冷たい北風にさらされるこの季節、天然素材でアウターにもなるアイテムがとても便利だ。幸いなことに、今、日本やイタリアでは、ブランドの歴史は浅いものの、優れた着心地とデザインを誇るニットが増えている。こだわりの一着を手に入れて、冬を乗り切れ!
こだわりを具現化した日本ブランドの傑作
素材の調達から紡績、デザインまで、とことんこだわり抜いた、日本ブランドのニットをラインアップ。ひと目見ただけではわからないかもしれない。つくり手の美意識に満たされるのは、触れて、そでを通した瞬間。これらのニットがこれからの時代をリードする。
カシミアを特別な藍色に染め上げ、ほかにはない魅力に仕上げる
ブルブレはイタリアの老舗紡績メーカー、カリアッジ社の糸を使用し、日本で生産を行うブランド。タートルネックニットの素材はカリアッジ社の最高級カシミアで、ストレッチ糸を編み込み、弾力性を加味。『グアド』シリーズと称した黄金の藍と呼ばれる色合いが美しい。
素材から始まるニットづくりで時代の感性をダイレクトに表現
2015年春夏スタートのオーラリーはセレクトショップを中心に脚光を浴びているブランド。素材づくりをデザインと捉え、このニットでもスーパー130’sの極細ウールを限界まで目を詰めて編み立て、独特の佇まいを創出。そで口とすそには絞りを入れずに、肩が落ちたシルエット。
国内での自社一貫生産により、こだわり抜いたニットを届ける
1992年に東京・青山で創業したニットメーカーのオリジナルブランドがUTO。ニットでは珍しく、自分のサイズをオーダーすることができる。あぜ編みのハイネックカーディガンは、前立てやそで口の編み地の変化がポイント。素材は、最も得意とするカシミア100%だ。
原料調達からデザインまで一貫。そのこだわりがオーラを呼ぶ
1932年から続く、山形県寒河江市に拠点を置く紡績・ニットメーカーの佐藤繊維。その自社ブランドが991。ジップアップブルゾンはヤクの産毛を原料とし、ミドルゲージのエレガンスを追求。テーラードジャケットのように腕の可動域を広げた編み立てがさえる。
イタリア名うてのニッターから選抜
イタリアはニット大国、まだまだ、知らないブランドがある。ここでは高品質な素材を用いていることはもちろん、色出しやデザインも絶妙な、注目してほしい3ブランドをピックアップして紹介する。
以上、これから注目すべきニットを日本とイタリアから紹介しました。
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年冬号の情報です。
- TEXT :
- 鷲尾顕司 エディター