着用したとき、最も素材の質感を味わえるのがニットである。なかでもカシミヤ素材は、とろけるような柔らかさに加え、体を包み込む安心感と暖かさに満たされる。着用する本人を幸せな気持ちにさせる、淡いベージュやグレー、アイボリーといった色彩にモダン・ジェントルマンの品格が宿る。そこで本稿では着回しに優れたグレーニットを4ブランドをピックアップ。同じグレーであってもブランドによって表情が異なるから、スタイルに合った1着を見つけていただきたい。

豊かなグレートーンを鮮やかに編み込む多彩なカシミヤの顔立ち

左上/ニット¥137,500( 三崎商事〈マロ〉)、左下/ニット¥132,000〈ALBERO CO., LTD.〈ダルモ〉)、右上/ニット¥286,000 (日本橋三越本店〈アンダーソン&シェパード ハバダッシャリー〉)、右下/ニット¥68,200 (ヴァルカナイズ・ロンドン〈N.ピール〉)

メランジュのカシミヤ糸によって、鮮やかなライトグレーを表現するイタリアのブランド。カシミヤニットを得意とする写真左上の「マロ」は、襟元がアクセントになるモックネック仕様とワッフル状の編み柄で、スポーティなスタイルに仕上げる。ゆったりとしたシルエットが全盛のなか、体に沿ったフィット感が楽しめる一枚だ。

イタリア・トスカーナ州のカルチナイアという小さな町に工房を構える写真左下の「ダルモ」。手仕事を駆使したニット作りを今も続けている。両脇にポケットをデザインした5つボタンのオーソドックスなカーディガンだが、男心をくすぐるノスタルジックな風合いが魅力。体のラインを綺麗に見せる、ノーマルなフィッティングだ。

紳士がオフのスタイルやスポーツを楽しむためのワードローブを揃えたのが、写真右上のサヴィル・ロウ名門の「ハバダッシャリー」。ミディアムグレーのクルーネックニットは、リブ編みベースのシンプルなデザイン。ラグランスリーブがポイントだ。

写真右下は、映画『007』のオフィシャル・パートナーを務めるブランド「N.ピール」。歴代のボンドやボンドガールが着用した復刻アイテムを手掛け、ふわふわと毛羽立った温かみのある表情が個性的だ。幅の細いケーブル編みでモダンなスタイルを演出。コートの下に合わせるなど、男らしいタートルネックに注目したい。

※価格はすべて税込です。

<出典>
MEN'S Precious秋冬号「モダン・ジェントルマンを象るAtoZ」
【内容紹介】モダン・ジェントルマンを象るAtoZ/しなやかで優しい男こそが本物のジェントルマンだ!/「その男の名は、ボンド」/もう「エルメス」さえあればいい/男がジャケットを着る時/ニットを極めるなら、やはりカシミア!/「名品時計録」2021など
2021年9月6日発売 ¥1,230(税込)

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この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2021年秋冬号
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PHOTO :
小池紀行(パイルドライバー)
STYLIST :
四方章敬
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)