雑誌『Precious』8月号では「私を語る印象派ジュエリー」と題して、4人のジュエリー賢者がたどり着いた今の結論をご紹介。上質でシンプルな服を愛するプレシャス世代は、その人らしさを象徴し、鮮やかに印象づけるステディジュエリーをもっています。
本記事では、スタイリスト、ファッション・ディレクターの青木貴子さんに想い出のストーリーやセレクトの決め手をうかがいました。
「心ときめかせるもの。それがパワーを与える、『印象派ジュエリー』」(青木 貴子さん)
”エルメス”の『トゥアレグ』との出合いは20年以上前。見る者に訴えかけるプリミティブなパワーと、細工の繊細さや重厚感、レザーの使い方など、アートとしての完成度の高さに衝撃を受けました。今でもつい手に取ってしまう、ヘビロテアイテムのひとつです。
私のワードローブは基本的にシンプルでベーシック。だからこそ、スタイリングにおいて、フックが効いたアイテムは貴重な存在です。ジュエリーについて「高価なものだから長く使える無難なデザインを」とおっしゃる人がいます。でも、パッと見た瞬間強く惹かれるものって、たぶん、ほかの人から見ても素敵に見えるものなのです。万人の目を引くパワーを備えているから、それを身につけている人自身を引き立て、いっそう魅力的に見せてくれるのでは。最初は「自分にはちょっと難しいかな」と思っても、心惹かれたものをつけていれば気分が上がるし、使い続けているうちにスタイリングもこなれてくると思うのです。
ジュエリーとの出合いは一期一会。高価なものだからこそ、自分の直感に正直に、心がときめくものを選ぶべき、と私は思います。個性的なもののほうがほかの人とバッティングしないし、価値がある。それこそが「印象派ジュエリー」の真骨頂といえるのではないでしょうか。(青木さん)
※掲載アイテムはすべて私物になりますので、ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
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- PHOTO :
- 小池紀行(cask)
- EDIT&WRITING :
- 喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 河西真紀