『Precious』11月号では、『モードをひとさじ、 2021年秋は「リタ・トラ」』と題し、スタイリストの高橋リタさんによる「トラッド」スタイルを特集。誰もが魅了される「リタ・トラディショナル」、略して「リタ・トラ」の真髄に迫っています。
今回はその中から、トラッドと共に育ったという彼女のヒストリーと「リタ・トラ」を巡る4つのキーワードをご紹介。
タイムレスでエイジレスなスタイリングには、彼女のトラッド愛が溢れていました。
誰もが魅了される「リタ・トラ」の軌跡
トラッドと共に育ったという高橋リタさん。そのヒストリーを伺いました。
「小・中・高と制服のない女子校に通ったので、ユニフォームとしての私服は常にトラッドでした。最初の記憶は、両親に着せてもらった『VAN』の子供服。中学に入ると『ラルフ ローレン』のB.Dシャツと『タータンショップヨーク』のキルトスカートを自らコーディネート。シャツもスカートも色違い・柄違いで揃えるように…この頃から、好きなものを掘り下げて極めたい偏愛気質が頭角を現します(笑)」(高橋リタさん、以下同様)
「学生時代に始めた『ビームス』のアルバイトでは、メンズアイテムにも開眼。本や雑誌でアイビールックを勉強しました。『アニエスべー』や『セントジェームス』のフレンチアイテムを取り入れて、着こなしに『ひねり』を効かせることを覚えたのもこの頃」
スタイリストになっても、ステディなブランドが変わっても、公私にわたって、一貫してトラッドを貫くリタさん。
「ディテールや丈、裾幅などこまめにアップデートをして、トラッドという様式美を『崩す』『外す』『ひねる』ことで、こなれたモード感や小粋なバランスが生まれます。それこそが、『クラシカルなのに今っぽい』着こなしを叶えるコツです」
「リタ・トラ」を巡る4つのキーワード
ここからは、『リタ・トラディショナル』を巡る4つのキーワードを検証。高橋リタさんのタイムレスでエイジレスなスタイリングの真髄と秘訣をひもときます。
■1:原点はアイビー
「リタ・トラ」のルーツは、アイビールック。
「Mr.アイビーことイラストレーター穂積和夫先生の『アイビー図鑑』シリーズ、1950~1960年代のアイビーリーガーやカレッジガールたちの本場のキャンパスファッションを撮影した写真集『TAKE IVY』と『SEVEN SISTERS STYLE』などが学生時代の私のファッションバイブル」
■2:ヨーロッパのセンスで磨きをかけて
スタイルのベースを築いた学生時代を経て、スタイリストになると、イタリアントラッドに夢中に。
「おしゃれなミラノマダムの色合わせやシルエットを真似たり、また、小粋な伊達男スナップからは着崩しを研究」して、「リタ・トラ」を研鑽。
メンズファッションの見本市ピッティ・ウォモに集う、おしゃれレベルの高い男性の着こなしを、スナップやPinterestを通してチェックするのは、リタさんのシーズナルデューティ。そこで仕入れたテクニックを自身のスタイリングに落とし込むことも。
「ジャッキースタイル」も、実はトラッドが礎。ヨーロッパのクラスブランドでセンスを高め、着こなしを研ぎ澄ませていった。そんな軌跡も、リタさんと重なる。
■3:好きなものはずっと変わらない
「自他共に認めるアイテム偏愛主義の私のワードローブは、シンプルトラッドを中心に、基本的に変わりません。核となるアイテムは、ブランド指名・リピート買いがほとんど。一寸も変わらない永遠の定番ではなく、時代に合わせて、こまめにシルエットやディテールのアップデートを続ける定番であることも重要です」
■4:マチュアなトラッドは永遠
「代表作『アニー・ホール』(1977年)から、75歳の現在まで、独自のトラッド路線を貫く女優ダイアン・キートンは、まさに『スタイルのある女性』の見本のような人。芯のある洗練されたトラッドスタイルには、年齢や時代にとらわれないモダンさがあります」
※高橋リタさんの【高】は「はしごだか」が正式表記です。
※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- セリーヌ ジャパン TEL:03-5414-1401
- トッズ・ジャパン TEL:0120-102-578
- ラルフ ローレン TEL:0120-3274-20
- トム ブラウン 青山 TEL:03-5774-4668
- PHOTO :
- 長山一樹(S-14)、(C)Getty Images、(C)Masashi Ikuta(hannah)
- STYLIST :
- 高橋リタ
- COOPERATION :
- インターメカニカ 東京
- EDIT&WRITING :
- 下村葉月、喜多容子(Precious)