1890年創業の「エドワード グリーン」は、同名の靴職人がノーザンプトンにある小さな工場で、紳士用の靴作りを始めたことがブランドの出発点。“妥協なきエクセレンス”をブランドフィロソフィーとする卓越した職人技術が息衝いたものづくりは、瞬く間に英国中の話題を呼ぶまでとなった。以降、ヘミングウェイやウェルドレッサーとして知られるウィンザー公に愛用されるなど、最も品質の高いグッドイヤー・ウェルトシューズカンパニーとして、130年余に渡り世界中の洒落者たちの足元を彩っている。
シンプルな意匠に宿る独自のデザイン哲学と崇高なクラフツマンシップ
「エドワード グリーン」のシグネチャーモデルともいえる『チェルシー』は、メンズのレザーシューズの中で最もフォーマルなデザインとして位置付けられる内羽根のストレートチップタイプ。最高品質のカーフスキンを、熟練の職人が時間をかけて丁寧に仕立てることで、足の返りが良く、履き込む程にまるで自分専用に誂えたかのようにしっくりと馴染んでいく。かしこまった場面で活躍するとあって、無駄な装飾を排したシンプルなデザインだが、それでも要所要所に名門らしい技術力の高さやアイコニックなディテールが見てとれる。
とくにサイドのシューホール下部に施された“スワンネック”は、「エドワード グリーン」の顔ともいえる意匠のひとつ。文字通り、白鳥の首を想起させる美しく孤を描くステッチワークは、優美な横顔を演出するだけでなく、ブランドが誇る高い技術力の証左ともいえよう。それはトゥキャップにおいても同様で、精緻なステッチが整然と横断するさまは“神は細部に宿る”という言葉を思い起こさせる。履き心地や耐久性に直結する底付けは、グッドイヤーウェルト製法を採用。足馴染みの良さや堅牢性だけでなく、オールソール交換が可能なので長く履き続けることができるのも嬉しい。
“一生モノ”という言葉を簡単に使うのは少々気が引けるが、ビジネスシーンはもとより冠婚葬祭まで網羅できる汎用性を考慮すれば、いつかは手に入れたいではなく、今本当に必要な1足といっても決して大袈裟ではないはずだ。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- MEN'S Precious編集部
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- WRITING :
- 佐藤哲也