メゾンの歴史を彩ってきた歴史的名品に光を当て、すべて限定品として製作される“カルティエ プリヴェ”。2017年から、1年に1コレクションずつ発表してきたこの特別なコレクションの7作目となる今年の新作は、“タンク ノルマル” ── そう、1917年にルイ・カルティエが制作し、その2年後に発売された“タンク”ウォッチのルーツが、106年もの歳月を経て華麗に蘇りました!

長い沈黙を破った、“タンク ノルマル”という伝説の名品

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プラチナ(写真左)とイエローゴールド(写真右)の2種類で展開する“タンク ノルマル”のブレスレットモデル。Ryan Hopkinson  (C) Cartier

1917年に誕生して以来、実にさまざまなバリエーションを展開してきた“タンク”ウォッチですが、すべての物語の始まりは、今回の“カルティエ プリヴェ”の新作のモチーフとなったオリジナルの“タンク ノルマル”からでした。

当時の「時計は円形」という既成概念を覆した、ピュアで力強い角形のプロポーション。端正で優美なその佇まいは人々の憧憬を集め、1921年の“タンク サントレ”、1922年の“タンク ルイ カルティエ”、“タンク シノワーズ”と、次々に新たなモデルが生み出されました。

その後も時代とともに、実に個性豊かな“タンク”ウォッチの数々が誕生し、メゾンを、そして「角形ウォッチ」を象徴する名品となり現在に至っています。しかし、すべての“タンク”ウォッチの始祖である“タンク ノルマル”は? きっと長い歳月、静かに蘇るタイミングを待っていたのでしょう。

2023年春、その時がきました。

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“タンク”ウォッチらしいローマ数字インデックスの「Ⅶ」には、オリジナルモデルが設計された記念すべき年「1917」がさりげなく刻まれて。Ryan Hopkinson  (C) Cartier

復活の舞台は、毎年稀少なタイムピースが加わる、時計ファン垂涎のコレクション“カルティエ プリヴェ”。メゾンの歴史に燦然と輝くレジェンダリーなモデルのフォルムと、現代的なデザイン性を融合させたレアピースたちが、これまで6作誕生してきました。

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歴代の“カルティエ プリヴェ”の作品たち。左から“クラッシュ”(2017年)、“タンク サントレ(2018年)”、“トノー”(2019年)、“タンク アシメトリック”(2020年)、“クロシュ ドゥ カルティエ”(2021年)、“タンク シノワーズ”(2022年)。すべて参考商品/既に完売済み(C)Cartier

過去の6作は、このように強い個性を放つユニークな顔ぶれ。それだけに、まさに「原点回帰」を果たした“タンク ノルマル”の復活は意外性も大きく、その復活を長年待ちわびていた時計愛好家にとって非常にうれしいサプライズでした。同時に、“タンク”ウォッチを愛する「タンキスト」としても、希少性の高いレアピースとなる今作は気になる1本になるに違いないでしょう。

イエローゴールドとプラチナで展開される7モデルは識別番号入り!

新作の“タンク ノルマル”は、2針にローマ数字インデックスの正統的デザインのダイヤルと、静謐な迫力を漂わせるスケルトンダイヤルの2種類、全部で7モデルで展開しています。

2針モデルは、“カルティエ プリヴェ”コレクション初となるイエローゴールドブレスレットとプラチナブレスレット、そしてアリゲーターストラップが装着されたイエローゴールドケースモデルとプラチナケースモデルがラインナップ。

自社製の手巻きムーブメントの美を堪能できるスケルトンモデルは、イエローゴールドケースモデルと、プラチナケースのダイヤモンドセッティングタイプとシンプルなタイプの3バリエーション。

いずれもブルーの針やリュウズのカボションといった初期の“タンク”のデザインコードを忠実に継承し、歳月を経ても色褪せない名品の格を、美しく気高く漂わせています。

■1:メゾンのシグネチャーが随所に息づくシンプルな2針モデル

ケースのフォルムと呼応するレイルウェイ ミニッツトラックや、「1917」のシークレットサインが隠されたローマ数字インデックスといった、「カルティエ」ウォッチのデザインコードが散りばめられたダイヤルがなんとも優美。視認性も高く、働く手元にもふさわしい知性も漂わせます。

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カルティエ プリヴェ「タンク ノルマル」左 /¥6,798,000・右 /¥7,788,000(共に予価) ●ケース:左/イエローゴールド・右/プラチナ ●ケースサイズ:縦32.6×横25.7mm ●ブレスレット:左/イエローゴールド・右/プラチナ ●ムーブメント:手巻き ※各世界限定100本、2023年春発売予定 Antoine Pividori   (C) Cartier
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カルティエ プリヴェ「タンク ノルマル」左 /¥4,514,400・右 /¥5,068,800(共に予価) ●ケース:左/イエローゴールド・右/プラチナ ●ケースサイズ:縦32.6×横25.7mm ●ストラップ:アリゲーター ●ムーブメント:手巻き ※各世界限定200本、2023年春発売予定 Antoine Pividori   (C) Cartier

■2:さらに希少性の高い、芸術的なスケルトンダイヤル

メゾンのシグネチャーのひとつであるスケルトンムーブメントと、同じくスケルトン仕上げが施された太陽と三日月の24時間表示機能を組み合わせ、「カルティエ」ならではの高い芸術性が横溢する美しき機械式ウォッチ。分針は1時間で文字盤を1周しますが、時針は通常の12時間ではなく、24時間かけて1周するというトリッキーな設計によって、日中の時刻は文字盤の上部で、夜間の時刻は下部で読み取ります。

さらに、スケルトンブリッジの色調にグラデーションが施し、昼から夜への移行を象徴的に表現。そこかしこに豊潤なクリエイティビティが宿っています。

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カルティエ プリヴェ「タンク ノルマル」左 /¥11,682,000・中央/10,362,000・右 /¥15,576,000(すべて予価) ●ケース:左/プラチナ・中央/イエローゴールド・右/プラチナ ●ケースサイズ:縦35.2×横27.8mm ●ストラップ:アリゲーター ※それぞれ色の異なる替えのアリゲーターストラップ1本が付属 ●ムーブメント:手巻き ※左・中央/各世界限定50本、右/世界限定20本、2023年春発売予定 Antoine Pividori   (C) Cartier

時計史上最高傑作とさえ評される“タンク”ウォッチ、そのオリジナルの意匠を受け継いだ“タンク ノルマル”には、「カルティエ」のウォッチメイキングに対する美学が凝縮されています。世紀を超え、ここで1度原点へと立ち返ったこの作品には、きっといろいろな意味が込めらているのでしょう。名品“タンク”はこれからも、さまざまなアプローチをしかけ、人々を魅了していくに違いありません。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

カルティエ カスタマー サービスセンター

TEL:0120-301-757

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この記事の執筆者
東京都出身。大学在学中から雑誌『JJ』などで執筆活動を開始。女性向け本格時計のムックに携わったことから、機械式時計に開眼。『Precious』などの女性誌において、本格時計の魅力を啓蒙した第一人者として知られる。SIHHとバーゼルワールドの取材歴は、女性ジャーナリストとしては屈指のキャリアの持ち主。好きなもの:海、ハワイ(特にハワイ島)、伊豆(特に下田)、桑田佳佑様、白い花、シャンパン、純米大吟醸酒、炊きたてのご飯、たまご、“芽乃舎”の野菜だし、“エルメス”のバッグと“シャネル”の靴、グレーのパーカー、温泉、スパ、素敵旅館、村上春樹、宇野千代先生、神社、日本の陶器(特に唐津焼)、朝ドラ、ドラミちゃん、長文のインタビュー原稿