下着と香り、その共通点は、人の目に触れるわけではないけれど纏う人の魅力に大きな影響を与えること。「自分のために下着や香りを丁寧に選ぶことは、自分を大切にすることとなり、その人の魅力を倍増させることにつながります」と下着のプロである川原好恵さんはいいます。

今回は川原さんが選んだ読者におすすめの5つのブランドごとに、アロマ調香デザイナー(R)として活躍する齋藤智子さんが香りをセレクト。ランジェリーと香りをリンクさせることで、それぞれの魅力が引き立つそのペアリングを教えていただきます。

齋藤智子さん
アロマ調香デザイナー・一般社団法人プラスアロマ協会代表理事
(さいとう ともこ)京都で10代続く家に生まれ、白檀の香りに魅かれて調香の世界へ。20年間で創作した香りは6,000種を超える。代表作「TRANSITIONS」〜ミラノで最も美しい空気〜(Milano design award best technology賞)はミラノサローネで60万人の心を動かした。国内外で企業やブランド、美術館のアロマ空間演出を多数手がけるほか、近年は日本各地の農家や蒸留所との連携、マーケティングやサイエンス分野の研究など香りの可能性を広げる活動も行う。著書に『アロマ調香デザインの教科書』がある。トモコ サイトウ アロマティーク

プロが指南する、女性の魅力を倍増させる「下着と香りの関係」

ランジェリーと香りをペアリングして、一歩先行くおしゃれを楽しんでみませんか?
ランジェリーと香りをペアリングして、一歩先行くおしゃれを楽しんでみませんか?

服やバッグは、素敵なものや新しいものを身につけていれば誰かに褒められることも多いのですが、下着は一番のお気に入りを着けていてもなかなか人に見せる機会はありません。だからこそ、自分のために心地いいもの、本当に好きなものを身につけてほしいと思います。人の目に触れなくても、たとえ褒められなくても「私は素敵な下着を着けている」という自信が女性を輝かせてくれるからです。

香りも同じ。自分がいちばん心地良い、あるいは好きと感じる香りにいつも包まれていれば、自然と心が癒やされて穏やかになり、それは表情として表れ、その人の印象として結びつきます。

今回、下着に合う香りを選んでくださった齋藤智子さんは、そんな香りの力を研究し、その人に合ったパーソナルな香りをアドバイスしたり、さまざまな空間に合わせて香りをデザインしたりする香りのスペシャリスト。それぞれの下着がもつ世界観に合った香りを選び、一緒に纏うことで相乗効果となるペアリングをオリジナルの精油(エッセンシャルオイル)で提案していただきました。

香りで紐解く、ランジェリーブランドの個性。抱き合わせることで引き立つ本来の魅力とは?

今回、香りのペアリングを提案するのは5つのブランド。それぞれに個性があり、下着のおしゃれを楽しめるブランドばかり。そんな下着と香りからふくらむイメージを楽しんでください。

■1:大人の女性の魅力に奥行きを与える【ラペルラ×サンダルウッド】

ランジェリー_1
スリップ¥79,200/ラペルラ(ラペルラ ジャパン)
精油「サンダルウッド」¥0.000/トモコ サイトウ アロマティック
精油「サンダルウッド」5ml  ¥5,500/トモコ サイトウ アロマティーク

繊細な刺繍を施した「ラペルラ」の定番シルクランジェリーに合わせたのは、優しくて甘い香りの「サンダルウッド」です。

「サンダルウッド(白檀)は瞑想を促す香りとして知られ、寺院でもよく焚かれているので日本人にも馴染みのある香り。ベースノートなので、はじめはほんのり香る程度ですが、だんだん強くなり残り香がします。それは、奥ゆかしさがありつつもセンシュアルで、去ったあとも記憶のどこかに印象を残す素敵な大人の女性のよう。ランジェリー界のトップブランドであるラペルラを纏った大人の魅力に奥行きを与える香りだと思います」(齋藤さん)

■2:品のある華やかさで魅了する【オーバドゥ×ジャスミン】

ランジェリー_2
ブラジャー¥19,800〜・ショーツ¥14,300/オーバドゥ(オーバドゥジャパン)
精油「ジャスミン」¥0.000/トモコ サイトウ アロマティック
精油「ジャスミン」2ml ¥4,730/トモコ サイトウ アロマティーク

美しき宝石へのオマージュをレースのモチーフで表現した「オーバドゥ」の最新コレクションに合わせたのは、芳醇で豊かな香りの「ジャスミン」です。

「ふっくらとした白い花弁を持つジャスミンの精油は、香りの王様と呼ばれ、強い香りを放ちます。それは、1滴垂らしただけで、まわりの雰囲気を一気に華やかにしてしまうほどの存在感です。エレガントな花の香りなのですが、フェミニンなだけでなく男性にも好まれる多面的な表情を持つのがジャスミンの魅力。ただ派手なわけではなく、品のある華やかさで世界中の女性たちを魅力するオーバドゥにぴったりです」(齋藤さん)

■3:洗練された豊かな日常を彩る【ランジェリーク×黒文字】

ランジェリー_3
スリップ¥19,250・ブラジャー¥10,450〜・ショーツ¥6,600/ランジェリーク(カドリールインターナショナル)
精油「黒文字」¥9,680/トモコ サイトウ アロマティック
精油「黒文字」5ml ¥9,240/トモコ サイトウ アロマティーク

洗練された大人の日常を豊かにするランジェリーを提案する「ランジェリーク」のベストセラーシリーズに合わせたのは、和の精油「黒文字」です。

「伊豆を中心に九州や四国でも自生している黒文字は爽やかなグリーン調の香りで、時間が経つと複雑な甘さが漂ってきます。古くから高級楊枝などに利用されてきた、日本人には親しみのある香りです。繊細で研ぎ澄まされた香りは、1本でどんなシーンにも対応できる懐の深さがあり、ZENを感じる上質な精油として今人気上昇中。そんな日本の香りの代名詞的な黒文字と、繊細なレースを使って丁寧につくられた日本ブランドのランジェリークに私は多くの共通点を感じます」(齋藤さん)

■4:優しさで心もからだも包み込む【キッドブルー×オレンジスウィート】

ランジェリー_4
ブラジャー¥7,150・ショーツ¥3,630・キャミソール¥7,700/キッドブルー(カドリールインターナショナル)
精油「オレンジスウィート」¥0.000/トモコ サイトウ アロマティック
精油「オレンジスウィート」5ml ¥1,100/トモコ サイトウ アロマティーク

優しい肌触りで心もからだもリラックスさせてくれる「キッドブルー」のベンベルグベア天シリーズに合わせたのは、柑橘系の香り「オレンジスウィート」です。

「気持ちを明るくする作用のあるオレンジスウィートは、老若男女問わず嫌いという方はほとんどいない精油の中の愛されキャラ。清潔感があり、気持ちをほっこりさせる香りで安眠作用もあるため、一家に1本置いておきたい精油です。私は精油をブレンドするとき、クセのある香りを心地よくまとめてくれるのでよく使います。オレンジスウィートの香りとキッドブルーのインナーの共通点は、さまざまな感情を包み込んでくれる優しさと居心地の良さ。どちらもいつも側に置いておきたい存在だと思います」(齋藤さん)

■5:艶っぽい色香で互いの魅力を引き立てる【マイミア×カルダモン】

ランジェリー_5
スリップ¥30,360・ブラジャー¥17,160・ショーツ¥10,560/マイミア
精油「カルダモン」¥0.000/トモコ サイトウ アロマティック
精油「カルダモン」2ml ¥1,210/トモコ サイトウ アロマティーク

独自の世界観を発揮して注目を集める新進気鋭のランジェリーブランド「マイミア」に合わせたのは、スパイシーな香りの「カルダモン」です。

「カルダモンを料理にひとつまみ加えるだけで味に深みを与えるのと同様、香りもほんの少しで意外性のある個性を発揮します。とくに柑橘系の香りとブレンドすると好相性で私は大好き。スパイシーだけれど重すぎず、艶っぽい色香を宿す魅惑的な香りと言えるでしょう。どこがエキゾチックでミステリアスなムードが漂うマイミアのランジェリーとカルダモンは日常の中のスパイス的存在。一緒に纏うことでその魅力を互いに引き立てるようです」(齋藤さん)

木村硝子店とのコラボレーションで誕生した、日常を豊かにするエレガントなディフューザー

アロマディフューザー¥13,200/トモコ サイトウ アロマティーク

透明なガラスの器に入った樹脂に精油を数滴垂らせば、ほんのりと香りが漂うディフューザー。木村硝子店とのコラボレシーションだからこそ叶えられた美しさです。

今回紹介した精油もすべて齋藤さんが原料から厳選してつくられたオリジナルで、植物から抽出した植物の豊かな香りが凝縮されています。ディフューザーを使って部屋に香らせたり、ハンカチやティッシュなどに数滴垂らして下着をしまっている引き出しに入れて香りを移したりなど、さまざまな使い方ができます。

商品の詳細はこちらから


下着と香りのペアリング、興味を持っていただけましたか? 自分の個性・魅力を形作るキーアイテムである下着と香り。自分が本当に好きなものを自分のために、そして楽しみながら選びたいですね。

※掲載した商品はすべて税込み価格です。

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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PHOTO :
大槻誠一
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃