大人かわいい装いが得意な映画監督・ソフィア・コッポラの着こなしは、小柄な日本人でも真似しやすく、お手本にしている人も多いようです。気負いを感じさせないエフォートレス風味の着姿でありながら、コケットな風情も帯びているのが彼女らしいアレンジです。クールにはきこなすだけじゃ、パンツがもったいない。今季は「グッドテイストのパンツルック」を狙ってみませんか?
ソフィア・コッポラに学ぶ!大人かわいいパンツルックのつくり方
■1:ワイドパンツを品よく愛らしく
「シャネル」のオートクチュールが披露されたランウェイショー会場に、ソフィアは極太のワイドパンツで登場。ニットのカーディガンジャケットを肩掛けにして、穏やかなムードを演出しています。パンツの正面にはたくさんのボタンが並んでいて、まるでアクセサリーのよう。爪先が丸いラウンドトウのチャンキーヒールが足元から愛らしさを添えています。
ネイビーとグレーの色合わせはお嬢様っぽいムードを演出するにも参考になりそう。トップスよりもボトムスに濃いネイビーを持ってくると、見た目の印象が引き締まります。
■2:細身パンツを健やかセクシーに
細身のシガレットパンツは黒系を選ぶと、一段とシャープなレッグラインを描き出してくれます。すっきりしたマニッシュな着姿に整える人が多いのですが、ソフィアはそこをひとひねり。ノースリーブの襟付きシャツを引き合わせて、女っぽさとヘルシー感を印象づけました。ノースリーブで両腕を見せることによって、素肌の透明感を引き出しています。腕を露出しているにもかかわらず、襟があるおかげで「きちんと感」も備わって見えます。
■3:ジーンズにもレディー感を
ボーダー柄Tシャツにジーンズという、普段着コーディネートの定番的なコンビネーションです。一見、手抜きにも見えかねない、ありきたりの合わせ方なのに、こんなにも大人かわいく着こなせているのはなぜ? その秘密は、ソフィアならではの細やかな目配りにあります。
例えば、ピンクのボーダーをチョイスしたところ。これがおなじみのマリン系ツートーンだったら、退屈に見えたでしょう。トップスの袖をひじの上までまくり上げた小技も、軽やかな着映えに貢献しています。裾が切りっぱなしのジーンズに合わせたバレエシューズは足元にほのかなレディー感を添えました。このような工夫の積み重ねが全体の愛らしいムードを醸し出しているわけです。
まずは、ボーイッシュなパンツを軸にスタイリングを組み立ててみましょう。もともと軽快なイメージがあるパンツに、フェミニンでノーブルなアイテムを引き合わせると、無理に若づくりをしているわけではないのに、愛らしく仕上がります。腕や足首など、身体の中の細い部分で素肌をさりげなく露出するテクニックも参考にしてみてください。
Precious.jpでは、海外の王妃やセレブリティー、おしゃれなマダムなどの着こなしを紐解くファッション連載を毎週水曜日に掲載しています。こちらのページに、これまでの記事がまとまっています。是非、ご覧ください。
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 宮田理江
- EDIT :
- 石原あや乃