革靴の中で最も気軽で汎用性に優れているローファーは、どんなスタイルにも合うベーシックなデザインが魅力である。どれを選んでもさほど変化がないように感じるが、実際はそうではなく、つま先のシルエットによって与える印象は大きく左右する。実際にどう履きたいかを考慮するなら、まずは注意してみるべき点である。

そこで紹介するローファーは3種類。つま先のシルエットを、丸(ラウンドトウ)・三角(ロングノーズ)・四角(スクエアトウ)に分けて集めた。どれほど印象が変わるかを実際に見比べてみてほしい。スーツに合わせるにせよ、カジュアルに履くにせよ、ライフスタイルに合わせたコーディネートの指標としてご参考あれ!

ローファーはトウの形が肝!シルエット別3選!

汎用性に優れたフレンチ名品

¥121,000(ジェイエムウエストン 青山店)
ローファー¥121,000(ジェイエムウエストン 青山店)

あらゆるローファーの中でも圧倒的な支持を誇るジェイエムウエストンの「シグニチャーローファー ♯180」は、1946年の誕生以来ずっと語り継がれている名作である。ぽってりとした丸みのあるラウンドトウがカジュアルで優しい印象を与えてくれる一方、ボックスカーフの滑らかな質感とさりげない光沢が上品さも兼ね備える。オンオフ兼用として、幅広く履くのに最も優れた一足である。

正統派が贈る、美しいシルエット

¥83,600(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈クロケット&ジョーンズ〉)
ローファー¥83,600(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈クロケット&ジョーンズ〉)

クロケット&ジョーンズの中でも人気の高い「SELSEY(セルシー)」をベースに、モカ部分をすっきりとしたアドラーモカに変更したバーニーズ ニューヨークのエクスクルーシヴモデル。グレインレザーは高級感を、甲からつま先へ向けて細くなる流麗なシルエットはドレッシーな印象を与え、洗練された大人らしさを演出するのにうってつけ。ジャケパンやスーツなどを想定としたドレスシーンに最も適した一足だ。

バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター

デザイン性と機能性を両立させたスクウェアトウ

各¥63,800(ギャラリー・オブ・オーセンティック〈フット・ザ・コーチャー〉)
ローファー各¥63,800(ギャラリー・オブ・オーセンティック〈フット・ザ・コーチャー〉)

日本人のシューズデザイナー竹ヶ原敏之介氏手がけるギャラリー・オブ・オーセンティックから今季登場した「スクウェア ローファー」は、エッジの効いたスクウェアトウがモードな印象を与える一足。デザイン性だけでなく、日本人の足型に合わせた小ぶりなヒールカップやゆとりをもたせたウィズで履き心地は抜群。カジュアルに差をつけるなら、こんな一足を持っておいても面白い。左は強度に優れたキップレザー、右は柔らかなステアレザーを使用。

ギャラリー・オブ・オーセンティック

モノトーンコーディネートでシルエットを際立たせる!

シャツ¥38,500(イデアス〈ユーゲン〉)、ニット¥15,400(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店〈バトナー〉)、パンツ¥42,900(トゥモローランド)、ローファー¥63,800(ギャラリー・オブ・オーセンティック〈フット・ザ・コーチャー〉)

上記で紹介した3つの中で最も特徴的なスクエアトウを使用したコーディネートを紹介する。スクエアトウの存在感を活かしてモノトーンでシックにまとめることで足元が主役になる。とは言っても、ベーシック過ぎても面白みに欠けるので、シャツのロングシルエットや、白ステッチの映える黒のリネンパンツなど、ベーシックなアイテムの中にも靴と同様に、ちょっとした変化を加えることで遊び心のあるコーディネートになる。

実際に見比べてみるとその印象の差は歴然。ベーシックだからこそ細部までこだわりを持って、自分らしい最高の一足を手に入れたい。

※価格はすべて税込です。

問い合わせ先

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
PHOTO :
島本一男(BAARL)
STYLIST :
河又雅俊
EDIT&WRITING :
河又雅俊