多機能を纏い進化する永遠のアイコンバッグ
『オータクロア』が、エルメスのバッグ第1号という出自は、オリジンに目がない我々の心を揺さぶるのに十分。誕生時に乗馬用として重宝されたバッグは、その後、旅を愛する者を支えるバッグへと進化を遂げた。ミリタリーウエアに着想を得たという最新作ではスマートフォンやAirPods Proなどが入る多彩なポケットを搭載。右マチに付く取り外し可能なボトルホルダーは、鍵などを掛けられる左マチのD環にも装着できる。さらにコットンキャンバスとヴォー・エヴァーカーフのコンビ使いで、軽量性も獲得。現代の暮らしに溶け込む、新時代の名品なのだ。
90cm四方に描かれたアートを身に纏って
シルクのアートとすら呼びたくなる、90cm四方の名品カレ。『ドライブ・ミー・クレイジー(=私を夢中にさせて)』と名付けられた柄は、1台のバイクと馬車を引く2頭の馬だ。新進アーティストのヨニ・オルターは、スピードを体現するこれらのシンボルが時代を駆け抜ける様をデザイン。「ドライブ」を掛け言葉にウィットまで効いている。革新的なオーバープリント技法の立体感ある表情やダブルフェイスの両面で異なる配色が我らを夢中にさせてくれるのだ。
裏地に覗く愛らしい顔を気品ある装いの内に秘めて
奢侈禁止令の対抗策として生まれた我が国の裏勝りだが、いつしか表立ってひけらかさない美学として和装を超え愛されている。ネクタイこそ、そうした遊び心を表現する数少ないアイテムのひとつだろう。フィリップ・ムケがデザインした幾何学的なモチーフ「H アン・リーニュ」の一見シンプルなネクタイは、大剣裏から、カレや腕時計のダイヤルでもお馴染みの、アリス・シャーリーによるなんとも愛らしいモチーフ「GRRRRR!」のクマが覗く! これならば、あえて見せたいほどだ。
メゾンの歩みに重なる進歩的なブーツ
ティエリ・エルメスの秀逸な馬具製造に端を発するメゾンだが、その地位に甘んじず、絶えず挑戦を繰り返して進化してきたのが今の姿だろう。このブーツにもそうした背景が見て取れる。モチーフは乗馬用のジョッパーズ。サイドゴアのデザインと融合したもので、厚めのラバーソールには、アウトドアの息吹も感じられる。結果、快適な歩行を実現するフットウエアに仕上がっているのだ。その名も『ディスタンス』。この相棒となら、間違いなく長い距離を歩んでいけそうだ。
シックな配色はシェア使いも視野に入る
定番的なギフトの組み合わせのひとつ、グローブ&マフラー。19世紀より革手袋を作り続けるアトリエで生まれたディアスキン製グローブ『ネイサン』と、極上のカシミアにラムスキン製の馬頭モチーフがパッチされたマフラー『シュヴァル・オ・トレ』だ。メゾンが重んじる職人の手仕事の賜物。これらを贈られた日には、顔にうれしさを隠しきれないだろう。それに、メンズのネイビーやブラックといったシックな配色は女性にも人気とのこと。ならば、シェアユース前提のギフト選びも賢明な選択であろう。
あらゆる境界を飛び越えたツイスト感を楽しみたい
世界中が未曽有の災禍に苛まれるなか、ファッションの新たな可能性を示してくれたのは、今季のコレクションのファーストルックとなった装いだ。撥水加工が施されたコートに見える、ワイドなラペルと左右でずらしたポケットデザインの遊び心。そして、ハイグレードなラムスキンで仕立てたパンツは、裾にリブを配することでジョガーパンツ風に仕立てている。そんなクリエイションから読み取れる、内と外、フォーマルとインフォーマルの境界を飛び越えたツイスト感が、装いの楽しさを再定義してくれるのだ。
エルメスが提示する現代的スマートライフ
休日の外出において、何が必要か。小規模決済がスマートフォンで可能となった今、持ち運びに必要なものを考え抜いて作られたのがこのマルチホルダーだ。面白いことに、スマートフォン本体やカードホルダーはもちろんのこと、側面にはエルメスのリップ『ルージュ・エルメス』が、フロントにはAirPodsケースが収まる専用ポケットが備わる。音楽やスキンケア、そうした日常に必要な豊かさにもスポットを当てたこの逸品が生かせる暮らしこそが、その名が提示する「エルメスウェイ」なのだろう。
旅の気分を格段に盛り上げる必需品
眺めているだけで旅情を誘う。こんなスーツケースと海を渡れば、さぞ気分も高揚するであろう。スケートボードのそれを思わせる、360度回転ホイールやキャンバスに描かれたサーフリゾート、ビアリッツの風景など、アクティブマインドを刺激する世界観に心惹かれる。すべての航空会社で使えるキャビンサイズのスーツケースは、安心のTSAクラスプも装備する。ボディは全11型、タイヤは全9色、ハンドルは全15種から、レザーハンドルの場合はイニシャル刻印も可能という自由なパーソナライズを楽しめる。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2021年秋冬号より
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- PHOTO :
- 生田 昌士(hannah)
- STYLIST :
- 菊池陽之介
- NAIL :
- NORI
- COOPERATION :
- 川奈ホテル
- WRITING :
- 髙村将司
- EDIT :
- 安部 毅(MEN'S Precious)