自由に、肩肘張らずに、好きなネタを好きなだけ…。今、鮨がおもしろい!『Precious』7月号では、「多様化する『鮨』が楽しい!」と題して、住宅街の一角にあって個室も完備、ドリンクとのペアリングや、程よい価格で本格鮨を好きなように楽しめる、などのこだわりをもつ鮨店に注目。
フードジャーナリスト 森脇慶子さんとともに、「気兼ねない日常使い」が叶う2021年の名店をご紹介しています。「あぁ、おいしいお鮨が食べたい」。そう思ったときに気軽に行けるお気に入りの一軒、見つけませんか?
[神奈川・溝の口] 鮨 すがひさ
緑豊かな郊外の街、神社の境内にひっそりと。地元の美食家、御用達! 王道江戸前鮨をリーズナブルに
東急田園都市線、溝の口駅から徒歩10分。「のびしろしかない鮨やさん」として、地元住民に愛されている店がこちら。店主の菅正博さんはタイカレー店で腕をふるった後、一念発起して鮨の世界へ。短期集中修業で鮨職人を育成する料理学校「飲食人大学」で学び、4年前、店を構えました。
「ツテもなく最初は大変でしたが、時間があるぶん包丁入れを練習し、仕込みやシャリを日々研究。もっとお鮨を気軽に楽しんでほしい、満腹ではなく満足していただける鮨をという一心で続けていたら、お客さんが応援してくれるように。常連さんに『握りが進化してるね!』と言われると心底うれしいですね」と菅さん。
つまみ4、5皿、握り11貫のおまかせコースのみですが、開店当初はなんと6,500円で提供。腕に自信がなかったからと菅さんが謙遜しますが、見かねたお客さんにもっと価格を上げるよう言われ、現在の11,000円(!)に。
江戸前の五大技法「酢〆」「昆布〆」「しょうゆづけ」「ゆで」「煮」をベースに、実直でまっすぐなお鮨を楽しめます。
漬けマグロ。この日は那智勝浦産。柵にしたマグロを湯引きしてしょうゆ、みりん、酒に漬けること4時間。和がらしをのせて。
宮城の穴子は2時間弱火で煮込みトロトロに。少し温めて供され、ふわっふわの食感に驚く。
美しい赤貝は山口県産。米は宮城県のササシグレを使用。浸水1.5時間、少ない水で固めに炊き上げる。京都の飯尾醸造の純米富士酢に惚れ込み、赤酢ほか3種の酢をブレンドしたシャリは、程よく酸味が効いた優しい味わい。どんなネタとも合ううえ、子供連れが多い客層にぴったり。
お隣は神社で、一見すると境内にあるように見える。この日のつまみ、2皿目は「初ガツオと新玉ねぎの和えもの」。すりつぶした新玉ねぎとしょうゆと酢を和え、肉厚のカツオにたっぷりと。さっぱりとした一品。
木の温もりが感じられる広々とした店内で、きびきびとひとりで切り盛りする菅さんの姿を見ながら、ゆったりと鮨を楽しんで。
※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下では一部情報が変更となる可能性があります。公式HPなどでご確認ください。
//////////////////////////////////////////////////
問い合わせ先
- 鮨 すがひさ
- 営業時間/17:30~23:00(最終入店20:30)、ランチは火曜〜土曜(予約のみ)
定休日/日曜
メニュー/江戸前おまかせコース¥11,000
要予約(最新情報はインスタグラム @sushi_sugahisa 参照)
住所/神奈川県川崎市高津区久本1-16-15 - TEL:044-750-7369
- PHOTO :
- 篠原宏明、長谷川 潤
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、佐藤友貴絵(Precious)