ゆったりとした贅沢な空間と、徹底したホスピタリティ。ラグジュアリーホテルの魅力は、旅するように、非日常な体験を味わえることにあります。加えて今、ホテルを訪れる大きな理由のひとつになっているのが「食」。

『Precious』3月号の企画「今、『ホテルダイニング』が面白い!」では、ラグジュアリーホテルが力を入れている「食」について注目しました。

新進気鋭の若手シェフの起用や、環境に配慮した食材の活用、ドリンクペアリングの強化やシェフ自らが生産者を訪れ素材を吟味するなど、ホテルのダイニングという枠を超えた新たな挑戦をしているところが増えています。これまでのイメージを覆す、この時代の新たなホテルの「ダイニング」に迫ります。

今回は、東京・丸の内にあるパレスホテル東京の「エステール」をご紹介します。

パレスホテル東京「エステール」|東京・丸の内

ホテル初、富士山麓の有機栽培農家と専属契約。日本のテロワールとデュカス・パリの哲学を体験

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パレスホテル東京「エステール」

皇居外苑の四季折々の豊かな自然を眺めながら味わう、デュカス・パリ仕込みの本格フランス料理。“大地と海の出会いの物語を紡ぐ場所”というコンセプトのもと、日本のテロワールを生かしたフレンチファインダイニングで、ミシュラン1つ星レストランとしても掲載されています。

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柔らかな色調のエントランス。奥には野菜を模ったオブジェが
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優しいブラウンを基調とした店舗デザインは緒方慎一郎氏率いるSIMPLICITYが担当

とりわけユニークな試みが、山梨県白州にある有機栽培野菜の農園「白州杜苑」との専属契約。メニュー構成と連動した野菜づくりや、国内ではなかなか手に入らない西洋野菜づくりを試みるなど、生産の場とレストランとの連携を図ることで、コンセプトに基づいた食体験を提供。

例えば、農園から届いた「カリフラワーのロースト」(写真・下)は、丸ごと焼き上げた後、スライスした生のカリフラワーと熟成コンテチーズを使ったソースをかけ、グラタン仕立てでいただくひと皿。カリフラワーの甘みや食感をダイレクトに味わえる一品です。

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「カリフラワーのロースト」

また、2019年11月のオープン以来、食材を余すところなく使うサステイナブルな取り組みも実施。魚の骨は香り付けやデコレーション(写真・下)に、野菜の皮はパウダーやドレッシングにしたりと、多様な調理法でフードロス削減を実現。

ヘルシーで地球に優しいフランス料理を楽しめます。

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アンコウの骨をプレゼンテーションに使用、頭の部分はピンチョスとして添えたグリエ(料理は季節によって変わるため画像はイメージです)。
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通年シグニチャーディッシュの「和牛 茄子と紫蘇」。和牛のミスジをシンプルに塩胡椒で焼き上げ、付け合わせのナスは、ペーストやグリル、皮を使ったソースなど多彩な調理法で。
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「ル・ショコラ・アラン・デュカスのチョコレートを使用したデザート やげん堀の七味」。日本ならではのアクセントとして七味をプラス。

※この特集の情報は1月17日現在のものです。営業時間など最新の情報をご確認のうえ、ご活用ください。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)