チーズケーキのような練り切りが評判の和菓子Bar「かんたんなゆめ」日本橋別邸
上生菓子として茶席に出されることが多い「練り切り」。季節の情景を映した彩り豊かなビジュアルに加え、なめらかな舌触りと上品な甘さが魅力です。しかし、日常的に触れる機会が少ないことから、大福やどら焼きなどの身近な和菓子とは異なり、格式が高く気軽に楽しめないといったイメージを抱いている人もいるのでは。
そんなイメージをガラリと変えてくれるお店が、東京・日本橋にあります。SNSを中心に話題となっている「かんたんなゆめ」は、和菓子とお酒のペアリングを楽しめる“和菓子Bar"。渋谷にある本店(※1)で出しているチーズケーキのような練り切りが評判を呼び、昨年12月に日本橋別邸をオープンしました。
お酒とのマリアージュを楽しめる!エッジの効いたほどよい甘さの和菓子
![和文化_1,スイーツ_1,東京_1,日本橋_1](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/4/9/720mw/img_4984506fde4426748fb31be7a0fea6b5210669.jpg)
東京メトロ・日本橋駅から歩くことおよそ5分。「かんたんなゆめ」日本橋別邸は、飲食店複合ビルGROWND(グラウンド)の3階にあります。目印は、ピンクのネオンサインの看板です。
![和文化_2,スイーツ_2,東京_2,日本橋_2](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/720mw/img_9b6471cf2ac5959696838d3fb4f604dc174968.jpg)
店内は、木の温もりと日本文化を感じられる和モダンな雰囲気。カウンター席もあるので、ひとりでも気軽に立ち寄ることができます。平日は18:00からの営業なので、仕事帰りに足を運ぶお客さんも多いのだそう。
![和文化_3,東京_3,スイーツ_3,日本橋_3](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/d/0/720mw/img_d0939027bfa11e6496e89c13a358a981238995.jpg)
基本メニューは、3種の和菓子とワンドリンクのセット(昼 ¥2,000/夜はチャージ料としてプラス¥500 ※ともに税込)。練り切りはお好みのデザインを、それ以外は琥珀糖やフルーツ大福など、日によって変わるラインナップからお好みの和菓子をふたつ選ぶことができます。
![和文化_4,スイーツ_4,東京_4,日本橋_4,ティー_1,酒_1](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/720mw/img_e2073e0fcb65188fd9abc133775dd18b155338.jpg)
またドリンクは、全6種類から選択が可能。ノンアルコールは、高級抹茶ブランド「千休」の京都産・宇治抹茶を使用した「お抹茶」や静岡産の「和紅茶」など全3種類。アルコールは、「ほうじ茶ウイスキー」や「八女茶ジン」といったお茶割りや日本酒が楽しめます。
![和文化_5,スイーツ_5,東京_5,日本橋_5](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/d/a/720mw/img_da78cc442860418fcf7073157565a60e199100.jpg)
筆者は、琥珀糖と煉羊羹(ねりようかん)をチョイス。せっかくなら和菓子とお酒のペアリングを体験したいと思い、ドリンクは日本酒をオーダーしました。
桜のリキュールを使用した「琥珀糖」は、ほのかに感じる桜の風味が爽やか。しゃりっとした食感がクセになります。一方で「胡麻煉羊羹」はずっしりとしていて、ごまの風味をギュッと凝縮したような濃厚なお味です。
そして、看板菓子の「練り切り 嬉々〜KIKI〜」は、NYチーズケーキのようなフレッシュな味わい。2種のクリームチーズを使用した餡にレモンが効いていて、さっぱりとした甘さが後を引きます。先鋭的ながら、どこか懐かしさを感じる味わいです。
![和文化_6,東京_6,スイーツ_6,日本橋_6](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/720mw/img_acfe665c6c0c1e5ee3ae801d8c0d371b200150.jpg)
「クリームチーズを使った練り切りは、私の故郷である宮崎の銘菓『チーズ饅頭』から着想を得ました」と語るのは、店主の寿里さん。学生時代から和菓子が好きで、友達と一緒に気軽に足を運べるお店を作りたいという想いから、Barスタイルの和菓子屋を思いついたのだそう。
![和文化_7,スイーツ_7,東京_7,日本橋_7,酒_2](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/720mw/img_070ec9d65fafed36b735f9be8accdf95155718.jpg)
寿里さんがつくる和菓子はどれもほどよい甘さなので、お酒との相性も抜群。セットで日本酒を選ぶと、2種類提供してくれるので、飲み比べができるのもうれしいポイントです。
「Again(宮城・一ノ蔵)」は、仕込みの際に水の代わりに清酒を用いて作られている貴醸酒(きじょうしゅ)。なかなか取り扱っているお店を見かけない珍しい銘柄は濃密で独特の甘さがあり、白ワインのような味わい。爽やかな甘さの練り切りと一緒に楽しみしたい一杯です。
![ティー_2,東京_8,和文化_8,スイーツ_8](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/720mw/img_46739968f28b45ce242c0c6c20c258242908545.jpg)
一方で「鳳凰美田(栃木・小林酒造)」は、果実のような香りとしっかりとした米の旨味とほどよいコクが特徴。フルーティーな味わいで後味すっきりの日本酒は、正に和菓子にぴったりです。和菓子と日本酒の組み合わせは、チーズとワインのようにお互いの味わいを増幅させてくれます。
「日本酒以外にも、山椒やフルーツを使った和菓子にはジンがよく合います。セット以外にもドリンク単体でオーダーが可能なので、ぜひ色々な和菓子とお酒のマリアージュを体験していただきたいです」(寿里さん)
![アソート「ひるね」¥1800 / 左から「漆(胡麻煉羊羹)」「爽(柚子の琥珀糖)」「露(松露こし餡)」「和(白味噌和三盆クッキー)」「椒(山椒オランジェット)」](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/5/c/720mw/img_5c0afd47d57c97ed7cc0ceb7566e8260182536.jpg)
お店へ足を運んでみたいけれどなかなか難しいという人は、ECサイトでも和洋折衷のおいしさを味わえるアソートボックスが販売されています。「ひるね」は、柚子の琥珀糖や山椒が効いたオランジェットなど、じっくり味わいたくなる食感や香りが楽しい詰め合わせ。
こちらは、店頭でもオーダーが可能です。ショッパーは、イラストレーターのマエガミマミ(maegamimami)さんが手がけたイメージビジュアルのデザイン。和菓子屋とは思えない都会的なデザインは、手土産に贈るとちょっとしたサプライズを演出できそうです。
ちなみに、店名の「かんたんなゆめ」は、“人の栄華盛衰は儚きもの”という意味の中国の故事「邯鄲の枕」に由来しているのだそう。実はこちらのお店が入っているGROWNDビルは、約2年後に取り壊しが決まっています。
「コロナ禍での新店舗オープンということもあり、期限がある場所でやることに意味があると思えた」と、店主の寿里さんは語っていました。ぜひ終わりがある場所に思いを巡らせながら、今までにない練り切りのおいしさを体験してみてはいかがでしょうか。初めて訪れるなら、混雑しにくい平日の夜がおすすめですよ。
問い合わせ先
- かんたんなゆめ 日本橋別邸
- 営業時間/水・木・金 18:00〜23:00、土 13:00〜17:00、18:00〜20:00、日 13:00〜17:00
- 定休日/不定休 ※Instagramの公式アカウントにて詳細をご確認ください
- TEL:050-5362-1781
- 住所/東京都中央区日本橋室町1−6−7 GROWNDビル3階
- TEXT :
- 文 希紀さん 編集者・ライター
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- EDIT :
- 小林麻美