鬼怒川温泉ホテルのオーナーとして鬼怒川・川治温泉地域の観光近代化への発展に寄与し、日本を代表するホテルマンとして大きな足跡を残したジョン金谷鮮治氏。仕立ての良いスーツをまとい、トレードマークは葉巻。そして真っ白なリンカーンコンチネンタルで現れ、高度成長期に湧く東京でも抜きん出てダンディでハンサムな紳士として異彩を放っていた。
おもてなしや贈り物にもおすすめ!「JOHN KANAYA」のショコラ
稀代のグルマンとしても知られた鮮治氏は、その知識を結集し、日本料理と西洋料理の融合を目指した「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」を1971年にオープンする。数々の著名人にも愛され、坂井宏行氏が初代シェフを務めた伝説のレストランだったが、残念ながら2002年閉店。鮮治氏や同店の美学を途絶えさせてはならないと誕生したのが、恵比寿にあるショコラトリー「JOHN KANAYA」だ。
鮮治氏から受け継ぐ和敬洋讃の精神や古き佳きの精神を大切に、ショコラを通じてダンディズムの提案をしている。ショコラにはハイランクのリカーを使用し、その風味をダイレクトに感じるように仕上げている。もちろん、こだわりは素材だけではない。他ではなかなか目にかからない美麗なショコラをご紹介しよう。
■1:鮮治氏が愛した葉巻をモチーフにした「葉巻ショコラ」
鮮治氏がこよなく愛した葉巻。それをモチーフにした「葉巻ショコラ」は「JOHN KANAYA」を象徴するショコラだ。生クリームを使わず、フルボディーの赤ワインだけで仕上げたビターなガナッシュにミルキーなクーベルチュール・チョコレートを薄く塗り、職人技で巻き上げている。葉巻の断面は渦状で、薄くパリパリとしたショコラとソフトなガナッシュの層によって、ミルフィーユのような食感と味わいが楽しめる。
■2:「JOHN KANAYA」のすべてが凝縮された「JOHN KANAYA Couture」
「JOHN KANAYA Couture」は、代表商品である「ボンボンショコラ」と正方形の「ラグジュアリーボンボン」のアソート。「ボンボンショコラ」は、欧州で重要書類が本物であることを示す証として用いられていた封蝋を模したショコラが添えられているのが特徴だ。「ラグジュアリーボンボン」にはブランドコンセプトである「East meets West(西洋と東洋)」「Cutting edge(最先端)」「High end(最高の)」「Modern(和モダン)」「One and only(唯一無二)」が異なるリカーの風味で表現されている。
特別なショコラを入れるのは、ウォールナットを使用した木箱。職人がひとつひとつ手作業で仕上げた箱は、ショコラを楽しんだ後もケースとして長く手元に置いておきたい。
■3:ショコラに合う赤ワインがセットになった「ヴァン エ ショコラ」
グラス一杯分である100mlのガラス瓶に詰められたワインを提案するMAIAM WINESとコラボレーションしたのが「ヴァン エ ショコラ」だ。チョコレートとの相性が最高とされる南フランスの太陽をたっぷり浴びた甘口ワイン 「バニュルス」と「ボンボンショコラ」のマリアージュが気軽に楽しめる。 ショコラは赤ワインの味わいに寄り添ったキャラメル、ワインの味わいに刺激を加える黒胡椒、和との調和が楽しめる山椒など、5種類を揃える。
高度成長期の日本を代表した粋人である金谷鮮治氏の美学を余すことなく体現した「JOHN KANAYA」のショコラ。今晩の味わうお酒のお供に、粋を結晶したショコラを選んではどうだろうか。
問い合わせ先
JOHN KANAYA 恵比寿店
- JOHN KANAYA 恵比寿店
- 住所/東京都渋谷区恵比寿西2-8-4 平陽ビル1F
営業時間/11:00~19:00
定休日/日曜・祝日
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- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター