“ストリート”や“スポーツ”といった、近年のトレンドにやや陰りが見え始め、ここにきて“クラシック回帰”の機運がぐっと高まっている。メンズのアウターにおいてもそれは例外ではなく、中でもチェスターコートはその大本命ともいえるアイテム。素材や色柄など千差万別ある中で、やはり端正な佇まいはキープしつつ、今日的なモダニティを内包した1枚を選びたい。

1960年代に創業した「タリアトーレ」は、イタリアの最南に位置するブーリア州で誕生したラグジュアリーブランド。“裁断士”を意味するブランド名が表すように、卓越したカッティングと、伝統的なアルチザンが息衝くパターンメイキングが出色。クラシックでありながら、南イタリアらしい力強さとエレガンスを持ち合わせたスタイルは、世界中のモダンジェントルマンを虜にしている。

うっとりするようなカシミアの着心地と、趣深いヘリンボーン柄

コート¥176,000(トレメッツォ〈タリアトーレ〉)※税込価格

シンプルなシングルタイプのチェスターコートだが、カシミア混の軽やかで包まれるような着心地が特徴。柔和なベージュカラーと伝統的なヘリンボーン柄は、クラシックな雰囲気を演出するが、襟元の自然な立ち上がりや胸にぴったり沿うような美しいフィッテイングが、イタリアブランドらしい色香とモダニティを漂わせる。

膝上の程よい丈感は、フォーマルなジャケットスタイルはもちろん、ニットにリジッドデニムやウールのトラウザーなど、合わせるスタイルを選ばない汎用性の高さも魅力。上質な素材使いと袖を通して分かる優美なシルエットなど、進化するクラシコイタリアの世界を心ゆくまで堪能したい。

問い合わせ先

トレメッツォ

TEL:03-5464-1158

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
PHOTO :
多田悟(Rooster)
STYLIST :
仲唐英俊(TABLE ROCK.STUDIO)
WRITING :
佐藤哲也