コンプリケーションのひとつの究極として、近年多くのメゾンがその技術と美を競うように挑んできた「スケルトン」。2021年はさらにハイエンド化が進み、ケースにサファイアクリスタルを採用したモデルも目立った。ある意味、女性にとってのハイジュエリーウォッチに匹敵する憧憬の的といえるだろう。
シャネル『ボーイフレンド スケルトン X-RAY』
至高のエレガンスが漂う透徹のケース&ムーブメント
ケースは2021年のトレンドのひとつである、削り出しのサファイアクリスタル。まさに透徹の八角形のケースに宿すムーブメントも、「魅せる」ために設計された渾身の自社製スケルトンムーブメントで、精緻な機械美を堪能できる。円形のパーツが浮遊するように連なるその様はつけ手の陶酔を誘う。
リシャール・ミル『RM 74-02 オートマティック トゥールビヨン』
唯一無二を追求し続ける腕にまとう「アート」
これぞ「リシャール・ミル」!といった圧巻のオーラを漂わせるグラマラスなトノー形ケースの主素材は、独自素材であるゴールドカーボンTPT(R)。カーボンの漆黒と艶やかなゴールドが描く濃厚なコントラストが、完全自社開発のトゥールビヨンムーブメントの迫力を増幅し、このうえない存在感を放つ。製造本数が極めて限られるうえに、個体によってカーボンとゴールドのモアレ模様が異なるため、すべてがユニークピース。まさに腕にまとうアートだ。
ルイ・ヴィトン『タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ』
美を極めたスケルトンダイヤルは超絶技巧と矜恃の結晶
ホワイトとブラック、2色のダイヤモンドの絢爛豪華な輝きに目を奪われるが、この時計の真髄はジュネーブシール(ポワンソン・ド・ジュネーブ)を取得したフライングトゥールビヨン搭載ムーブメントと、それらに施された精緻なオープンワークだろう。ブリッジをはじめ微細な部品にもロゴをあしらうなど、随所に瀟洒さを漂わせるマニュファクチュールムーブメントの美しさを一点の曇りもなく表現した、ラグジュアリーメゾンの美学と力技は恍惚さえもたらす。
※価格はすべて税込です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2021年秋冬号
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- PHOTO :
- 池田 敦(パイルドライバー)
- EDIT :
- 岡村佳代、安村 徹(MEN'S Precious)