新型レンジローバーが登場した。2022年1月17日に日本でお披露目。同日から受注開始されている。5代目になった新型の特徴は、ボディサイズが大きくなったことをはじめ、快適性と操縦性が上がったこと、新世代のインフォテイメントシステムを含めて装備がより充実したこと、そしてリダクティブ(シンプル化)と表現される斬新ささえ感じさせる外観と、多方面にわたる。
独自の世界を作り上げた新型レンジローバー
新型レンジローバーは、おおきくいって2つのボディでラインナップが構成される。2997ミリのホイールベース(従来モデルは2920ミリ)を持つ全長5052ミリ、全高1870ミリの標準ボディと、3197ミリのホイールベース(同3120ミリ)に全長5252ミリのロングホイールベースボディ。後者には、今回はじめて3列シート仕様が設定された。
「究極のラグジュアリーSUV」を謳うだけあって、まず注目したいのはインテリアだろう。コンセプトは「トランクィル・サンクチュアリ」。空間の使いかた、素材選び、色づかい、すべてが独自の世界を作りあげている。他では見つからない、ぜいたくな雰囲気の車内空間が実現している。
静謐でおちつく、自分だけの空間をめざしたと解釈すればいいだろうか。新世代のアクティブノイズキャンセレーションをはじめ、においやアレルゲン、さらにウイルスなどを大幅に低減させてクリーンで快適な室内空間を提供するという「空気清浄システムプロ」(ナノイーXTM搭載、PM2.5フィルター付き)も装備された。
快適性と走破性のために、シャシーコントロールの電子制御がより“進化”したのも、あたらしいレンジローバーの特徴だ。サスペンションを中心に、ボディコントロール技術がより煮詰められ、高速ではフラットで快適な乗り心地の実現をめざすいっぽう、オフロードでの走破性も高められたとする。
プロダクトのDNAを守りながら先へと進む
ボディデザインについて、ジャガーランドローバーのデザインを統括するチーフクリティブオフィサーのジェリー・マガバーン氏は「プロダクトのDNAを守りながら、先へと進むのは可能で、今回のレンジローバーで私たちはそれを成し遂げた」と述べている。
「後方へ向かってなだらかに下がるルーフライン、水平方向を強調した力強いウエストライン、立ち上がるシルライン、クラムシェルボンネット、特徴的なショートオーバーハング、格式高いフロントエンド、直立したフロントガラス、テーパー形状でボートテールのようなリア、実用的なスプリットテールゲート」
レンジローバーのスタイリングにおけるDNAとして、上記の要素があげられている。たしかに、ひと目でレンジローバーと気がつき、新しさも同時に強く感じさせるスタイリングだ。
エンジンラインナップは豊富だ。4.4リッターV8(最高出力390kW,750Nm)をはじめ、3リッター6気筒プラグインハイブリッド(375kWバージョンと324kWバージョンあり)、3リッター直列6気筒ディーゼルマイルドハイブリッド(221kW、650Nm)。ロングホイールベースとショートホイールベースがあり、しかも仕様ちがいが用意されているので、トータルで13車種にのぼる。
価格は、ディーゼルの「D300」(ディーゼルはショートホイールベースのみ)の1638万円にはじまり、324kWのPHEVは「P440e」1710万円から、375kWの「P510e」は1835万円から、そしてV8の「P530」は1830万円から。
今回、スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が手掛ける「ラグジュアリーとパーソナライゼーションを極めたモデル」(レンジローバー)として「レンジローバーSV」が「P510e」と「P530」にラインアップされている。
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- 小川フミオ ライフスタイルジャーナリスト