六本木ヒルズ展望台の東京シティビューにて開催が始まった「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」。ブルガリのアイコニックなモチーフである「セルペンティ=蛇」をテーマに、世界中のアーティストの作品と、ブルガリのセルペンティのアーカイブがずらりと並ぶ豪華な展示内容の詳細を実況中継レポートします。本記事では、是非観ていただきたい展示作品を7点、ご紹介します。

【前編:六本木ヒルズでブルガリの名作ジュエリーとアートが観られる展覧会が開催中】

■1:あの”ジョジョ”からも出展!荒木飛呂彦『康穂と由花子,2017』

『康穂と由花子,2017』 荒木飛呂彦が「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」のために特別に書き下ろした作品。『ジョジョリオン』の「康穂」(右)と『ジョジョの奇妙な冒険』第4部にも登場している「由花子」  ©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
『康穂と由花子,2017』 荒木飛呂彦が「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」のために特別に書き下ろした作品。『ジョジョリオン』の「康穂」(右)と『ジョジョの奇妙な冒険』第4部にも登場している「由花子」  ©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

■2:切り絵が見事に螺旋を描く蛇に!切り絵アーティストの巨大な作品

切り絵アーティスト、ウー・ジエンアン(鄥建安)さんの巨大な作品
切り絵アーティスト、ウー・ジエンアン(鄥建安)さんの巨大な作品
よく見ると緻密なパーツで構成されていることに驚き!
よく見ると緻密なパーツで構成されていることに驚き!

必見!キュレーターおすすめのアート作品5選

ブルガリのブランド ヘリテージ キュレーターのルチア・ボスカイニさん
ブルガリのブランド ヘリテージ キュレーターのルチア・ボスカイニさん

ここからは、ブルガリでブランド ヘリテージ キュレーターを務めるルチア・ボスカイニさんの、おすすめアートを5つ、ご紹介します。

■3:カラフルでうねる蛇が展望台の壁一面に貼られた広大なスペース

怖いけど美しい、自然がつくりだした造形から、人間はインスピレーションを受けてきた
怖いけど美しい、自然がつくりだした造形から、人間はインスピレーションを受けてきた

「この展覧会で初めてお見せするものがあります。まず、こちらの本物の蛇の写真です。非常にカラフルで、いろいろな形がある。蛇というものの多様性が改めて伝わるのではないでしょうか?」

■4:女性の身長ほどもある、インパクト大な蛇のオブジェ

「ニキ・ド・サンファルというフランス生まれ、アメリカのアーティスト。非常に遊び心のあふれるカラフルな作品で気に入っています」

どことなくユーモラスかつ意思を感じる、ニキ・ド・サンファルの作品 © 2017 Niki Charitable Art Foundation
どことなくユーモラスかつ意思を感じる、ニキ・ド・サンファルの作品 © 2017 Niki Charitable Art Foundation

■5:天明屋尚さんの「ネオ日本画」

入れ墨から飛び立つような龍や蛇がモダンに描かれた、「ネオ日本画」を標ぼうする天明屋尚さんの作品
入れ墨から飛び立つような龍や蛇がモダンに描かれた、「ネオ日本画」を標ぼうする天明屋尚さんの作品

「天明屋尚さんは伝統的な日本画の手法を、非常にコンテンポラリーに仕上げているところが面白いなと思っています」

■6:頭がない?うねる蛇をプラスチックで模った巨大なモチーフ

現在の彫刻の概念を崩壊させることに挑戦している小谷元彦さん。「無重力」を感じさせるためにプラスチックを使用
現在の彫刻の概念を崩壊させることに挑戦している小谷元彦さん。「無重力」を感じさせるためにプラスチックを使用

「小谷元彦さんはファンタジーのキャラクターを彫刻にすることで、現実の形あるものにしている。そういうクリエイティビティが素晴らしいと思います」

■7:北欧神話に登場する蛇の怪物「ヨルムンガルド」

「ヨルムンガンド」を扱った金子富之さんの作品 © Kaneko Tomiyuki Courtesy Mizuma Art Gallery
「ヨルムンガンド」を扱った金子富之さんの作品 © Kaneko Tomiyuki Courtesy Mizuma Art Gallery

「金子富之さんの作品は、ヨーロッパ北部の神話を解釈してつくられているんですね。日本の若いアーティストが、海外の古い神話を元に伝統的な技法でモダンに仕上げています」


ブルガリの枠を超えた「セルペンティ=蛇」へのトリビュート

「今回の展覧会を行うことになった経緯は、まず、ブルガリが非常にインスピレーションを受けてきた蛇…セルペンティをトリビュートするということで、『ブルガリという枠を超えたことがしたい』と考えたことがきっかけです。改めて歴史を振り返ってみると、さまざまなアーティストが、蛇にまつわる神話や物語にインスピレーションを受けて、さまざまな作品を生み出してきました。それは西洋でも東洋にも存在していました。

さらに、過去だけではなく、現代作家やデザイナーも、蛇にインスピレーションを受けた作品を多く存在している点についても掘り下げました。その結果、まさにブルガリというブランドの枠を超えた、過去と今にまたがるイマジネーションにあふれた展覧会になったと思います」(ルチアさん)

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この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
安念美和子