ニッポン通BOSSの愛するモノとコト|海外のゲストに贈りたい「太鼓判お土産LIST」も!

外国人観光客の姿を、さまざまな場所で見かける機会が増えてきました。ニッポンの魅力って、私たちが想像する以上に奥が深いのでは? 世界を通してニッポンを見つめるBOSSたちに、その魅力を直撃!

今回は、駐日ヨルダン大使のリーナ・アンナーブさんが愛する精進料理と、アパレル企業などのPRを手掛ける会社のBOSSとして活動するマーティン・ウェブさんが通い続ける神社ををご紹介いただきました。

◇【精進料理】自然を意識し、調和する心を精進料理で学ぶ|駐日ヨルダン大使、リーナ・アンナーブさん

駐日ヨルダン大使 リーナ・アンナーブさん
駐日ヨルダン大使、リーナ・アンナーブさん|精進料理が提供されるのは、三光院にある十月堂。「精進料理をいただくには山奥のお寺に行かなくてはならないと思っていましたが、三光院さんは都心から近く、佇まいもエレガント。本当にすてきな空間です」
リーナ・アンナーブさん
駐日ヨルダン大使
出身地:ヨルダン|日本在住歴 4年
いつも大切にしていること:
おもてなしの心
行ってみたい場所:鳥取砂丘、福岡での食事の探求

武蔵野の面影を残す臨済宗の尼寺「三光院」。駐日ヨルダン大使のリーナさんは、ここで提供される精進料理を通じて、材料を余すところなく使う「サステイナブル」なニッポンの「人」と「食」の哲学にヨルダン文化との共通点を見出したと語ります。

「ヨルダンも四季がはっきりしていて、都度みんなでお祝いをし、行事ごとに料理をつくります。食材や自然、料理をつくった人へ感謝し、敬うところも、ニッポンと似ています」

なかでも一品ずついただきながら、お寺の方とコミュニケーションを深めるのが、精進料理の醍醐味とも。

「訪れるごとに、尼寺の歴史や物語を聞かせていただき、同時に自然と調和することの大切さ、おもてなしの心を学んでいます。時代や地域の違いを超えた、大切な考え方です」

三光院の精進料理は3種類。この日リーナさんがいただいたのは一汁五菜の「花」(¥3,500)。三光院では味覚、臭覚、視覚で楽しめるように、料理は一品ずつ提供(写真は一例)。
三光院の精進料理は3種類。この日リーナさんがいただいたのは一汁五菜の「花」(¥3,500)。三光院では味覚、臭覚、視覚で楽しめるように、料理は一品ずつ提供(写真は一例)。
三光院オリジナルの豆腐の燻製「香栄とう富」。チーズのような味わい!
三光院オリジナルの豆腐の燻製「香栄とう富」。チーズのような味わい!
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三光院の精進料理を担当する西井香春さん(写真左)は、フランスで最も格式が高い家庭料理をニッポンに紹介した方として有名。「尼寺の精神と物語を優雅に体現している先生、そして歴代の素晴らしい女性住職たちに深く感銘を受けました。先生がつくる精進料理は、あっさりしているように見えてコクがあり、おいしいんです」

2024年、ニッポンとヨルダンは国交樹立70周年を迎えます。「互いの文化や伝統への理解を深め、両国の関係強化に努めていきます」

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◇【神社】刺激的な都会の中で 心の平安を保つ、 とっておきの場所|「コミュニオン」代表、マーティン・ウェブさん

「コミュニオン」 代表マーティン・ウェブさん
「コミュニオン」代表、マーティン・ウェブさん|出雲大社東京分祠は、1878年(明治11年)に神田で東京出張所を設けたのがはじまり。1889年(同22年)、麻布区材木町(現在の港区六本木)に移転。1980年(昭和55年)、現在の鉄筋コンクリート造り(3階建て)の神殿に改築。
マーティン・ウェブさん
「コミュニオン」 代表
出身地:英国|日本在住歴:23年
いつも大切にしていること:エチケットとマナー
行ってみたい場所:19世紀から欧米の船が訪れていたという小笠原諸島で、歴史の痕跡を観察したい。

ファッションビジネスを学ぶために来日してから20年以上。アパレル企業などのPRを手掛ける会社のBOSSとして活動するマーティンさんは、刺激的な日々を送るなかで、心の平安を保つ方法を見つけました。それが、神社への参拝。

「2020年に東京から島根県に移住したのですが、そこでニッポンでいちばん歴史があるといわれる出雲大社を知り、参拝しています。手を合わせてからの数秒の間に仕事や家庭のことなどが頭に浮かび、心を整理する。僕にとって大切な時間です」

「コミュニオン」代表 マーティン・ウェブさん
出雲大社での参拝は、二拝四拍手一拝が作法。「東京分祠長の千家さんにお会いしたときに、改めて参拝の仕方を教えていただきました」
「コミュオン」代表 マーティン・ウェブさん
 

「大学時代に歴史を専攻していたことから、ニッポンの古代史にもとても興味がありました。神話で伝承されるほどの出雲大社は、僕にとって “神の力を借りて心の掃除をする” 大きな存在です」

「コミュオン」代表 マーティン・ウェブさん
「都心に位置し、東京での仕事の合間に参拝できるので助かります」

BOSSとしての仕事は移住先でのリモートワークが中心ですが、ときには自ら東京へ出向くことも。

「東京にも出雲大社の分祠があり、アクセスしやすいので出張のたびに参拝しています。 “手を合わせる” というシンプルな作法でリフレッシュできる神社への参拝なら、外国人でも簡単に取り入れることができます。ニッポンのよき文化です」

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PHOTO :
平郡政宏(人物)、小林美菜子(静物) 
EDIT&WRITING :
櫻井 香、福本絵里香(Precious)