昨年末、63年ぶりに誕生石が改訂されたニュースが全国宝石卸商協同組合から届きました。新たに10種類のストーンが加わり、全29種類へ。それぞれが美しい輝きを携えた貴石ばかりです。
そもそも貴石は自然が生み出した神秘の存在。かつてのヨーロッパの王侯貴族たちは、そのパワーにあやかろうとさまざまな宝飾品に取り入れていました。そんな誕生石にスポットを当て、おすすめのジュエリーをお届けします。
本記事では、12月の誕生石をピックアップ。ターコイズは「ヴァン クリーフ&アーペル」「ピアジェ」から、ラピスラズリは「ショーメ」「ポメラート」から、タンザナイトは「ティファニー」「TASSKI」からセレクトしました。
古代から愛され続ける高貴なストーン「ターコイズ」
抜けるような青空の青。透き通った海のような青。この表現がぴったりなターコイズ=トルコ石。語源はフランス語で「トルコの石」を意味する「pierre turquoise(ピエール・テュルコワーズ)」です。
とはいえ、トルコで産出されたからではありません。これには諸説あります。なかでも、産地であるイランやシナイ半島からトルコ経由でフランスに持ち込まれたというもの、トルコ商人が世界中に流通させたというもの、この2つの説が有力です。
世界中の古代文明で自然崇拝のジェムとして愛されているターコイズ。古代エジプトのファラオの装飾品のひとつとして出土されていることから、権力者と親密な関係にあったことがうかがえます。
■1:ヴァン クリーフ&アーペル|幸せ気分を呼び込む「スウィート アルハンブラ パピヨン」
2007年に登場して以来、不動の人気を誇るコレクション「スウィート アルハンブラ パピヨン」のターコイズを使ったペンダントです。海を渡る蝶さながら、美しい海の色を羽に映したような艶やかなカラーに、だれしもうっとりするはず。愛らしい小ぶりサイズへと仕上げられたジュエリーは、歴史あるジュエリーメゾンの繊細な手技が注ぎ込まれ、さすがの存在感と感服します。
気品ある佇まいと幸運のシンボルとして誕生した経緯を誇るようにニットやシャツのアクセントに用いれば、それだけで幸せを運んできてくれそうです。
問い合わせ先
■2:ピアジェ|鮮やかな青いジェムがまろやかな曲線を描く「ポセション」
人気コレクション「ポセション」から、カボションカットが施されたターコイズのジュエリー2点をピックアップ。ベースには温かみのあるピンクゴールドが使われ、両端を飾るふたつのリングが、まるで運命の歯車を廻すかのように自由に回転しながら、女性の手元を彩ります。
重ねづけしたり、同じ「ポセション」のウォッチと組み合わせたり。目を見張るほど艶やかなターコイズブルーが、冬のジュエリーコーディネートに遊び心のアクセントを添えてくれそうです。
問い合わせ先
有名画家をも魅了したロマンティックな輝き「ラピスラズリ」
宇宙から見た地球を「瑠璃色の惑星」と表現されることがありますが、この瑠璃がラピスラズリの和名。群青色、紺碧色ともいわれる濃い青のラピスラズリは、顔料のウルトラマリンの原料として使われていることでも有名です。
オランダの画家、ヨハネス・フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの女』の青いターバンにこの色がふんだんに使われ、「フェルメール・ブルー」と呼ばれています。フェルメールが活動していた17世紀ごろ、この青は金に匹敵するほど超高価なもの。どうやってこの高価な「青」を画家がふんだんに入手できたのか、まだはっきりとは解明されていません。
語源は、ラテン語で「石」を意味する「lapis(ラピス)」、ラズリはペルシャ語で「青」や「空」を意味する「lazward(ラズワード)」が組み合わされたもの。中世ヨーロッパになり、ラピスラズリと呼ばれるようになったそうです。
■3:ショーメ|神秘の輝きと願いをまとう「リアン コレクション ジュ ドゥ リアン ハーモニー」
“ビジュー ドゥ サンティマン”…思いを伝えるジュエリーとして1977年に発表された「リアン」コレクション。こちらに今年、ラピスラズリを含むカラーストーン使いのネックレス3サイズが仲間入りしました。「リアン コレクション ジュ ドゥ リアン ハーモニー」です。
こちらのペンダントトップは、上下非対称にカットされたふたつのパーツを、クロスするパヴェダイヤモンドが結び付けたエレガントでアイコニックなデザイン。ミディアムサイズのラピスラズリは自然石そのままの斑点が生かされ、神秘的な輝きを放ちます。
このペンダントのもうひとつの魅力は、ペンダントチップの裏側に無償でエングレービングができること。イニシャルはもちろんのこと、記念日や密かな願い事などを刻んではいかがでしょう。
問い合わせ先
■4:ポメラート|圧巻のカット技術を施し、魅惑的に仕上げた「リトラット」
巧みな色石使いで人気を集めるポメラートのコレクションのなかから、ラピスラズリの逸品リング「リトラット」を発見! 大胆かつ優美なアクセントとなっている爪のデザイン、レディライクなフォルムなどの取り合わせが、ボリューミーなジェムを際立てています。
ラピスラズリに施されたカットも秀逸です。こちらのステップカットは、ジュエリー文化には欠かせない古代インドのポートレートカットにオマージュを捧げたポメラートのオリジナル。33のクラウンファセットと68のパビリオンファセットが施されています。
このセンターストーンを指と非対称の位置にツイストさせるようにセット。大胆なひねりが、深淵なラピスラズリの発色をパワーアップする役目を担っています。
問い合わせ先
“20世紀の宝石”と絶賛されるニューフェイス「タンザナイト」
今回の改訂で12月の誕生石に新たに加わったタンザナイト。発見されたのは1967年と近年のことです。タンザニアのキリマンジャロ山脈メレラニ鉱山で採掘されました。
命名者は、ティファニーの当時の社長、ヘンリー・B・プラット氏。青く美しく、ときにスミレ色にも見える、これまでに見たことがない鉱物「ブルーゾイサイト」を産出した地にちなみ「タンザナイト」と名付けました。そして発掘の翌年、1968年に世に送り出したのです。これが大ヒット! 世界中の女性たち垂涎のジェムへと駆け上がり、“20世紀の宝石”と呼ばれるまでに。
タンザナイトは光に敏感なジェムです。自然光では青っぽく見え、白熱灯の下ではピンクがかったバイオレットカラーに見えるという多色性を有しています。
■5:ティファニー|青紫の輝きを最大限に生かした「カラー バイ ザ ヤード」
ティファニーの数々の大ヒットジュエリーを生み出してきたデザイナー、エルサ・ペレッティ。彼女の「カラー バイ ザ ヤード」コレクションにもタンザナイトを使ったジュエリーがあります。
今回、ピックアップしたネックレスとリングは、ブリリアントカットを施したタンザナイトをスターリングシルバーで囲み、発色を引き出す仕様。シンプルなデザインだからこそ、このジェムが放つエキゾチックな青紫の魅力がダイレクトに伝わってきます。
問い合わせ先
■6:TASAKI|「バランス」シリーズから誕生したサクラ色に包まれたペンダント
TASAKIの人気アイコン「バランス」シリーズのタンザナイトバージョンです。TASAKIのオリジナルゴールド「SAKURAGOLD」を使ったバーの上に、ブランドを象徴する艶やかな照りのあこや真珠と青々としたタンザナイトが並び、キュートな表情を映し出しています。
シンプルな4本の爪で留められたラウンドシェイプのタンザナイトは、光の当たり方次第で絶妙に色合いを変えます。ジェムの特徴をよく捉えたデザインです。また、別売りのブレスレットに、このチャーム部分だけ付け替えて使用することも可能です。
問い合わせ先
以上、12月の誕生石ジュエリーをお届けしました。
1年の締め括りとなる12月。なにかとイベントが続き、スケジュール帳への書き込みだけでも忙しくなっているはず。この年を頑張った自分自身へのご褒美を兼ね、また、来年の夢へとひた走るために、ブルーの誕生石ジュエリーをまとってはいかがですか?
※文中の表記はWG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールドを表しています。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
関連記事
- 【11月の誕生石ジュエリー】色鮮やかなトパーズとシトリンが主役のおすすめアイテム11選
- 【10月の誕生石ジュエリー】フェミニンなピンクオパール、色鮮やかなトルマリンが主役のおすすめアイテム9選
- 【9月の誕生石ジュエリー】お気に入りはどれ?サファイアが主役のおすすめアイテム6選
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生