9月より劇場公開中の映画『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』。1980年代後半から2000年代にかけて活動したファッションデザイナー、マルタン・マルジェラ氏の半生と活動を追ったこの映像作品は、決して人前に姿を現さないマルジェラ氏自身が「声」で出演していることが大きな話題となっている。
この映画は2018年にパリのガリエラ宮パリ市立モード美術館にて開催されたメゾン マルタン マルジェラの大回顧展『Margiela/Galliera 1989-2009』にあわせて制作されていて、それゆえ彼自身の「声」の出演が可能になったものと推測される。そして、この『Margiela/Galliera 1989-2009』の他、モード美術館館長として数々のファッション関連の展覧会を手がけたのが、オリヴィエ・サイヤール氏である(ちなみに彼の姿も、『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』に登場する)。
女優やモデルとコラボレートした、ショーをイメージした展示
そんなサイヤール氏が、フランスの老舗シューズブランド『ジェイエムウエストン』のアーティスティック・イメージ&カルチャー・ディレクターに就任したのが2018年。以来パリファッションウィーク等で知的でウィットに富んだプレゼンテーションを数多く行い、さらに老舗のレガシーを尊重しながらも、現代的な存在感を備えた靴を発表してきた。
2021年春のパリ・オートクチュールウィークにて、マレ地区のギャラリーブティックオープンを記念して発表された、『ジェイエムウエストン』のオートクチュールコレクション。その際に行われた展示「Souvenir d'un defile(ショーの記憶)」が、10月14日より、東京のジェイエムウエストン 青山店で巡回・開催されることになった。
展示はファッションショーのフロントロウをイメージした各シートに、コラボレートゲストの愛用の服などとオートクチュールコレクションの靴が組み合わされる。コラボレートゲストはサイヤール氏と親交が深い女性たち。女優のティルダ・スウィントン氏やシャーロット・ランプリング氏、イタリアのショップ『コルソ・コモ』創設者のカルラ・ソッツァーニ氏といった、卓越した個性やセンスで知られる面々は、女性ならずとも気になるところだ。
オートクチュールコレクションとして展開される靴は、『ジェイエムウエストン』で展開されているモデルをベースに、植物をモチーフとしたオーナメントを配したもの。1960年代末にイタリアで興った芸術運動「アルテ・ポーヴェラ」や自然主義的思想から着想されたという、チューリップの花やシダの葉などを象ったオーナメントは、『ジェイエムウエストン』の職人によって革素材などを使ってつくられ、斬新な美意識とクラフツマンシップ双方を強く感じさせる。また、一部ドライフラワーを使った靴もある。
今回の展示に合わせて、これらオートクチュールコレクションの受注販売も行う予定。モデルごとに、20万円台、50万円台、70万円台といった価格設定になっている(詳細な価格や納期等はショップスタッフにご確認を)。コレクションはウィメンズを想定したものだが、男性のオーダーも可能とのこと。
特別なドレスアップの際にこうした靴を選ぶのもいいかもしれない。もちろん大切な人へのギフトとしても申し分ないだろう。もっとも、足元で装うというより、手にとってずっと眺めていたい欲望のほうが勝ってしまうかもしれないが。
<イベント詳細>
- Exhibition Souvenir d'un defile(スーヴニール ダン デフィレ) TEL:03-6805-1691
- 期間/10月14日(木)〜11月17日(木)※会期が延長しました。
営業時間/11:00〜20:00
開催場所/ジェイエムウエストン 青山店
住所/東京都港区南青山5-11-5 住友南青山ビル1階
問い合わせ先
※新型コロナウイルスの影響により一部情報が変更となる可能性があります。最新情報は公式HPなどでご確認ください。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- EDIT&WRITING :
- 菅原幸裕