近年、宝飾の聖地といわれるヴァンドーム広場とその周辺では、トップジュエラーの旗艦店が相次いでリニューアルオープンしています。建物の多くは歴史的建造物のため、外観を変えることはできませんが、メゾンのこだわりが詰まった店内は、実に個性豊か。珠玉のハイジュエリーが待つ、4大ジュエラーの本店をご案内しましょう!
今回ご紹介するのは、2022年10月にリニューアルオープンしたカルティエの旗艦店「カルティエ ブティック パリ ラぺ通り13番地」です。
【カルティエ】昨年、驚きのスケールの改装を経て生まれ変わった伝説のブティック
1899年、ルイ・カルティエ自身がパリの新たな拠点として選んだラ・ペ通り13番地。この店のオープニング当時、ルイは父アルフレッドの跡を継ぎ、カルティエの経営トップに就任したばかりでした。そんな伝説のブティックが2年以上の歳月をかけて全面的に改装され、昨年10月にリニューアルオープン。「輝き、垂直性、モダニティ」をキーワードに、建物を構成する6フロアすべてが新たに生まれ変わりました。
リノベーション後、1階から4階まではブティックとなり、4階は修理やパーソナライズに特化したフロアに。5階にはハイジュエリー工房、最上階(6階)にはアーカイブ、ウィンターガーデン、レジデンスといった特別なスペースが設けられました。また、環境に配慮された建物は、最上階のガラス窓から自然光を取り込み、全館を照らす構造になっています。
天井窓から館内に光を取り込む、6階まで吹き抜けの「アトリウム」
ブティックに足を踏み入れると、すぐに目を奪われる、圧倒的なスケールの「アトリウム」。天井のガラス窓は全館に光を取り込む役割を担っている。パリの建物に多く見られる中庭をイメージしてつくられた。白い壁には植物模様の装飾が…。ここに1階から4階までをつなぐエレベーターも設置されている。
メゾンの多彩なスタイルを映し出す個性的なサロン
3階はハイジュエリーのためのスペース。ここはパティオの横にある「ファウナ&フローラ」サロン。ほかに3つのサロンがある。プライバシーを重視する顧客のためにプライベートエレベーターも完備。
6階に設置された「レジデンス」。レセプションルーム、ダイニング、キッチンなどを備えており、アットホームな空間に特別なお客様を迎えている。壁のパネルにはメゾンと縁の深い動物が描かれ、一部に刺繍が施されている。
修復された「ジャン コクトー」サロン。カルティエが制作した、アカデミーフランセーズ会員の正装用の剣が展示されている。「ルイ カルティエ」サロンも修復され、ライブラリーには蔵書とアーカイブ資料が納められた。
パンテールが宝石と戯れる新作ジュエリーウォッチ
「パンテール」モチーフのハイジュエリーウォッチ。グリーン、オレンジ、ブラックの色合わせがエキゾティック。オニキスの斑点の周囲には、豹の毛並みを表現する「ペラージュ」セッティングが施されている。
〈カルティエ ブティック パリ ラぺ通り13番地〉
- Adress/13 rue de la Paix 75002 Paris
- URL/www.cartier.jp
- ●5階、6階は非公開。
●公式ホームページの「店舗検索」にて、当日から1週間の営業時間、地図、電話番号が確認できる。
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- PHOTO :
- 武田正彦
- EDIT :
- 福田詞子(英国宝石学協会 FGA)、喜多容子(Precious)
- コーディネート :
- 鈴木春恵