自由に、肩肘張らずに、好きなネタを好きなだけ…。今、鮨がおもしろい!
『Precious』7月号では、「多様化する『鮨』が楽しい!」と題して、住宅街の一角にあって個室も完備、ドリンクとのペアリングや、程よい価格で本格鮨を好きなように楽しめる、などのこだわりをもつ鮨店に注目。
フードジャーナリスト 森脇慶子さんとともに、「気兼ねない日常使い」が叶う2021年の名店をご紹介しています。「あぁ、おいしいお鮨が食べたい」。そう思ったときに気軽に行けるお気に入りの一軒、見つけませんか?
[東京・南青山] 鮨 m
鮨職人とソムリエの所作を同時に楽しめる 劇場型カウンターで 江戸前鮨とドリンクのペアリングを
扉を開ければ、墨色の世界。樹齢200年の檜を使ったカウンターがふたつ。手前が鮨用、奥がソムリエ用と、劇場のようなWカウンターにまず驚く。
「ミシュラン二つ星の名店『NARISAWA』でヘッドソムリエを10年務めたソムリエの木村好伸さんが、西麻布『江戸前鮓 すし通』で腕を磨いた橋本純也さんのお鮨に、何をどう合わせるのか、ワクワクします。ぜひペアリングコースを試してほしいですね」と森脇さん。
木村さんはその日のネタをすべて味見して、鮨98%、ドリンク2%の割合で、100%を少し超えるようなマリアージュを構成。食事に強弱があるように、お酒も強弱をつけて楽しめるよう、また「酸」の刺激には種類があるため、一度の食事でさまざまな酸を感じられるよう、バランスを考えているとか。
「銀座の『ティエリー・マルクス・サロン』で料理長を務めたフレンチのシェフが担当するつまみもおもしろい。フレンチのプレゼンテーションを取り入れた構成も楽しく、驚きに満ちた新感覚の鮨体験が楽しめます。鮨の新たな可能性を感じさせてくれます」(森脇さん)
おまかせコースより。稚鮎と山菜のこしあぶら、新ごぼうの素揚げを、モリーユ茸を煮出した甘辛いソースで。
銚子産の本マグロには、ボルドーの赤ワインを。
圧巻は蒸し鮨。この日はのどぐろ。260度に熱した器に昆布を敷き、鮨をのせて、外周に湯を張って蓋をすること30秒。口に入れるとふっくらとしたのどぐろがふわりと溶け、シャリがホロリと崩れていく。ペアリングは「ドン ペリニヨン」の元醸造最高責任者がつくった日本酒「IWA」。-7度までキリッと冷やして。
ペアリングのスタンダードコースは¥11,000。ワインと日本酒7~8種類を2~3品に1ドリンクほどのペースで。ゲストに一度出したドリンクは必ず記録して、リピートの際はできるだけ違うものを提供しているとか。
根室産のバフンウニは手渡しで。日本酒『山廃純米 もとしぼり 槽搾直汲』をペアリング。ウニの甘さやくさみ、日本酒の甘さも軽くはじけるように消えていくおもしろい組み合わせ。
ショーを楽しむ感覚で。
※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下では一部情報が変更となる可能性があります。公式HPなどでご確認ください。
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問い合わせ先
- 鮨 m
- 営業時間/16:00~20:30(L.O.)
定休日/月曜
メニュー/鮨 m おまかせディナーコース ¥22,000・¥33,000、ペアリングStandard ¥11,000 要予約
住所/東京都港区南青山4-24-8 アットホームスクエア 2F - TEL:03-6803-8436
- PHOTO :
- 篠原宏明、長谷川 潤
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、佐藤友貴絵(Precious)