気品を醸せるオールベージュスタイルですが、ともするとのっぺりとしたりぼんやりと見えてしまう、という懸念点も。ご紹介する3人のモデルたちは、それぞれちょっとしたテクニックを活用することで絵になるスタイルを実現していました。

■1:サラ・サンパイオは…ベージュと相性の良いブラウン小物を小さく効かせ、穏やかに引き締め

異素材ミックスやブラウン小物を効かせるさりげないテクニックで、小気味よいリズムを。
異素材ミックスやブラウン小物を効かせるさりげないテクニックで、小気味よいリズムを。

LAの街中でキャッチされた、ポルトガル出身のモデル、サラ・サンパイオ。トップスとパンツのベージュの色味をわずかに変えつつ、ニットと布帛の異素材ミックスで表情をつけることで、単調さを回避しました。またトップスが緩やかなVネックになっているので、しなやかなベージュにシャープさを添えることに成功しています。さらにトップスの裾を前だけインしつつ、ブラウンのベルトを効かせ上下の境界線を明確にしながら、きちんと感をアップ。手元にもベルトと同じカラーを持ってくれば、穏やかに引き締まり優雅さをキープできます。ベルトのバックルやイヤリングでゴールドを散らし、落ち着いた印象のベージュ×ブラウンに華やぎを添えました。

■2:シャニーナ・シャイクは…上品ベージュをトレンドアイテムで今っぽくブラッシュアップ

深めのVネックトップスとタイトなまとめ髪で、顔周りをシャープに見せるとより都会的。
深めのVネックトップスとタイトなまとめ髪で、顔周りをシャープに見せるとより都会的。

2023年3月中旬、LAでキャッチされたオーストラリア出身のモデル、シャニーナ・シャイク。リブのディテールでフィット感が生まれるポロシャツに、ゆったりシルエットのカーゴパンツを合わせメリハリシルエットを形成。今季注目のカーゴパンツは、程よくスポーティな表情で軽快さを演出できるアイテムです。上品なベージュカラーなら、アクティブに傾きすぎず大人にとって好都合。また王道ベージュとイエローベージュという配色にこだわり、のっぺりするのを防止。足元には引き続きトレンドのゴツめソールの黒シューズを持ってきて、タフなアティチュードをプラスしました。仕上げに白黒の千鳥格子柄バッグをさっとプラスすれば、コーディネートのアクセントになり物足りなさを感じる心配もありません。

■3:ジジ・ハディッドは…落ち感のある上品ベージュは小物テクでモードに誘導

ベージュ、グレージュ、シャンパンゴールドで、流れるような優雅なグラデーションをメイク。
ベージュ、グレージュ、シャンパンゴールドで、流れるような優雅なグラデーションをメイク。

2023年3月27日、NYのミッドタウンに現れたモデルのジジ・ハディッド。シャツ、ジャケット、ハーフパンツのセットアップを活用し、凛としたオーラを振りまいていました。肌の上を滑る上品な素材感のセットアップは、ハーフパンツの軽快さにマッチするように、シャツのボタンを大胆に開け躍動感をプラス。さらにシャツの襟の中に仕込んだ存在感のあるシルバーネックレスが、スタイリッシュさを後押ししています。春なので素足でももちろん素敵ですが、ジジは透け感の高いグレージュのストッキングをオン。するとモード感がぐっと引き上がり、颯爽と歩く姿が絵になっています。足元にはベージュに溶け込むメタリックゴールドのパンプスを合わせ、一体感を。煌めくカラーとポインテッドトゥのディテールが、しなやかなオールベージュにキレの良さを加えてくれます。


ワンカラーだからこそ意外と難しい「オールベージュ」の成功例を3選ご紹介しました。柔らかさ、上品さを演出できるカラーを味方につけ、着映えを叶えましょう。

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PHOTO :
Getty Images
EDIT&WRITING :
阿部芙美香