「プライベートジェット」と聞くと、富裕層の方々が旅を存分に楽しむために使っている、といったイメージをもつ方も多いのではないでしょうか? 第三者と乗り合わせることがない、完全なプライベート空間は「ファーストクラスを超える」とも言われています。

今回は、そんなプライベートジェットの購入価格から維持費、チャーターした場合はいくら? などの気になる情報をご紹介します。国内だけでなく、海外へのプライベートジェットの手配サービスを提供する、丸紅エアロスペースの松浦宏美さんに伺いました。

■最上機種は年間1〜2機の成約、そのお値段は…?

自由自在にレイアウトすることができる機内

—まず「価格」についておうかがいします。プライベートジェット1機のお値段はいくらですか?

「一例ですが、最上位機種の『Gulfstream(ガルフストリーム) G650』ですと、約70ミリオンドル(7000万ドル、約76億円)です。最近は、年に1〜2機ほど成約をいただいていますよ。Gulfstreamシリーズのなかで、1番価格が低い『Gulfstream G280』でも約25ミリオンドルです。ちなみに中古機もあり、新造機の半値以下で購入できるものもあります」

最上位機種『Gulfstream(ガルフストリーム)G650』

—最上位機種は約76億円、低い機種でも27億円以上なんですね。購入後の維持費は年間、いくらかかるのでしょう?

※価格は2018年1月31日時点での換算。以下、価格換算は左記の条件によるもの。

「維持費は、どのような運航体制にするか、年間どの程度飛行するかなど、さまざまな条件で大きく変動しますが、大型機種の場合、年間200〜300時間程度の飛行で、約2ミリオンドル〜3ミリオンドル(※)かかります。整備や定期点検など、安全なフライトをするための管理費も含まれます」

※日本円に換算すると、およそ2億1千万〜3億2千万円。

—実際にフライトするための管理や乗務員などの手配はどうするのでしょうか?

「当社に運航管理をお任せいただける場合、機体の維持管理を専門の米国運航会社へ委託し、乗務員の手配や各フライトに必要な手続きのすべてを代理で行います。お電話でご希望のスケジュールを連絡いただくだけで、フライトに必要なすべての手配が可能です」                        

—ちなみに、映画などで個人が飛行機を自身で操縦するシーンがあるのですが、購入者が操縦することはあるのでしょうか?

「ご購入者自身での操縦は、大型機ですと極めてまれなケースですが、あります。多くの方はご自身で操縦することはなく、プロのパイロットに頼まれていますよ」

■最上位機種でチャーター料は2,700万円。必要な資格や条件は特になし

『Gulfstream(ガルフストリーム) G650』もチャーター可能

—これまで購入した場合のお話を伺いましたが、プライベートジェット機をチャーターする場合、一体いくらかかるのでしょうか?

「一例としては、大型機種『Gulfstream G650』で東京-ホノルル往復は、約25万ドルです。旅程や、ご利用人数に合わせてその都度お見積りをしているため、決まった価格はございません」

—約2,700万円、やはりお値段がかかるものなのですね。チャーター利用する際、必要な資格や条件はありますか?

「特にないです。ご希望の出発地や渡航先、ご搭乗者の人数などをお知らせいただき、その後お見積もりします。金額に同意いただけたら、空き状況を確認し、契約の締結、チャーター料を送金頂いて予約が完了します」

■利用目的は「娯楽」ではなく「ビジネス」がほとんど

プライベートジェットは通常の飛行機と全くもってコンセプトが違うのだとか

—プライベートジェットを実際に利用する方々の「目的」はなんなのでしょうか?

「通常のエアラインからアクセスしにくい場所へのご旅行にも利用いただいておりますが、プライベートジェットは『ビジネスジェット』という呼ばれ方もしています。企業の海外出張や投資家訪問といった法人における、ビジネス目的の利用がほとんどです」

—ビジネスマンにとって、タイムロスをなくし、効率的に過ごせるプライベートジェットはとても便利なんですね。

「機内は完全なプライベート空間なので、機密事項を含むような会議もできます。限られた日数で各地に点在する投資家を訪問する場合などにも、ご利用いただいています。もちろん、人目を気にすることなく仲間内でゆっくりくつろぐことも可能です」

—最後にお聞きしたいのですが、数多ある交通手段のなかで、プライベートジェットを使うことのメリットは何でしょうか?

「最大のメリットは、エアラインのスケジュールに自分の予定を合わせるのではなく、自分の予定に合わせ旅程を組める点です。エアラインが直接就航していないような、最終目的地により近い空港へのダイレクトフライトが可能な場合もありますよ」

完全プライベートな空間で美しい空の旅を楽しむこともできるそう

富裕層の方々がプライベートな旅を楽しみたいときに利用するイメージが強かったプライベートジェット。その利用目的はビジネスが多いという意外な事実が見えて来ました。そして、その利点はアクセスが不便な場所へも自由自在な渡航ができるところ。

すぐに購入することは難しいですが、ビジネスで海外に行くことの多い方は、お話をうかがってみるのもいいかもしれませんね。

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PHOTO :
丸紅エアロスペース
EDIT&WRITING :
高橋優海(東京通信社)