本格的なデザインの短靴のなかで、最もカジュアルな靴となるのが、ローファーである。ダブルモンクストラップやレースアップのように、足の甲を締め上げるのではなく、サッと足を入れられるデザインが魅力だ。軽快な雰囲気が持ち味のローファーは、春夏の爽やかな素材を使ったスーツや、明るい色味のスーツなどとの相性がいい。ソックスをはかずに、素足でも楽しめるため、爽やかでクラシックなスタイルも演出できる。軽快でモダンな洒落心が備わる、茶のローファーが必携だ。
軽快な足元を演出する唯一無二のフォルム
1930年代に、ロンドンの名靴店「トゥーシェック」の凄腕靴職人でならしたアンソニー・クレバリー。ビスポーク靴の名店を開いた、有名なジョージ・クレバリーの甥だ。靴のつま先がのみの刃先ようなチゼルトウを好んでデザインに生かし、このローファーにもシャープで研ぎ澄まされた、美しいチゼルトウを継承する。靴のはき口に対して、ヴァンプ(甲革)を小さくデザインすることで、よりエレガントな表情をつくり出している。
爽やかなスーツと合わせて清涼感を!
フレスコ素材を使ったシングル3ボタン段返りのナポリスーツ。極薄の肩パッド使いと背抜き仕立てによって、軽い着用感を堪能できる。Vゾーンは、白シャツとリネン混のチェックタイを合わせ、清涼感も演出。スーツの淡いブラウンのトーンになじませる、茶のローファーがシックだ。
※価格はすべて税抜です。
- TEXT :
- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
- BY :
- MEN'S Precious2017年春号「背広の美」が宿る本格7足の結論
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- クレジット :
- 撮影/戸田嘉昭・唐澤光也(パイルドライバー)スタイリスト/大西陽一(RESPECT)構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)