春でも、黒は変わらずワードローブのキーカラーですよね。シンプルな着こなしを、知的で気品があって美しいスタイルにしてくれる、安心色です。ただし、この頼れる色を素敵に着こなすためには、アップデートが不可欠。

今回Precious(プレシャス)では、ご自身も黒を愛用している人気スタイリストの髙橋リタさんに、この春更新したい「黒の着こなし」を伝授していただきました。

髙橋リタさん
スタイリスト
(たかはし りた)女性誌「Oggi」「Pecious」を中心に、各方面で活躍中。シンプル&ベーシックを基本に、こなれたカジュアル感、旬の気分が巧みにミックスされたスタイリングを提案。2014年より、ファッションブランド「R(アール)」のクリエイティブディレクターに就任。
アール

髙橋リタさんの黒コーディネートは、どれもシンプルなのにハッとさせられるほど素敵! その美しく着映えるスタイリングの極意を、10の最新トピックスで紹介します。

■1:ジャクリーン・ケネディ・オナシスの「黒の着こなし」をお手本に

©ZUMA Press/AFLO
©ZUMA Press/AFLO

髙橋さんが黒の着こなしの参考にしているのは、ジョン・F・ケネディ夫人なのだとか。「知的で、気品と清潔感がある、という私の3大モットーをつねにかなえるおしゃれをしている……。黒の着こなしのお手本も、もちろんジャッキーです」と髙橋さん。

©Everett Colletion/AFLO
©Everett Colletion/AFLO

さらに、「街でも旅先でも……程よくカジュアルで好印象を与えるスマートな着こなしは、まさに私の理想です」とのこと。この春、ぜひスタイルのお手本にしてみましょう。

■2:黒に「白カットソーをトッピング」してこなれ感を出す

カットソー¥6,800(スローン)
カットソー¥6,800(スローン)

タキシード風セットアップのインナーにしたのをはじめ、ニットのすそからほんの少しだけのぞかせるなど、黒の着こなしには白インナーが大活躍します。髙橋さん曰く、「白カットソーは、黒のフォーマル感をカジュアルに外しながら、こなれ感を加えてくれます。ノースリーブなら、ジャケットをはおったとき肌見せ感が生まれ、さらに効果的」とのこと。

■3:黒にビビッドカラーのバッグを合わせておしゃれ上級者に

バッグ¥326,000(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)
バッグ¥326,000(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)

黒の着こなしのいちばんの相棒は、白。けれど黒&白だけの着こなしでは物足りないとき、髙橋さんがこの春、活躍させたいのがバッグできれい色をトッピングする技。

「バッグで色を加えるだけでニュアンスが生まれ、おしゃれ上級者に見せてくれます。加える色は、淡い色より、ビビッドカラーを。黒と白の強さに負けない、強さをもった色を合わせるのがおすすめです」(髙橋さん)

■4:足元はフラットシューズで黒の着こなしを「脱フォーマル」に

靴¥125,000(ブルーベル・ジャパン<マノロ ブラニク>)
靴¥125,000(ブルーベル・ジャパン<マノロ ブラニク>)

ベーシックな黒の着こなしを無難に見せるか、素敵に見せるか─。その鍵は足元が握っています。たとえば、鮮やか色のニットにクロップドパンツを合わせた着こなしにシンプルなヒールパンプスをもってくると、どこか堅苦しく、古くさい印象に……。

「実はジャッキーの足元も、いつもといっていいほどフラット。とりわけ黒のきれいめの着こなしの足元は、フラットシューズにするのが、洗練の秘訣です」(髙橋さん)

■5:黒にピンクゴールドのジュエリーを加えて輝きアップ

ネックレス¥440,000・ブレスレット手首側から/¥385,000・¥475,500(フレッド)
ネックレス¥440,000・ブレスレット手首側から/¥385,000・¥475,500(フレッド)

黒を着た日、キラリと輝くゴールドの輝きは、ハッとさせられるほど印象的。黒の装いには、光や艶が不可欠なのです。なかでもこの春、取り入れたいのは、「ピンクゴールドのジュエリー」。

「これまではイエローを合わせることが多かったけれど、今はイエローの輝きはちょっと強すぎて……。肌なじみのいいピンクゴールドで、上品な艶を加えるのが気分です」(髙橋さん)

■6:サングラスをかけて黒の着こなしを「上品リッチ」に仕上げる

サングラス¥49,000(アイヴァン 7285 トウキョウ<アイヴァン 7285>)
サングラス¥49,000(アイヴァン 7285 トウキョウ<アイヴァン 7285>)

コーディネートをリッチに盛り上げたいとき、なんだか今一歩……で引き締めたいとき、サングラスの出番です。髙橋さん曰く、「ある日はブラックレンズできりっと、ある日は肌なじみがいいグレーグラデーションのレンズで優しく軽やかに。サングラスをかけるだけで、着こなしのアクセントになって全体の印象にメリハリができるのです」とのこと。

■7:黒トップスに白ボトムを合わせておしゃれ度アップ

パンツ[5月発売予定]¥50,000(ドゥロワー 丸の内店<ドゥロワー>)
パンツ[5月発売予定]¥50,000(ドゥロワー 丸の内店<ドゥロワー>)

おなじみのモノトーンにも、リタさん流のこだわりが。リタさんは「多くの人がしている白シャツに黒パンツという色合わせではなく、トップスを黒、ボトムスを白に……と逆にすると、それだけで断然、軽やかに、おしゃれになります」と言います。冒頭のジャクリーン・ケネディ・オナシスの写真からも、その洗練効果は明らか!

■8:黒と相性がいいターコイズブルーを投入してフレッシュに

カーディガン¥58,000・ニット¥48,000(ドゥロワー 丸の内店<ドゥロワー>)
カーディガン¥58,000・ニット¥48,000(ドゥロワー 丸の内店<ドゥロワー>)

シックカラーから淡色、ビビッドカラーまで、どんな色とも相性がいいのも、黒の魅力。今の気分の色を加えるだけで、着こなしの幅はグンと広がり、おしゃれが楽しくなります。

「この春投入したいのは、ターコイズブルー。マイアミの海を思わせる鮮やかなブルーは、爽やかで知的。黒とも相性がよく、大人を生き生きと、フレッシュに見せてくれる配色に」(リタさん)

■9:黒の着こなしには、ビターすぎない「香りを重ねづけ」が正解

左から/『イングリッシュ ペアー&フリージア ボディ クレーム 175ml』¥11,000・『ワイルド ブルーベル コロン 100ml』¥16,000(ジョー マローン ロンドン)
左から/『イングリッシュ ペアー&フリージア ボディ クレーム 175ml』¥11,000・『ワイルド ブルーベル コロン 100ml』¥16,000(ジョー マローン ロンドン)

「香りは、すぐにこれ、とわからないほうが素敵」。黒を着る日におすすめなのは、ビターすぎないジョー マローン ロンドンの爽やかな香り。髙橋さん曰く、「みずみずしい『イングリッシュ ペアー&フリージア』のボディクリームに、フルーティな『ワイルド ブルーベル』のコロンを重ねるのが、私の定番。香りも自由な発想で自分らしく」とのこと。

■10:黒コーディネートに巻き物を加えてリズミカルに見せる

ストール¥27,000(ボーダレス<ベグ アンド コー>)
ストール¥27,000(ボーダレス<ベグ アンド コー>)

シンプルな黒の着こなしに、ニュアンスを加えたい。そんなとき、髙橋さんがたびたび投入するのが、ストール。

「巻き物を加えると、黒のコーディネートが一気にリズミカルに! この春のおすすめは、素材感が豊かで、無地より配色になっているもの。『ミラノ巻き』にすると、こなれ感が高まります」(髙橋さん)

*『ミラノ巻き』:ストールの片側を長くして首にかけ、長いほうをぐるっと首にひと巻き。最初に首にかけていた短いほうのストールを持ち上げて隙間をつくり、できた輪の中に長いほうのストールの端を差し込むと完成!

上記の髙橋リタ流を着こなしに取り入れれば、黒コーデのマンネリ卒業。周囲の人から「素敵」とほめられること間違いなし! ぜひこの春、黒をアップデートして、おしゃれを楽しんでみてください。

PHOTO :
生田昌士(まきうらオフィス/人物)、佐藤 彩(静物)
STYLIST :
髙橋リタ
HAIR MAKE :
川原文洋(UM)
MODEL :
高橋里奈(Precious)
EDIT :
川村有布子、世古京子(Precious)