着用したとき、最も素材の質感を味わえるのがニットである。なかでもカシミヤ素材は、とろけるような柔らかさに加え、体を包み込む安心感と暖かさに満たされる。着用する本人を幸せな気持ちにさせる、淡いベージュやグレー、アイボリーといった色彩にモダン・ジェントルマンの品格が宿る。本稿では、「Begg x Co(ベグ アンド コー)」から極上のニットコレクションを1枚と、日本では馴染みの薄い、​創業1874年、隠れた名門の技巧溢れるケーブル編みの一枚「Hawico(ホイコ)」のニットをそれぞれ紹介する。

質実剛健な作りと佇まいが真の服好きを唸らせる英国ニットの実力派

左/ニット¥143,000 (ウールン商会〈ホイコ〉)、シャツ¥66,000( ディエトロレクインテ)、右/ニット¥143,000・スカーフ¥52,800( ボーダレス〈ベグ アンド コー〉)

写真左は、スコットランド・ホイックで創業した老舗のカシミヤブランド「ホイコ」。日本ではまだまだ馴染みが薄いが、英国王室でも愛用された名門である。ニット全体はケーブル編みをベースに、ゆるく編み込まれた変わり柄がモダンな表情を作り出している。優雅な紳士の休日スタイルにふさわしい、寛いだ雰囲気が絶妙だ。

写真右は、カシミヤのストールにおける名門ブランドとして知られる「ベグ アンド コー」。2020年秋冬、ニットコレクションが誕生した。手応えのある無染色のカシミヤ素材から、ほのぼのとした雰囲気が漂う。たっぷりとしたシルエットは、まさに今の気分を表現する。両側の裾にスリットを入れた小技にも、親しみが湧く。

※価格はすべて税込です。

<出典>
MEN'S Precious秋冬号「モダン・ジェントルマンを象るAtoZ」
【内容紹介】モダン・ジェントルマンを象るAtoZ/しなやかで優しい男こそが本物のジェントルマンだ!/「その男の名は、ボンド」/もう「エルメス」さえあればいい/男がジャケットを着る時/ニットを極めるなら、やはりカシミア!/「名品時計録」2021など
2021年9月6日発売 ¥1,230(税込)

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この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2021年秋冬号
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PHOTO :
小池紀行(パイルドライバー)
STYLIST :
四方章敬
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)