雑誌『Precious』8月号では「私を語る印象派ジュエリー」と題して、4人のジュエリー賢者がたどり着いた今の結論をご紹介。上質でシンプルな服を愛するプレシャス世代は、その人らしさを象徴し、鮮やかに印象づけるステディジュエリーをもっています。
本記事では、ジュエリー・時計ジャーナリストの本間恵子さんに想い出のストーリーやセレクトの決め手をうかがいました。
「移り行く四季を『見せるジュエリー』で私らしく表現します」(本間 恵子さん)
アンティークの歴史をたどると、多くのジュエリーは何かを「表現」するために使われてきました。
例えば、秘めた愛や故人を偲ぶ気持ちなど、口に出せない思いを伝えたり、パーティの趣旨にちなんだモチーフで主催者への敬意を表したり。特に、ピアスやネックレスのように顔周りを飾るアイテムは、自分からは見えにくいけれども「人に見られる」もののため、とても「表現」に向いたアイテムなのです。
一方、リングに代表される「自分で見るジュエリー」は、常に眺めていられるぶん、気持ちや思いを込めやすいアイテム。日本でジュエリーといえばリングが人気ですが、実は海外でいちばん売れているアイテムはピアスです。顔を華やかに見せ、自己表現にも使われます。
私自身はここ数年、「自分で見るジュエリー」と「人に見られるジュエリー」を使い分けるようになりました。「人に見られるジュエリー」では、着物のように季節を表現したいと考えています。桜の蒔絵をあしらったパールで「春」を、巻き貝のネックレスで「夏を」…。
身にまとうもので四季を表現する繊細な日本人の感性と、着物を愛でる方々へのリスペクトを込めて。「表現」を意識してジュエリーを選ぶと、自然に相手の印象にも残るものです。これがまさに、私自身を語る「印象派ジュエリー」です。(本間さん)
※掲載アイテムはすべて私物になりますので、ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
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- PHOTO :
- 小池紀行(cask)
- EDIT&WRITING :
- 喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 河西真紀