「カルテットが織りなす情熱の音 輝きを増す“ジャズ・ヴァイオリンの女王」。これが、ブルーノート東京のスケジュールに綴られている今回の寺井尚子のライヴのタイトル。北島直樹(ピアノ)、仲石裕介(ベース)、荒山諒(ドラムス)と組むレギュラーカルテットで登場となる。これまでブルーノート東京では、数々の世界的なアーティストとの共演も魅せてきたが、この“寺井尚子カルテット”としてのステージは、ジャズ・ヴァイオリンにはまだ馴染みがなくて、という人たちにこそ薦めたい。彼女のヴァイオリンの音色がストレートに心に響く、そんなライヴだからだ。
繊細かつエネルギッシュな演奏スタイルでオーディエンスを魅了する
“ジャズ・ヴァイオリンの女王“と称される寺井尚子がヴァイオリンを始めたのは、4歳の時。1988年にジャズ・ ヴァイオリニストとしてプロ・デビュー。クラシックをベースとした確かなテクニックと、幅広い音楽性を持つエレガントな表現は、多くの聴く人の心をつかみ、ジャズ界のヒロインとして注目を浴び続けてきた。
これまでに、文化庁「芸術選奨 文部科学大臣新人賞」、ミュージック・ペンクラブ音楽賞「ポピュラー部門 録音録画作品賞」等、数々の賞に輝いているほか、世界的アコーディオン奏者リシャール・ガリアーノと行なった海外公演が賞賛を浴びるなど、多方面で活躍。昨年は現代のジャズ・ヴォーカルを代表するシンガー、メロディ・ガルドーの新作への客演も話題となった。
最新作『フローリッシュ』は、パット・メセニーの作品から、映画音楽、オペラ『トゥーランドット』の「誰も寝てはならぬ」に到るまで多彩な楽曲を選び、ドラマティックにアレンジ。色彩豊かな寺井尚子ワールドが満開の作品となった。
近年、さらに磨きのかかった音色は、ときにエネルギッシュに、ときに妖艶に、ときに哀愁に満ちた表情で心に迫ってくる。時の経つのを忘れ、寺井ワールドに酔いしれたい。
NAOKO TERAI QUARTET
■スケジュール:2021年7月21日(水)
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- TEXT :
- 堀 けいこ ライター