に上回る金額で落札されたという、異例の結果を招いた理由はどこにあると思いますか?
A. オークション前から「この質で、この価格だったら是非入札に参加したい!」という方がとても多くいらっしゃいましたので、かなり価格は上がるであろうと注目はしていましたが、ここまで高額になるとは誰も予想していませんでした。オークションという会場の雰囲気も助け、「そんなに人気のある商品だったら自分も手に入れたい!」という気持ちも高揚していったのでしょう。今回は、会場に居合わせたお客様のパドル入札に加え、43人の電話入札の結果、40万〜60万香港ドル(約580万円~870万円)という落札予想価格を大幅に上回る、910万香港ドル(約1億3千万円)で落札されました。
Q. オークションの魅力は、どこにあると思いますか?
A. オークションでジュエリーを売り買いする、という文化は、日本ではまだまだ馴染みがないと思いますが、普段ではなかなか手に入らないような希少なジュエリーが購入できるよさもあります。サザビーズでは出品時には査定の段階から、入札に関してはお品物の情報や画像提供など、一連の流れを日本語でお手伝いさせていただいています。アジアでは毎年4月と10月に香港でサザビーズのオークションを開催していますし、日本から香港は近いので、日本のお客様にも是非一度お出かけいただいて、下見会の雰囲気やオークションを実際に体感して、オークションの楽しさを感じていただきたいです。お気軽にお問い合わせください。 

■レイモンド・ヤードとは?

レイモンド・ヤードは13歳の時、ニューヨークの伝統あるジュエリー会社、マーカス商会でメッセンジャーボーイとして働き始める。それから24年間、ジュエリーに関するあらゆる知識を身に着け、最高の品質の宝石と技術力を追及しながら、富裕層の顧客とのつながりを確立させていった。ヤードのジュエリーに対する洞察力と才能を見初めたジョン・D・ロックフェラーに彼に独立することを勧められ、1922年ニューヨークの5番街に自分の会社を設立。その後、ヤードはアメリカで最も有名で財力のあるアメリカン・ファミリーにジュエリーを提供し続け、顧客にロックフェラー、フライシュマンズ、フラッグラー、ウールワースなどを抱えていた。この「ウールワース・ヤード・ジェイド・ネックレス」は、特に上顧客であったアメリカの実業家、ノーマン・ベイリー・ウールワースが所有していたネックレスで、最高品質の翡翠を用いた、スタイリッシュなデザインに仕上がっている。 

問い合わせ先

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
EDIT&WRITING :
石原あや乃