甲革の上に羽根(腰革)をデザインしたダービー、あるいはブラッチャーは、日本では外羽根と呼ばれる。羽根が全開しフィット感の調整がしやすく、狩猟用やアウトドア用の靴に広く浸透している外羽根だが、エレガントなデザインも多く、内羽根のレースアップシューズと双璧をなす存在であることは言うまでもない。メンズプレシャスがセレクトしたおすすめのモデルから、スタイルに合わせて履き分けていただきたい。
足馴染みが良いエレガントな「外羽根」靴
コルテ|多くの靴デザインに影響を与えたブランドの象徴的モデル
1997年ビスポークシューズとして誕生したこの靴は、2003年に既製靴としてラインナップした。甲革からつま先に流れるシルエットや、シャープで繊細なトウシ ェイプなど、同ブランドの天才靴職人ピエール・コルテ氏が、祖父のヨットから着想を得た優雅な要素が詰まっている。すっきりとしながらも存在感ある2アイレット(鳩目)は、圧倒的な美しさである。
クロケット&ジョーンズ|カントリーシューズ発祥の普遍的Uチップの矜持
カジュアルとドレスをバランスよく融合したUチップの一足は、ドレスカジュアルにうってつけのスタイルである。しぼ革でカントリーな雰囲気を演出しながらも、普遍性のあるUチップは、軽快なドレスシューズの役割を果たす。英国で最も多い靴の生産量を誇る、ドレスシューズブランドの矜持が漲っている。
エドワード グリーン|スエードで新鮮味を映し出す伝統モデルの再認識
靴の原型は1930年代。紳士が最も輝いていた古き良き時代である。英国西海岸沿いの、カ ーディフ地方から名付けられた同モデルは、カーディフの都会性と自然豊かな土地をミックスしたような表情が魅力。シンプルな飾り穴とスエード素材による外羽根のデザインで、伝統的なスタイルを改めて知る名作だ。
オールデン|アメトラ王道のデザインずっしりとした重厚感が絶妙
1930年前半に開発され、1935年に誕生した継ぎ目のない一枚革仕立てのクリッパーを採用したプレーントウ。アメリカントラッド王道のデザインだ。深い光沢を湛えた革のコードバン素材によって、革に厚みがありながらもしなやかなフィット感。無骨で重量感のあるダブルソールが、いかにも力強い。
※掲載商品の価格は、すべて税込み、参考価格です。
以上、ビジネスや休日のカジュアルな装いに欠かせない、おすすめの外羽根モデルを紹介した。軽快なスエード靴をはじめ、重厚感のあるダブルソールなど多彩なモデルから、ワードローブに見合う1足を見つけていただければ幸いだ。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
- PHOTO :
- 小池紀行(パイルドライバー)
- STYLIST :
- 河又雅俊
- EDIT&WRITING :
- 矢部克已(UFFIZI MEDIA)