私たちを虜にしてきた「海外ドラマ」プレイバック
ドラマLOVERは一日にしてならず! 今、過去最高の盛り上がりを見せる海外ドラマは、いかにして今日まで至ったのか…。時代を彩った名作を、私たちの青春の日々と重ね合わせながら振り返ります。
「PLAYBACK 1960's~1980's」『奥さまは魔女』、『刑事コロンボ』…
今回の海外ドラマ企画が立ち上がったのは、本誌編集部周辺で「あのドラマ観た?」「感情移入しすぎて…」「徹夜で一気観した!」など、海外ドラマに対する大人の女性たちの熱い盛り上がりを実感したから。そこで生粋のドラマ愛好者たちにアンケートをとることからスタートしました!
さぁ、振り返ってみましょう。あれはまだ、海外ドラマを「テレビドラマシリーズ」として楽しんでいた時代。ブラウン管に映る『奥さまは魔女』は、何もかもが新鮮で、外国の暮らしに憧れたものです。
「当時人気絶頂だったのが『チャーリーズ・エンジェル』のファラ・フォーセット・メジャーズ。前髪をふんわりとブローした、通称“ファラカット”を真似て、西海岸のサーファーを気どっていました」(喜多容子・『Precious』エディトリアルディレクター)。
『フルハウス』『こちらブルームーン探偵社』『特捜刑事マイアミ・バイス』まで、粒ぞろいの旧作が感性を刺激してくれた時代でした。
『チャーリーズ・エンジェル』
のちに映画化された『チャーリーズ・エンジェル』は、映画版主演のドリュー・バリモア総指揮で、ドラマのリブート版が放送された。
『刑事コロンボ』
「ウチのカミさんが」の名台詞でおなじみの『刑事コロンボ』は1972年スタート。豪華スターのゲスト出演もチェックしたい。
『大草原の小さな家』
『大草原の小さな家』と『奥さまは魔女』は、今とはまったく違う時代設定なのに、いつ見返しても新鮮&感動。不朽の名作とは何かを教えてくれる。
「PLAYBACK 1980's~2000's」『ツイン・ピークス』、『フレンズ』…
さて、時は'90年代、ファミリーストーリーやシットコムに親しんでいたドラマLOVERに衝撃を与えたのが、『ツイン・ピークス』の登場です。鬼才、デイヴィッド・リンチによるミステリーサスペンスはカルト的熱狂を生み、社会現象に。海外ドラマ活況の時代が幕を開けるのです。
『ツイン・ピークス』
「クーパー捜査官、25年後に会いましょう」という最終話のセリフどおり、2017年に復活し、話題をさらった『ツイン・ピークス』。
青春群像劇『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』や『フレンズ』の恋模様にやきもきしつつ(ジェニファーとブラピが結婚するなど、舞台裏も華やかでした)、大ヒット作『X-ファイル』にハマった人も多いはず。
「数ある医療ドラマから勝手に名医を選りすぐり、最強のメンバーで病院をつくる妄想をするのですが(笑)、高確率で上位に来るのが『ER緊急救命室』のグリーン先生。今やハリウッドスターのジョージ・クルーニーもこのドラマから巣立ったよね、と懐かしく観返します」(須川千恵子さん・webディレクター)
『フレンズ』
同じく、青春群像ドラマの金字塔として今も名を残す『フレンズ』も『フレンズ:ザ・リユニオン』として、また『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』も『ビバリーヒルズ再会白書』として、共にリブート版を配信。青春時代の名作を懐かしむファンはやはり多いのかも!?
「PLAYBACK 2000's~2010's」『冬のソナタ』、『デスパレートな妻たち』…
さらに世紀をまたいで2001年、エポックメイキングな作品となったのが『24-TWENTY FOUR-』。24時間を24話で描く驚愕の構成に「週末にイッキ観」する人が続出。レンタルDVDの充実もあって、好きな時間に鑑賞するスタイルが定着してきたのです。
並行して、女性の生き方の多様化と共に、『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)』『アリー my Love』『デスパレートな妻たち』など、女性の本音に迫った作品が続々と。「女の人生あるある」を凝縮した各シリーズに、全世界の女性が夢中になりました。
「長いシリーズの醍醐味は、ヒロインの成長を自分と重ねつつ観られるところ。特にオンタイムで追っているときは、そのドラマの一員になりきって日々を生きることも(笑)。人付き合いから仕事の進め方まで、そのお国柄が見えるのも興味深いですよね。特にアメリカは“正直が正義”なので、『それ、本人に言う〜!?』『自分が楽になりたいだけでは…』などと思うこともしばしば。ツッコミどころ満載なのが、また楽しいのですけれど」(土橋育子さん・エディター)
『冬のソナタ』
世代を問わず海外ドラマに親しむ人が増えた2000年代。『24 -TWENTY FOUR-』はもちろん、一大韓流ブームを巻き起こした『冬のソナタ』もその立役者。
『デスパレートな妻たち』
『アリーmy Love』は働く女性のリアルを、『デスパレートな妻たち』は郊外の同じエリアの住宅街で暮らす主婦たちの葛藤を描き、今観ても楽しめる。
『ゴシップガール』
『ゴシップガール』は、共通点を残しながらキャストを刷新した、リブート版もスタート!
「PLAYBACK 2010's~2020's」『メンタリスト』、『イカゲーム』…
そして今、海外ドラマは、多様化の時代に突入。動画配信サービスの台頭に伴って、PC、タブレット、スマホで、いつでもどこでも観られるように。さらに映画並みの制作費を投じ、各国がしのぎを削っているのが現状です。
ハリウッド女優が制作陣に名を連ねた『ビッグ・リトル・ライズ』などアメリカ作品はもちろん、『SHERLOCK/シャーロック』『ザ・クラウン』など品格を備えた重厚なイギリス作品に加え、今やエンターテインメント大国として『愛の不時着』『イカゲーム』などヒット作を飛ばす韓国作品も。
「『梨泰院クラス』のパク・ソジュンは、ハリウッドのマーベル映画が控えているとあって、世界に飛び出すメジャー級オーラを感じます。敵役のアン・ボヒョンも魅力たっぷり。このふたりを見ると脳内にOST(オリジナルサウンドトラック)が流れ出し、エネルギーが湧きます」(川口夏希さん・エディター)
『メンタリスト』
ドラマが多様化するなか根強いファンが多いのが『SUITS/スーツ』と『メンタリスト』。
『SHERLOCK/シャーロック』
英国男子のブームの引き金となった『SHERLOCK/シャーロック』。
『ビッグ・リトル・ライズ』
映画ファンをドラマに引き込んだ『ビッグ・リトル・ライズ』も見逃せない。
『イカゲーム』
コロナ禍でステイホームを余儀なくされる時世のなか、世界中のドラマファンの心をつかんだ『梨泰院クラス』に加え、韓国の『イカゲーム』は、配信国すべてで1位を記録!
時代が変わっても人は冒険を求め、ロマンスに心躍らせるもの。酸いも甘いも噛み分けたその感性で、最新海外ドラマを堪能しませんか。
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、正木 爽、宮田典子(HATSU)、喜多容子(Precious)