新年、転職、心機一転。人生には手帳を新調したくなる瞬間がありますよね。数ある職業のなかでも、スケジュールが複雑で件数も多いエディターは、一体どんな手帳を使っているの? というわけで、ライブラリートーキョーの周囲で働いている小学館の編集者たちに、愛用の手帳について伺ってきました。
初回はラグジュアリー雑誌『Precious』のファッションディレクター、吉川 純の手帳です。
使っているのは、エルメスのオレンジ色の手帳です。エルメスの手帳は、諸先輩方も使われていて素敵だなあと感じていたので、自分にとっての節目でもあった2010年に、「これからさらに仕事をがんばっていこう!」と決意して購入しました。替えのリフィルは1万円ほどと高額ですが、「そろそろ、自分にもエルメスが似合う歳になってきたのでは?」と思ったこともきっかけですね。
また、手帳に合わせてノートも購入したいと思っていたので、オレンジの手帳に合うように、グリーンのノートも同時に購入しました。ちなみに、エルメスのシンボルカラーなのでオレンジを選んだわけではなく、単に自分が好きな色だったからなんです(笑)。普段から、ふとしたときになぜかオレンジを選びがちなんです。それは、オレンジが、赤ほど強くなく、ピンクほどかわいすぎない、ちょうどいい色だからなのだと思います。そんなオレンジに合わせた、ノートのグリーンも、フレッシュな感じが絶妙で素敵な色だと思います。
サイズ感がしっくりくるところですね。見開きは縦なので一風変わった印象ですが、慣れてみると意外と使いやすい。リフィルには日本語版もあり、日本の祝日などもしっかりと入っているので、とても便利です。メモは方眼紙や罫線が入ったものも選べますが、私は職業柄ラフが書きたかったので、無地のものを選びました。また、リフィル以外にも、シャープペンシルやしおりをつけるなど、自分好みにカスタマイズできるところがお気に入りですね。
ひと月の流れが把握できる「マンスリーカレンダー」と、大きな「土日の欄」は必須。手帳によっては土日の欄が小さいものもありますが、土日に仕事が入る可能性もあるし、何より土日の存在を、ないがしろにしたくはないんです。また、社内、社外、プライベートとの三つを色分けして記入して、仕事とプライベートの予定を使い分けています。
社会人になってからは、システム手帳を長年使っていました。その後、エルメスの直前まで使っていたのはクオバディス。使いやすくて数年使っていましたが、こちらもエルメスと同様に、カスタマイズできるところが魅力でした。ブランドの純正カバー以外にも、さまざまななカラーや柄のものが発売されていたので、その都度、変えながら使っていましたね。
革に味も出てきましたので、しばらくはエルメスの手帳を使い続けると思います。保管している過去のリフィルを見返すこともあるのですが、毎年リフィルごとにカバーの柄が異なるので、それを見比べるのも楽しいんですよ。
ちなみにいま気になっているのは、11月から伊勢丹新宿店でも取り扱いが開始された、このTHIBIERGE PARIS(ティビエルジュ パリ) というブランドの手帳、『LE CARNET (ル カルネ) 』です。専用のアプリケーションを使用して、手書きのメモやスケッチをスキャン・保存が可能で、SNSなどでも簡単にシェアすることができるんです。紙から直接デジタル化できるという機能はとても魅力的なので、機会があれば使ってみたいと思っています。
- TEXT :
- 吉川 純 ファッションディレクター
- クレジット :
- 取材・構成/難波寛彦