ビジネスシーンにおいて「賢い人」とはどのような人を指すのでしょう。学力が高い、知識が豊富といった、いわゆる“頭がいい”だけではなさそうです。今回はこの「賢い人」と言われる人の特徴や、そんな人を表す熟語やことわざなどの小話的なお話も…。

【目次】

「賢い人」は誉め言葉?
「賢い人」はほめ言葉?

「賢い人」とはどんな人?】

「賢い」を『デジタル大辞泉』で見てみると、非常に多くの意味をもつことがわかります。

(1)頭のはたらきが鋭く、知能に優れている。利口だ。賢明だ。「賢くて聞き分けのいい子ども」

(2)抜け目がない。要領がいい。「もっと賢く立ち回れよ」

(3) 恐れ多く、もったいない。

(4) 神や自然などの超越的なものに対して、畏怖の念を覚えるさま。恐ろしい。恐るべきだ。

(5) 尊い。ありがたい。

(6) 素晴らしい。結構だ。立派だ。

(7) 都合がよい。運がいい。幸いだ。

(8)程度のはなはだしいさま。非常に。盛大に。

ビジネスシーンで「賢い人」と言ったら、頭の回転が速かったり、機転が利いて適応力・応用力に優れた人を指します。「要領がいい人」とも言えますね。つまり(1)(2)(6)がのような人が当てはまるでしょうか。


【「機転が利いて冷静」など「賢い人」の特徴(1)】

「賢い人」がいわゆる“勉強ができる”というだけではないのがわかったところで、具体的にどんな人なのか、その特徴を挙げてみます。

■多様な知識をもつ

特定の分野では深い知識をもっていながら、仕事とは無関係な雑学的な話題やワイドショーネタなどにも精通。「この人と話していると楽しい」と思えるのが「賢い人」のひとつの特徴です。

■頭の回転が速い

飲み込みが早いばかりでなく的確に理解するので、ビジネス相手としてはとても歓迎されます。

■機転が利く、応用力に優れる

緊急事態ほど人間力が試されるもの。トラブルが起こらないようにするのが「賢い人」ですが、回避できなかった場合を想定して予(あらかじ)め対応策を講じておくとか、トラブルを逆手にとって目新しさに転換するとか、「賢い人」は“七転び八起き”“ピンチはチャンス”を実践できる人です。

■常に冷静

周囲の話をよく聞く、その場の雰囲気に流されない、会話をリードするが一方的ではない。こんな「賢い人」がいると充実したミーティングが行えそうですね。

■柔軟である

「知識が豊富」や「機転が利く」にも通じますが、「賢い人」ほど柔軟です。意見が対立したり賛同を得られないような場合でも、解決策や妥協点を見出すことに長けています。広い視野で物事を捉えることができる柔軟性をもっているのです。


【「相手によって会話のペースを変える」など「賢い人」の特徴(2)】

顔つきや話し方など、「賢い人」の外見的な特徴も挙げてみます。

■感情をあらわにしない

「賢い人」は常に冷静ですから、感情をあまり表に出しません。特にネガティブな感情は顔の表情や会話の語気などで相手に伝わりやすいものですが、そういったシーンこそ「賢い人」は表に出しません。

■会話のスピードを相手に合わせる

会話のペースを相手によって変えることができます。丁寧に話したほうが理解してもらえそうな相手や、大人数を相手に話す際には、会話の速度はゆっくりめに。自分の発言だけが突っ走ってしまわない工夫ができるのも「賢い人」の特徴です。

■自慢しない

頭もよく知識も豊富ですが、それをひけらかしたりはしません。“頭のいい人の自慢話ほど鼻につくものはない”と知っているのです。知識を披露しなければならないようなシーンでも、失敗談などを織り交ぜて笑い話にするなど、“お茶目”な部分をさりげなく強調し、反感を買わないようにします。


【賢い人は話さない!?「賢い人」を表す熟語、ことわざ

■知者不言(ちしゃふげん)

中国・春秋時代の哲学者、老子の言葉。「真に物事を知っている者は、言葉多く言わない」という意味です。「能ある鷹は爪を隠す」に似ていますね。「知者不言」と対の「言者不知(げんしゃふち)」は、「よく知らない者ほど口に出して言うもの」という意味。老子は「知識はひけらかすべからず」と説いているのです。

■大賢は愚なるがごとし(たいけんはぐなるがごとし)

「非常に賢い人は知恵を表に見せないので、一見愚かな人のように見える」という意味。

■聖人賢者(せいじんけんじゃ)

「知恵があるばかりか、徳の優れた理想的な人物」を指します。

■賢良方正(けんりょうほうせい)

「賢いだけでなく、行いも正しい」こと。「品行方正」と似ていますが、「品行」は普段の行いや振る舞いが正しいこと、「賢良」は賢くて善良なこと。ビジネス会話なら、「品行方正」より「賢良方正」を使いたいですね。

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「彼のやり口は賢かったな」「だから彼は“賢い人”だと言われるんだ」「賢く立ち回ったものだ」という文には、「ずる賢い」や「小賢(こざか)しい」というマイナスイメージも。「賢い」という単語の類語には「聡明」「利発」「鋭敏」などがありますが、ややネガティブな意味も含まれているので、揶揄するような意味では使用しないのが「賢い人」でしょう。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『新明解四字熟語辞典』(三省堂)/『決定版 すぐに使える! 教養の「語彙力」3240』(西東社)/『新選漢和辞典 Web版』(小学館) :