ダブルのスーツ、カシミアコート、クロコダイルの靴……歳を重ねるにつれて着こなせるようになってくるアイテムはさまざまあるが、ステッキはその路線におけるひとつの上がりといえるだろう。それも、こんなウィットに富んだ名品をものにできれば最高だ。
必要に迫られるのではなく、洒落たスタイルに導くステッキ
持ち手の美しい造形に目を奪われるこちらは、日本屈指のプロダクトデザイナーとして名高い吉田眞紀さんが考案し、製作を氏が随一と認める柘製作所が手掛けたもの。実は本作が生まれたきっかけは、吉田さんがスキーで足を骨折し、ステッキ生活を余儀なくされたことだという。
見逃せないステッキの先端部
既存の製品に不満を覚えた氏は、自らのために理想のステッキ作りを決心。それが周囲の目に留まり、図らずも製品化に至ったという経緯である。「災い転じて名品を成す」。吉田さんのクリエイション魂に脱帽だ。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2021年春号より
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- PHOTO :
- 戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー/静物)
- STYLIST :
- 石川英治(tablerockstudio)
- EDIT&WRITING :
- 矢部克已(UFFIZI MEDIA)