■3:オランダで国民的人気を誇るトリプルAの長女。カタリナ=アマリア・ファン・オラニエ=ナッサウ王女
次に注目したいのが、オランダのカタリナ=アマリア・ファン・オラニエ=ナッサウ王女(オラニエ女公、オラニエ・ナッサウ公女)だ。父親の、ウィレム=アレキサンダー 国王が即位したことに伴い、王位継承順位第1位となった。2003年12月7日生まれの18歳。
名前がAの頭文字から始まることから「トリプルA 」との愛称で呼ばれる3人の美人姉妹(長女のカタリナ=アマリア王女、次女のアレクシア王女、三女のアリアーネ王女)と両親は、大の仲良し家族という意味でも国民から支持されている。
自転車で登校する素朴な一面が支持される
3人とも、ハーグにある、プロテスタント系ギムナジウムの中等教育学校、クリスティック・ギムナジウム・ソルフリートに通学。普通に自転車で通学しているのも、自転車文化の国であるオランダ国民から好感度が高い一因だ。
卒業式の恒例セレモニーがSNSで話題に
オランダでは、卒業時に自分の家の前に国旗と高校カバンを掲げて祝う習慣がある。カタリナ=アマリア王女も伝統に則り、宮殿の屋上の国旗に通学用に使ったリュックサックを掲揚するセレモニーを行い、インスタグラムに投稿し話題を集めた。
王族手当を辞退し世界が注目
世界的に大きな注目を集めたのは、成人した18歳のときに見せた力強いステートメントだ。本来は、成人した時点で王族手当を国から受けるのだが、自らの意思でそれを辞退する手紙を、自筆でマルク・ノッテ首相にあてて書き、その内容がオランダ放送協会「NOS」によって公開され、大きな反響をよんだのだ。
内容を大約すれば、次のようなものであった。「法律に従えば手当を受け取る歳に達したが、まだ手当てに見合うことをしてない。特にコロナ禍で厳しい思いをしている学生が多いなかで、手当は受け入れにくく、辞退したい。公務をするようになって、必要になってから受け取りたいと思う」とと述べている。時代性を汲み取り、思いやりに満ちた、まさに未来の女王としてふさわしい慈愛と知性を感じさせる内容ではないか。
アメリカの週刊誌『ピープル』によると、王女が受けとる金額は、年間200万ドル(約2.2億円)直接王女に支払われるのは40万ドル、他は人件費と言われている。オランダ王室で、手当ての受け取りを辞退したのは、カタリナ=アマリナ王女が初めて。英紙『ガーディアン』によれば、オランダの王室の手当はヨーロッパのなかでは、最も高額だという。
母親譲りの装いにも注目が集まる
そんな華やかな王室の後継者だが、ファッションは意外に控えめだ。母親であるマキシマ王妃の大輪の薔薇のような美貌と際立つ装いのそばにいては、ほとんどの人はそのパワーに飲み込まれそうになってしまう。まだまだオランダ王室の華はマキシマ王妃のよう!
それでもカタリナ=アマリア王女は、母親のDNAを感じさせるプリント柄のドレスなどをオフィシャルな席ではよくお召しになっているよう。カジュアルでは、トラッドの定番であるブルーのシャツドレスや赤いブレザーなどがお気に入りのようだ。
ダブルのパンツスーツも、妹プリンセスのカラフルさとは一線を画し、ホワイトにストライプという定番を選んでいる。
王宮の外に出ると人気者の一家なので、気さくにセルフィーに応じる姿などが微笑ましく、国民に寄り添うある種理想的な王家の姿を見せている。
仲良し家族としても有名だが、特に父親のウィレム=アレクサンダー国王とは「パパっ子」と呼びたいほど、ふたりで寄り添う姿が多い。
また、成人した際の首相にあてた手紙のなかで、大学に進学する前に1年間のギャップイヤーをとり、人生経験を積む予定だと、今後の進路についても言及した。美しく聡明で、自分の意見をしっかりと伝えられる、1人の人間としてしても素晴らしい女性とえる。今後の成長も注目していきたい。
- TEXT :
- 藤岡篤子さん ファッションジャーナリスト
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 藤岡篤子
- EDIT :
- 石原あや乃