急激に寒さが増し、冬のアウター選びが急がれる今日この頃。そこで、真っ先にチェックしたいダウンコートやダウンブルゾンを人気ブランドから厳選し、シリーズでお届けします。
絶妙なバランス感が冴えるアウトドアブランドのダウン
ウールリッチ(WOOLRICH)は1830年に、アメリカ・ペンシルバニア北部でアメリカ初の毛織物工場としてスタートしました。
当初はハンター用のジャケットやボトムスなどアウトドアアイテムが中心でしたが、ブランドのアイコンダウン「アークティックパーカ」が、アラスカのパイプライン用の耐寒ウエアとしてアメリカ政府の絶大な信頼を得るなど、現在に至るまでに数々の偉業を成し遂げています。
近年は大人が着こなせるカジュアルなメインコレクションとアウトドアピースの2ラインを設定し、さらに飛躍。ブランドのアーカイブの要素は備えつつも、カジュアル過ぎず、シック過ぎず、悪目立ちしない、絶妙なバランス感で女性の心をくすぐります。
今回は、最新コレクションから3点をピックアップ。今年はラニーニャ現象が起こり、厳しい冬になるとも予測されています。防寒力とデザイン力を備えたダウンウエアで、温かく快適に乗り切りましょう。
力強さとやわらかな表情を併せ持つダウンコート3選
■1:フード美人&脚長効果が狙える熟考されたダウンコート
ウールリッチを代表する「着膨れ知らず」のレディスモデルです。注目のひとつはスクエアステッチの採用。前身ごろと後ろ身ごろに脇からもう一枚つなぐことで、ダウンウエアにありがちな、太って見えることの脱却が可能に。
もうひとつはフードで見た目が変わる点です。前立てから続くフードを3つのパートに分け、後ろから見るとフードは立体的できれいに、前から見ると首回りをボリューミーに。これで小顔効果は抜群に。折り返して、ショールのように襟元へ収納もできます。
濃いネイビーの生地は、起毛感があり、雨や雪を気にすることなく使えるウールのような肌触りのポリエステルです。ファーなどのアレンジはなく、ごくごくシンプルなデザインですが、それがこのダウンウエアのよさを際立てます。急いで出かけたいときにパッと手がのび、その日のスタイリングがなんであれ、美しく、かつしっかりと北風から守ってくれます。
■2:ダウンとウール。異素材の組み合わせのチェスタースタイル
一見するとメルトンのチェスターですが、後ろ身ごろは軽量マイクロファイバーを使用したホリゾンタルキルトのダウン。異素材を組み合わせた新鮮な趣のダウンコートです。
ウールリッチの成り立ちから考えると、この仕様は当然の流れ。創業者が米国初の毛織物工場をつくる以前、彼の祖父の時代から英国・リバプールで毛織物工場を営んでいたのです。当然、アメリカの多様化する価値観のなかでも、ぶれることなくウールと向き合ってきました。アメリカ最古の毛織物ブランドだという矜持が「クナパーカ」からうかがえます。
また、後ろ身ごろにダウンを使うことで、通常のウールのチェスターコートよりも格段の軽さと温かさが可能になりました。フードまでつながる前身ごろのダウンは、フードごとジップで取り外しできる点もデイリーの使い勝手を計算してのこと。「ダウンウエア=カジュアル」そんな思い込みを刷新、冬の朝の通勤に大活躍する一枚です。
■3:王道のシンプルを突き詰めながら、トレンド感を押さえた優秀デザイン
ラグビー観戦やアウトドアレジャーに行きたいけれど、ダウンウエアだけでは寒いかも…、とカシミアストールをグルグル巻きにしていた女性には朗報です。ウールリッチの「アルシーパフィーパーカ」なら、高めのスタンドカラーと比翼仕立て、たっぷり入ったダウンで、防風、防寒面で装備は完璧。生地の撥水性は言わずもがなです。
シンプルを極めたデザインにも見えますが、後ろ身ごろが長いダックテール仕様や、ミニタリーを連想させるダークグリーンの発色は、男性のカジュアル界ではトレンドの主流です。そんなメンズライクな表情があるかと思えば、ドローストリングコードでウエストをギュッと絞り、メリハリをつけてスタイルアップすることも。用途に合わせてコートを使い分ける大人の女性なら、休日用のワードローブに加えたいアイテムです。
以上、ウールリッチの新作ダウンコート3点をご紹介しました。
アメリカの発展とともに成長してきたウールリッチは、培ってきた伝統を今も堅持しながら進化を遂げています。とはいえ流行に媚び過ぎない姿勢が、このブランドらしさ。ダウンウエアには、その程よいバランスが美しく映ります。
※掲載した商品は、すべて税込です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生