自由に、肩肘張らずに、好きなネタを好きなだけ…。今、鮨がおもしろい! 『Precious』7月号では、「多様化する『鮨』が楽しい!」と題して、住宅街の一角にあって個室も完備、ドリンクとのペアリングや、程よい価格で本格鮨を好きなように楽しめる店などに注目。

フードジャーナリスト 森脇慶子さんとともに、「気兼ねない日常使い」が叶う2021年の名店をご紹介しています。「あぁ、おいしいお鮨が食べたい」。そう思ったときに気軽に行けるお気に入りの一軒、見つけませんか?

森脇慶子さん
フードジャーナリスト
(もりわき・けいこ) 料理専門誌から女性誌まで、幅広く活躍するフードジャーナリスト。著書に『フランスで料理修業』『行列レストランのまかないレシピ』など。『東京最高のレストラン』採点者のひとり。

[東京・白金] 鮨まつうら

高級住宅街にありながら、飲んで食べて2万円。でもその価値は3万円分に値する

鮨まつうらのカウンター

東京・白金の閑静な住宅街にオープンして1年半。店主、松浦修さんは「銀座おのでら」でハワイやロサンゼルスでの新店立ち上げを担当、恵比寿「鮨 来主(くるす)」では個室カウンターを任された実力派。

「前店の常連さんが足を運びやすいようにと近隣エリアを選んだという松浦さんは、爽やかな笑顔が印象的。しかも鮮魚店でのアルバイトで得た魚への確かな知識と技術、海外や名店での経験を生かした全20種のおまかせコース16,500円だけで勝負という男気の持ち主。ファンが増えるわけです」と森脇さん。 

コースの構成はつまみ6品に握りが13〜14貫。インスタグラムで出会ったという鹿児島の「山崎鮮魚店」店主から送られてくる、東京では手に入らない価格の新鮮な魚や、あえてマグロにこだわらず、本当にいいものが安く手に入るときに仕入れて使うなど、質をキープしながらこの価格を実現。

「『僕が行きたいと思う鮨店』がコンセプトなので、食べて飲んで2万円が妥当かと。ただし、2万円でも3万円分の価値を出していきたい」と松浦さん。行きつけにしたい一軒です。

鮨まつうらの寿司

車エビはミディアムくらいにゆでて。米酢がきりりと効いたシャリとよく合う。

鮨まつうらの巻物

つまみとして登場するあん肝とかんぴょうの巻物。裏ごししたあん肝と甘めに煮たかんぴょうの相性は抜群! ねっとり濃厚なあん肝には、スッキリと香り高い『新政』の貴醸酒『陽乃鳥(ひのとり)』をペアリング。

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鹿児島から直送されたホウキハタ。

鮨まつうらの脳天ネギトロ巻き

コースの最初に、挨拶代わりの「脳天ネギトロ巻き」を手渡しで。「僕の大好きな部位なのでぜひ最初に」(松浦さん)。シャリはコシヒカリ100%、浸水せずに強火の羽釜で一気に炊き上げる。試行錯誤の末、現在は横井の米酢『米寿』と赤酢をブレンド、砂糖を使わず塩のみで仕上げ、魚の味を引き立てる。

鮨まつうらのカウンター

全8席。白木のカウンターは居抜きでそのまま使用。毎朝、削って磨いているので愛着があるとか。

鮨まつうらの松浦さんと蒸し物

明るく気さくな松浦さん。あん肝とかんぴょうの巻物も、貴醸酒を合わせるのも、それぞれ常連さんからの提案。「いいと思ったらすぐ採用します(笑)」と松浦さん。

写真左は、コース中盤に登場する「のどぐろの蒸し物」。昆布と酒に2週間つけておき、蒸して最後にしょうゆを少し。シンプルながら、ふっくらとした、のどぐろの味わいがたまらない人気のひと皿。

※営業日や営業時間に変更の可能性があるため、お出かけの際は最新情報をご確認ください。
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※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下では一部情報が変更となる可能性があります。公式HPなどでご確認ください。
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問い合わせ先

  • 鮨まつうら 
  • 営業時間/17:00~20:30(L.O.)、ランチは土曜日のみ 
    定休日/日曜、祝日 
    メニュー/おまかせコース¥16,500 要予約
    住所/東京都港区白金5-7-8 ウィング綱島1F
  • TEL:03-6450-2557

PHOTO :
篠原宏明、長谷川 潤
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Preciosu)