東京・芝公園にある「ザ・プリンス パークタワー東京」では、B1Fの「中国料理 陽明殿」において「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」を季節ごとに開催しています。2時間のセミナーでは、従来の薬膳に対する「苦そう」「薬臭そう」などといったイメージを覆す、華やかで上質な薬膳料理をいただけます。
コロナ禍で免疫力を高めることがよいとされ、薬膳料理の注目度も高まっていますが、「ザ・プリンス パークタワー東京」では約10年も前からこちらのセミナーを開いているのだとか。季節ごとに通う常連のお客様も多いという人気のセミナーに、Precious.jpライターが参加してきた様子をお届けします。
「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」とは?
東洋医学に基づいた薬膳は、まだ病気になっていなかったり、数値には現れなかったりするものの、なんとなく不調な状態である「未病」を、食を通して改善していくという「薬食同源」の考え方に基づいた料理です。
セミナーの監修を務める薬膳料理研究家・東洋美食薬膳協会代表の谷口ももよさんは、「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単でおいしい薬膳レシピを提唱し、薬膳をテーマにしたメディアへの出演、講演会、企業、レストランへの薬膳レシピ開発や商品開発などを幅広く手掛けています。
薬膳はすべてを理解しようとすると何冊も本を読んだり、何回もセミナーに通ったりする必要がありますが、「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」では谷口さん監修の元、「中国料理 陽明殿」料理長の壁谷さんが作りあげた本格中華をいただいて、谷口さんの解説を聞きながらおいしく薬膳に触れることができるんです。
セミナーはこの季節に必要な養生方法の解説からスタート。春は寒暖差や、新生活のストレスなどで、肝臓へダメージがたまるので、肝を補ってあげる食事がおすすめなのだそう。といっても、生薬や漢方薬が入っているわけではなく、身の回りにある食材、旬の食材でよいのだとか。
そうしたコースに登場するメニューのお話はもちろん、季節ごとに変わる日々の養生方法についても解説していただけるので、帰ってからも実践できるという仕組み。二重にお得になっています。
「ザ・プリンス パークタワー東京」の「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」体験レポート
■1:薬膳のイメージが変わる「YAKUZEN Beauty 八寸 ~春の宴~」
まず運ばれてきたのは、野菜を中心とした八寸。華やかな飾り付けで、薬膳に対するイメージががらりと変わりました。春らしくホタルイカや春菊の和え物、鰆の南蛮漬け、薬膳らしくクコの実入りのフランボワーズジュレやナツメのシロップ煮、ヨモギ団子などが並びます。
イカは貧血や血の巡りに、春菊は目の充血やイライラ解消に、クコの実も目の疲れに、ナツメは疲れや胃腸虚弱に効果を発揮するのだそう。また、コゴミやヨモギといった春の苦みのある青い野草はデトックス効果も期待できるとのこと。何も言われずに運ばれてきたら、ただおいしく食べて終わるメニューですが、しっかり意味のある組み合わせになっています。
■2:飲んでいるうちに体がポカポカしてくる「フカヒレ入り山海珍味の壺蒸し仕立て」
その後は「フカヒレ入り山海珍味の壺蒸し仕立て」へと続きます。
こちらはフカヒレにナマコ、アワビが入った豪華スープ。フカヒレは美肌にいいと有名ですが、ナマコはうるおいに、アワビは貧血解消に効果が期待できるとのこと。飲んでいるうちに体がポカポカしてきて、なんだかこれだけで健康になったような気さえします。
■3:春野菜を消化の良いスープ仕立てに「グリーンピースのヴィシソワーズ」
「グリーンピースのヴィシソワーズ」は春野菜であるグリーンピースをたっぷりと使ったスープで、グリーンピースは胃腸虚弱に効果があると言われているのだとか。
スープ料理が多い印象ですが、すべてのエキスを消化よく食べることができるので、薬膳では汁ものが多くなるのだそうですよ。
■4:セロリ嫌いでも食べられる「セロリの春巻き」
春に旬を迎えるセロリも谷口さんおすすめの食材。春巻きにすることで、食べやすくなっています。パリパリとした食感も楽しい一品です。
■5:春らしい仕立ての「冬瓜と蛤の煮込み」
「冬瓜と蛤の煮込み」も旬の蛤を使った煮込み。冬瓜と桜型に彩ったゆり根とともに鶏だしの餡がかけられ、春らしい一皿に。地下の会場ではありますが、テーブルの上は春爛漫です。そして、春の貝類は代謝アップにつながるのだそうですよ。
■6:スッポンのクセを感じない「白木耳入り烏骨鶏とスッポンの蒸しスープ」
薬膳コースのメインともいえる「白木耳入り烏骨鶏とスッポンの蒸しスープ」。スッポンの滋養強壮効果は有名ですが、烏骨鶏も肝を養い、白木耳は肌にうるおいを与えるなどのパワーを持つ食材です。スッポンの生臭さや癖はまったく感じず、ホロホロに煮込まれた烏骨鶏の肉と、トロトロに煮込まれた白木耳の味と食感を堪能できます。
こちらのスープはセミナーの名物料理。コースの内容は季節ごとに変わりますが、このスープだけは毎回必ず提供されます。スープ目当てで毎回訪れるファンも少なくないそうですよ。
■7:フルーティーな「バルサミコ酢豚 パイナップルと彩り野菜を添えて」
肉料理として「バルサミコ酢豚 パイナップルと彩り野菜を添えて」が登場。豚肉の栄養価が高いことは有名ですが、東洋医学的には疲れを取り、潤いをもたらすそう。バルサミコ酢のフルーティーな香りと、パイナップルとアスパラ、菜の花など春野菜の色鮮やかな取り合わせで、気持ちも明るくなります。
■8:中国料理らしいチャーハンも薬膳仕立てで「桜海老と生海苔のチャーハン 大葉の香り」
ご飯には磯の香りがたっぷりと香る「桜海老と生海苔のチャーハン 大葉の香り」が登場。海苔は水の代謝をよくし、大葉は気の巡りを改善すると言われているそう。
コースの〆の料理となりますが、ここまでさまざまな料理をいただいた上でのご飯でも、食欲をそそる香りと香ばしい食感でとても美味! あっという間になくなってしまいました。
■9:たっぷりのデザートで満足!「緑茶のパンナコッタ 抹茶バスクチーズケーキと桜アイス求肥包み 柑橘フルーツとともに」
締めくくりのデザートは「緑茶のパンナコッタ 抹茶バスクチーズケーキと桜アイス求肥包み 柑橘フルーツとともに」。さまざまなスイーツの盛り合わせで、通常のアフタヌーンティーのような光景。こちらにもしっかりと緑茶や桜のフレーバーといった薬膳食材が盛り込まれています。
これだけたっぷりのコースですが、食べ終わってから「食べ疲れた」「胃がもたれた」ということもなく、きちんと食に元気をもらって帰れるセミナーとなっていました。
次回、夏の開催は2022年7月12日(火)で、熱を取るトマトやゴーヤを使ったメニューが並ぶ予定とのこと。現在、公式サイトよりオンライン予約が可能です。
今すぐ食べたい方には「YAKUZEN beauty 楊貴妃ランチ」がおすすめ
「7月まで待てない!」または「その日は都合が悪い」という方には、陽明殿で提供されている「YAKUZEN beauty 楊貴妃ランチ」がおすすめ。こちらはいつでも注文できるランチコースですが、セミナーと同じく谷口さん監修の元、薬膳の要素が取り入れられているんです。
一部は「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」で提供されたメニューもあって、セミナーのエッセンスを感じることもできます。メイン料理は2種類から選ぶことができ、満足感の高いランチコースですよ。
薬膳の魅力を手軽に感じることができる「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」と「YAKUZEN beauty 楊貴妃ランチ」。身体にいいものを取り入れつつ、味もきちんとおいしいものが食べたい……という方にはおすすめですよ。
※外出時には新型コロナウイルスの感染予防対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
- ザ・プリンス パークタワー東京
- 「薬膳ヘルシー&ビューティーセミナー」「YAKUZEN beauty 楊貴妃ランチ」
場所/B1F「中国料理 陽明殿」
TEL:03-5400-1170(10:00~18:00)
住所/東京都港区芝公園4-8-1 B1F
- TEXT :
- 田中いつきさん フリーランスライター
- EDIT :
- 小林麻美