写真を撮られるのが、とても苦手です。夫も苦手ときているため、旅行に行こうが、何かの集まりがあろうが、記念写真というものを一切撮りません。ゆえにアルバムがとても貧弱。今はまだいいかもしれませんが、いつか「ああ、撮っておけばよかった」と後悔するのではと、うっすら思い始めています。写真を撮られるのが苦手なため、そうした場面では「寿命が縮まるので」と、文明開化の人のようなことを言って逃げていますが、どうしても逃げられないときもあります。そして、ある日、できあがった写真に愕然としました。あまりにも顔がぼんやりしている! 幸い毛自体はしっかり生えているため、ふだんは眉を描かず、マスカラを塗ったあとのブラシでなでつける程度で済ましていました。それが目力を失わせ、顔の締まりを失わせ、間の抜けた顔に見せていたのです。以来、ゲランのアイブロウ『エクラン スルスィル』が手放せなくなりました。

ゲラン エクラン スルスィル ¥6,000(税抜)
ゲラン エクラン スルスィル ¥6,000(税抜)

このパレットの魅力はブラウン系の絶妙の色出しにあります。下の2色を混ぜて使っていますが、真っ黒な自眉からも、ダークブラウンに染めた髪からも浮かずに、目元から額にかけての面積を自然に引き締めてくれます。しかもアッシュ系に染めていた夏も、赤みを強めた冬も、ブレンドの具合を少し変えるだけで、不思議と髪色になじんでくれるのです。

ちなみに最近、眉のトリミングを変えました。手がけてくれた私の美容の師曰く「加齢とともに眉と目の間隔が開いて、顔が間延びするから、眉の下側を抜きすぎず、むしろ描き足すくらいにしてね」とのこと。眉は顔の額縁ともいいますが、時を超える名画ならいざしらず、私程度の顔の額縁は、流行や年齢とともに更新しなければいけないのだと、あたりまえのことに気づかされています。

■毛流れを整えるスクリューブラシと、毛先を斜めにカットしたブラシが一体化してセットされているのも、横着者にはうれしい。ブラシのコシとカットも計算尽くで、ラインも強くなりすぎず、広い面積でも自然に、テクニックいらずで眉上手になれる優れもの。いちばん上はハイライト。目元を立体的に見せたいときに眉下に。

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この記事の執筆者
TEXT :
吉川 純 ファッションディレクター
BY :
『Domani3月号』小学館、2016年
1967年生まれ。出版社から転職し、1996年小学館入社。Domani創刊編集部、CanCam編集部、和樂編集部、Precious創刊編集部を経て、’10年にPrecious編集長に。’13年1月よりDomani編集長、’15年10月よりLIVErary.tokyo編集長、現在は和樂のファッションディレクター。好きなもの:タートルネック、デヴィッド・ボウイ、くまのぬいぐるみ、シャンパンorカヴァorフランチャコルタ、池波正太郎、大滝詠一、坂田靖子、相撲とテニス観戦、便箋と封筒、時短コスメ、『ディーバ』、シャーロック・ホームズ(グラナダTV版)、磨崖仏、U2、ダイアナ・ヴリーランド、納豆ごはん、ピアノ協奏曲第20番(モーツァルト)、育ちのいい不良
クレジット :
撮影/中田裕史 文/吉川 純