■2:今年成人を迎えた未来のノルウェー女王!イングリッド・アレクサンドラ王女

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イングリッド・アレクサンドラ王女

今年成人を迎えたことでも話題に上った、2004年1月21日生まれの18歳、ノルウェーのイングリッド・アレクサンドラ王女。1990年に憲法が改正されて以降、性別に関係なく第一子が君主になるノルェーでは、未来の女王として注目されている。

イングリッド・アレクサンドラ王女を抱くメッテ=マリット王太子妃

父親のホーコン・マグヌス王太子に次いで、王位継承権第2位のイングリッドは、1412年に逝去されたマルグレーテ一世の後、600年以上ぶりに女王となる。

国民から共感を得た“普通の感覚”を重視した子育て論

一般人と同じ学校に通うことで話題に

他国の王族とは異なり、「なるべく普通の子供と同じように過ごして欲しい」との両親の教育方針で、地元の公立小学校校「ヤンロッカ・スクール」に入学、徒歩で通っていた。中学、高校も一般人と同じ学校に通った。そのため親しみやすい王室と、国民からの愛されぶりも、並ではない。

堂々と公務をこなす次世代を担う王女

聖火台に点灯する大役を務めたイングリッド・アレクサンドラ王女

公務は11歳でスタート。2016年のリレハンメルオリンピックでは、最終聖火ランナーになり、聖火台に点灯するという大役を果たしている。

英国のウイリアム王子とキャサリン妃らと共に

2008年14歳の時には、ノルェーのロイヤルファミリーを代表して、英国のウイリアム王子とキャサリン妃を、自分の名前を冠したイングリッド=アレクサンドラ彫刻公園に案内、堂々としたもてなしぶりが称賛を集めた。

スポーツ神経が抜群に良いのは父親譲りのよう。幼い頃からスキー、ボクシング、サーフィンなどに才能を発揮し、2020年に開催されたノルウェーのサーフィン選手権では、ジュニア部門で金メダルを獲得している。

成人を祝したセレモニーでは民族衣装で登場

民族衣装に身を包むイングリッド・アレクサンドラ王女

ノルウェーでは18歳が成人。成人を祝したセレモニーでは、清楚で装飾的なノルウェーの民族衣装を装って登場。まるで御伽の国のヒロインの様な可愛らしさだった。

変化するスタイルにも注目

成人してからは、打って変わって若きエグゼクティブを思わせる格調のあるファッションに身を包んでいる。柔らかくカールしたロングヘアのスタイリングにパンツスーツ姿といったスタイルが多く、既に女王としての落ち着きと貫禄を漂わせている。

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ステラ マッカートニーのシグネチャーであるテイラードジャケットにエンジのクラッチ

モノトーンでまとめたパンツスーツなど、シンプルなエレガンスがお好みのようで、この日もセビルロー仕込みの、「STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)」のペールピンクのテーラードジャケットを、さりげなく黒のパンツに合わせていた。カラーアクセントにボルドーのクラッチを添えるなど、抑制の効いた着こなしに花のような艶やかさを秘めた、見事な着こなしセンスだ。

また英国の「ALEXANDER McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン)」のニットドレスなども愛用するなど、洗練されたデザイナーの選択にも注目したい。時として年齢以上の風格も感じさせる王女だが、ファッションのセンスは、もはや年齢以上のレベルだと言えよう。

成人になるとともに学業を主にしつつ、公務を増やしてゆくと発表されており、落ち着いた物腰にますます磨きがかかりそうだ。

この記事の執筆者
1987年、ザ・ウールマーク・カンパニー婦人服ディレクターとしてジャパンウールコレクションをプロデュース。退任後パリ、ミラノ、ロンドン、マドリードなど世界のコレクションを取材開始。朝日、毎日、日経など新聞でコレクション情報を掲載。女性誌にもソーシャライツやブランドストーリーなどを連載。毎シーズン2回開催するコレクショントレンドセミナーは、日本最大の来場者数を誇る。好きなもの:ワンピースドレス、タイトスカート、映画『男と女』のアナーク・エーメ、映画『ワイルドバンチ』のウォーレン・オーツ、村上春樹、須賀敦子、山田詠美、トム・フォード、沢木耕太郎の映画評論、アーネスト・ヘミングウエイの『エデンの園』、フランソワーズ ・サガン、キース・リチャーズ、ミウッチャ・プラダ、シャンパン、ワインは“ジンファンデル”、福島屋、自転車、海沿いの家、犬、パリ、ロンドンのウェイトローズ(スーパー)
PHOTO :
Getty Images
WRITING :
藤岡篤子
EDIT :
石原あや乃