3月26日(土)にオープン1周年を迎えた、日本最大のフラッグシップショップであるブルネロ クチネリ表参道店。地下2階に本拠地であるイタリア・ウンブリア州のソロメオ村にあるアートフォーラムをイメージした 「アートスペース」を設け、日本とイタリアをつなぐ文化の懸け橋として、これまで陶芸家の辻村史朗氏や書家の井上有一氏など、約半年ごとに日本のアーティストの作品を紹介しています。

そして、オープン1周年の記念となる今年3月26日(土)からは細川護熙氏の作品を展示しています。

ブルネロ クチネリ表参道店で『六曲一双屏風 夜桜図』など細川護熙氏の作品を展示中

今回展示される作品の一つである『六曲一双屏風 夜桜図』は、桜の美しい春に、深遠な空気を感じさせる「夜桜」が描かれた屏風です。観賞することで、桜の美しさと今の世情を静かに受け止めつつ想いを巡らせるような、特別な時間をもたらしてくれる作品です。

展示会_1
細川護熙氏作『六曲一双屏風 夜桜図』

建仁寺塔頭正伝永源院に奉納された細川護熙氏の24枚の襖絵「四季山水図」のうち、夜桜が描かれた『知音』にインスピレーションを得た、こちらの『六曲一双屏風 夜桜図』。この度、ブルネロ クチネリ表参道店にて初めて公開されます。

展示会_2
表参道店地下2階「アートスペース」にて展示中の『六曲一双屏風 夜桜図』
展示会_3
『六曲一双屏風 夜桜図』は展示に際して、分けた形で公開中

また今回、細川氏が2019年に薬師寺慈恩殿に奉納した障壁画『東と西の融合』の下絵もブルネロ クチネリ表参道店にて、屏風より短期の会期ですが、5月8日(日)まで展示されています。

展示会_4
細川護熙氏作『東と西の融合』下絵の一部

薬師寺慈恩殿の障壁画は完成後、コロナの感染拡大を受けて、未だ一般公開されていません。奉納された障壁画と同様に、今回展示される下絵にもイタリア顔料の明るく美しい色形がフレスコ画の技法で施され、玄奘三蔵の仏法伝来の道が、東西文化交流の明るさと躍動感とともに表現されています。

『六曲一双屏風 夜桜図』をはじめ、初公開となる作品が東京で見られる貴重な機会です。皆さまも、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

細川 護熙氏
(ほそかわ もりひろ)元内閣総理大臣。政界引退後、書、水墨、油絵、漆芸などを手がける。京都建仁寺正伝永源院、大本山建仁寺、奈良東大寺、薬師寺慈恩殿に襖絵や屏風、障壁画を奉納。現在も日本の文化と精神を伝えていきたいという願いで制作に取り組む。

細川護熙氏 作 『六曲一双屏風 夜桜図』展示詳細

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。