歴史ある英国王室でも、ファッションのカジュアル化の波は否応なしに進んでいるが、そんな潮流にひとり抗う孤高の伊達男が存在する。その男の名はマイケル・オブ・ケントだ。ジョージ5世の孫、そしてケント公ジョージの次男である。彼のスタイルで目を奪われるのは、なんと言っても台襟の極端に高いシャツと、極太のネクタイ。そんな主張の強いVゾーンとタイトなダブルブレストスーツを組み合わせた凜々しい姿は、まるで20世紀初頭のダンディがよみがえったかのようだ。カリスマデザイナーのトム・フォード氏がスーツやタイづくりにおいて影響を受けたというのも、納得の迫力である。
極太タイが象徴する超クラシック志向
ロシア皇帝の風格を持つ孤高のダンディ
'07年にサヴィル・ロウ協会がイタリアの服飾見本市ピッティ・ウォモに出展するときには、彼をイメージキャラクターとして同行させたというほど、英国ファッション業界からの信望も厚いマイケル・オブ・ケント。彼の誇張的なまでにクラシカルなスタイルは、とことんラフな格好が世に浸透した今だからこそ逆に輝き、際立ってくる。断言できることは、英国ファッションブームの象徴となるのは、マイケル・オブ・ケントだ。その凜々しさを見習って、英国クラシックの装いを楽しんではどうだろうか。
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- MEN'S Precious編集部
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