香りの編集者と呼ばれているフレデリック・マル。祖父がパルファン クリスチャン ディオールの創設者であり、叔父が映画監督ルイ・マルという華麗な一族に加えて、自身のスタイリッシュな装いもまた、エグゼクティブたちからも注目され、フランスを代表するウェルドレッサーとしても有名だ。そんなフレデリック・マルが代表を務める香水ブランド「フレデリック マル」がコンセプトにするのは「香りの出版社」。名だたる調香師たちの創造性を解放し、既存のマーケティングにとらわれない香りの作品を世に送り出している。そんな、「フレデリック マル」のラインナップの中から、ふたりの調香師エドゥアール・フレシェとドミニク・ロピオンの作品から、夏におすすめの香りを紹介する。
「フレデリック マル」の夏におすすめの香りの芸術作品
エドゥアール・フレシェ|リス メディテラネ
エドゥアール・フレシェは、彼の世代で最もクリエイティブな調香師として知られ、生来の類稀なる嗅覚の才能で天才と称されている。シンフォニーを奏でるような寛大なスタイルは、現代的でありながらも。フレンチ パルファムの伝統に根ざしている作品が特徴だ。そんなエドゥアール・フレシェの作品の中からおすすめするのが、眩い輝きを放つ美しいパルファム「リス メディテラネ」。フレッシュでありながらも、華やかな白い百合の花を讃えて感覚的に表現。描かれたのは、酷暑の夕べに地中海の波しぶきが巻き上げる甘くスパイシーな百合の香り。オレンジブロッサムからマリンノートへと移行し、微かなムスクとバニラを含んだ弾けるような百合の香りが広がる。
ドミニク・ロピオン|ゼラニウム プール ムッシュー
ドミニク・ロピオンの作品が、特別だと呼ばれる所以は、完璧主義者であるという点に他ならない。香りの自由さや、創造へのあくなき探究心、そして相反する性質の香料さえも調和させる卓越した感覚は、他者には決して真似できない。そんな彼の作品の中からおすすめするのが非常にフレッシュな印象を与えるパルファム「ゼラニウム プール ムッシュー」だ。従来のクラシックなフゼア フレグランスに替わる現代的で洗練されたコンポジションは、核となるゼラニウムに、ミント、アニスシードやクローブ、シナモンといったスパイス、そしてサンダルウッドと大量のホワイトムスクを。さらにインセンス レジノイドやスタイレックス ベンゾインなどの希少なエキゾチック ノートが加わることで、透明感やフレッシュさに磨きがかかっている。
香りを、見えない芸術として世に送り出している「フレデリック マル」。その調香師たちのパフォーマンスを最大限に引き出したのが、ブランド創始者であるフレデリック・マルであり功績とも言える。既存のマーケティングにとらわれず、われわれを更なる高みへと導いてくれる調香師たちの香りの芸術に注目したい。
※価格はすべて税込です。
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- MEN'S Precious編集部
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