発表!『Precious』WATCH AWARD 2023|各界のプロフェッショナル6名が選び抜いた【2023年の新作ラグジュアリーウォッチ】をご紹介

今年、発表された新作時計のなかから、各界のプロフェッショナル6名が選び抜いた確かな価値のある一本をカテゴリーごとに選出していく【『Precious』ウォッチアワード 2023】。

数年来、活況を見せ続けているラグジュアリーウォッチ界。とりわけレディスウォッチは、各ブランドから多くの話題作が誕生し、百花繚乱!

今回は、各界の目利きが選んだ【審査員個人賞】をご紹介します。私的「今年の一本」は、多彩な顔ぶれとなりました!

『Precious』ウォッチアワード 2023 審査員

雨宮 塔子さん
フリーキャスター・エッセイスト
(あめみや とうこ)TBSのアナウンサーとして活躍後、1999年に退社し渡仏。フランス語、西洋美術史を学ぶ。2016〜2019年、『NEWS23』(TBS)のキャスターを務めた後、再びフランスへ。スイスの時計フェアの取材歴もあり、時計への造詣は深い。YouTubeチャンネル「À l'aube」ではパリの日々を発信中。
犬走 比佐乃さん
スタイリスト
(いぬばしり ひさの)本誌をはじめ数々の女性誌や、長年担当している鈴木保奈美さんほか、多くの女優のスタイリングも手掛け、「マダム犬走」の愛称で広く支持されている。30年以上第一線を走り続けているキャリアで培われた「名品」に対する高い審美眼には定評があり、時計好きとしても知られる。
立野 リカさん
モデル(Precious専属)
(たつの りか)アメリカ・カリフォルニア州出身。2011年、モデルとしての活動をスタート。2015年9月から本誌専属モデルを務める。仕事柄多くの名品ウォッチを手にしてきた経験から、磨かれた審美眼の持ち主に。特に腕時計への関心が高く、本格機械式時計を少しずつコレクションしている。
本間 恵子さん
ウォッチ&ジュエリージャーナリスト
(ほんま けいこ)大学卒業後、宝飾メーカーに入社。ジュエリーデザイナーとして勤務した後、その知識を生かし、宝飾専門誌のエディターに転身。その後フリーランスとなり、女性誌や新聞など幅広いメディアで専門性の高い記事を執筆している。アンティークウォッチの愛好家としても知られている。
岡村 佳代さん
ウォッチ&ジュエリージャーナリスト
(おかむら かよ)名品時計のムックを手掛けたことをきっかけに、その魅力に開眼。スイスの時計フェアの取材歴は20年以上と業界屈指のキャリアを誇り、女性に機械式時計の魅力を啓蒙した第一人者としても知られる。マニアックになりすぎないわかりやすい筆致で、幅広い媒体で記事やコラムを執筆している。
守屋 美穂
『Precious』 編集長
(もりや みほ)小学館入社以来29年にわたり、女性誌の編集や新媒体の立ち上げに携わる。読者ターゲットである働く女性のファッションから美容、ライフスタイルまで幅広い分野に精通。ラグジュアリーウォッチにも関心が高く、スイスでかつて開催されていた時計展・バーゼルワールド取材経験も。

【審査員個人賞】各界の目利きたちが選んだ、私的「今年の一本」!

時計のみならず、ラグジュアリーブランドの名品にも造詣が深い6名の審査員たちの心をとらえた新作に贈呈する、私的「ウォッチ・オブ・ザ・イヤー」。多くのエントリーモデルから厳選された時計たちはこんなに多彩な顔ぶれに!

◇雨宮塔子賞|ファッショニスタの手元にも似合うスタイリッシュな本格機械式ウォッチ|ヴァシュロン・コンスタンタン『オーヴァーシーズ・オートマティック』

ヴァシュロン・コンスタンタン『オーヴァーシーズ・オートマティック』
『オーヴァーシーズ・オートマティック』¥8,316,000 ●ケース:PG×ダイヤモンド ●ケース径:35mm ●ブレスレット:PG ●自動巻き(ヴァシュロン・コンスタンタン)

「世界最古の歴史を誇るマニュファクチュールの本格機械式ウォッチでいながら、例えばヴィクトリア・ベッカムのような、ファッションを楽しむパワーウーマンにも似合いそうなスタイリッシュさに目を惹かれました。華やぎと知性がベストバランスで共存する才色兼備な一本です」(雨宮さん)

◇本間恵子賞|ダイヤモンドの輝きを際立たせるルビーとストラップの鮮やかな色彩|ハリー・ウィンストン『HW エメラルド』

ハリー・ウィンストン『HW エメラルド』
『HW エメラルド』¥1,925,000 ●ケース:RG×ダイヤモンド ●ケースサイズ:縦24×横17.7mm ●ストラップ:サテン ●クオーツ(ハリー・ウィンストン)

「ラウンド形のウォッチとはひと味違う個性に魅入られました。創始者ハリー・ウィンストンが愛したエメラルドカットダイヤモンドをモチーフとしていながらも、ルビーやストラップの色彩によって、クールになりすぎず、優しさに満ちた佇まいはさすがのひと言です」(本間さん)

◇犬走比佐乃賞|着こなしをクールに導くジェンダーレスなクロノグラフ|ゼニス『クロノマスター オリジナル 1969』

ゼニス『クロノマスター オリジナル 1969』
『クロノマスター オリジナル 1969』¥1,155,000 ●ケース:SS ●ケース径:38mm ●ストラップ:カーフ ●自動巻き(LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス)

「伝説の名品『エル・プリメロ』のオリジナルデザインを蘇らせたこのクロノグラフの端正な佇まいと、3色のインダイヤルのカラーコントラストに惹かれました。40mmをわずかに切るケース径も絶妙で、着こなしにクールなインパクトを添えてくれるタイムピースです」(犬走さん)

◇岡村佳代賞|永遠の大スター、ミッキーマウスとラグジュアリーウォッチの幸福な出合い|フランク ミュラー『ディズニー コレクション カサブランカ』

フランク ミュラー『ディズニー コレクション カサブランカ』
『ディズニー コレクション カサブランカ』¥2,035,000 ●ケース:SS ●ケースサイズ:縦45×横32mm ●ストラップ:カーフ ●自動巻き(フランク ミュラー ウォッチランド東京)

「今年はさまざまなラグジュアリーウォッチが意外性あるコラボレーションを展開した楽しい1年でした。そのなかでも最も話題をさらったのが、旅支度をしたミッキーが6時位置で微笑むこのタイムピースでしょう。手に入れたラッキーな人が羨ましい!」(岡村さん)

◇立野リカ賞|マシュー・ウィリアムズによって新鮮なミニマリズムを纏った名品|オーデマ ピゲ『ロイヤル オーク オートマティック』

オーデマ ピゲ『ロイヤル オーク オートマティック』
『ロイヤル オーク オートマティック』¥9,735,000 ●ケース:YG ●ケース径:37mm ●ブレスレット:YG ●自動巻き(オーデマ ピゲ)

「デザイナーのマシュー・ウィリアムズとのコラボレーションによってつくり上げられた、シンプルでミニマリストなラグジュアリースポーツウォッチ。ファッションは今、基本的に静かな贅沢へと向かっていると思いますが、その結果として “オーデマ ピゲ” はこの時計を生み出したのではないでしょうか」(立野さん)

◇守屋美穂賞|シャープなブラックダイヤルで新たな魅力を宿した絶対的アイコン|ブルガリ『セルペンティ セドゥットーリ』

ブルガリ『セルペンティ セドゥットーリ』
『セルペンティ セドゥットーリ』¥1,243,000 ●ケース:SS×PG ●ケース径:33mm ●ブレスレット:SS×PG ●クオーツ(ブルガリ)

「さまざまなデザインで魅了してくれる『セルペンティ』。新作が登場するたび、そのクリエイティビティの豊かさに驚かされ、素敵だなと思って見ていますが、ピンクゴールド、黒ダイヤル、そして鱗のモチーフが引き立つブレスレットと、個人的に好きな3大要素にズバッとはまりました」 (守屋)


2023年の新作ラグジュアリーウォッチを総括!

各界のプロフェッショナルとなる6名の審査員は、今回、どこに着目して審査されたのか。2023年の新作ラグジュアリーウォッチを総括していただきました。

雨宮塔子さん「大人の女性が実際手にしたくなる “リアルな名品” が豊作の年!」

「去年、一昨年は、パンデミックの影響だったのでしょうか? デザイン、機構共に人々に夢を与えるような時計が多く見受けられましたが、2023年はいい意味で堅実というか、仕事をもつ大人の女性がリアルに手に入れたくなる新作が豊富で、私もとても楽しみながら審査をさせていただきました。そのなかで注目したのは、日本的な繊細さをもつデザインや、ヴィンテージ感のある本格機械式時計。また、トータルファッションメゾンからも例年以上に魅力的な新作が多くリリースされたことも印象的でした」

犬走比佐乃さん「ブランドを象徴する “アイコン” がますます魅力的に進化」

「各ブランドからエントリーされた新作をジャンルごとに審査させていただくのですが、改めて感じたのは、いわゆる “アイコンウォッチ” は強い! ということ。どの部門においても、そのブランドを象徴するモデルに目が引かれ、結果的に2023年の新作 “アイコンウォッチ” のパレードのような顔ぶれになりました。マニュファクチュール、ジュエラー、トータルファッションメゾン、それぞれの個性が光る新作たちはどれも魅力的で、ラグジュアリーウォッチの選択肢はますます広がっていくことでしょう」

立野リカさん「シンプリシティに向かう文化的な変化に注目!」

「2023年はラグジュアリーウォッチのレディスモデルに注目すべき変化がもたらされたような気がします。最も強く感じたのは、ミニマリストデザインの台頭。レディスウォッチにおけるこのミニマリズムの再燃は、一過性ではなく、永遠のエレガンスとシンプリシティに向かう文化的な変化ではないでしょうか? また、一時期から注目され始めたジェンダーレスウォッチですが、さらに各ブランドが注力し始めたように感じられます。ラグジュアリーウォッチはこれからますます、自由に楽しめる時代になることでしょう」

本間恵子さん「トレンドよりも、磨き抜かれたブランドの個性が光る」

「以前のように色や形、素材や機構などで今年を象徴するようなビッグトレンドはなく、コロナ禍以降、それぞれのブランドがそれぞれのよさを大事にしながら個性を磨くようになったと感じています。また “高級感” もこれまで以上に重要視されるようになってきましたが、ギラギラと輝くような派手さではなく、しっとりとした上質さや軽やかな優雅さが追求されています。目で感じるだけでなく、肌や心でも感じられるラグジュアリーのニュアンスが、このところの時計の特徴ともいえるでしょう」

岡村佳代さん「時計界にも到達した “クワイエットラグジュアリー”」

「“トレンドがないのがトレンド” と囁かれた2023年でしたが、そのぶん時計も “多様性の時代” が到来したと感じました。ジェンダーレスウォッチが定着した一方で、よりフェミニンでエレガントなジュエリーウォッチや、“腕” につけることにとらわれないペンダントウォッチなど、タイムピースの楽しみ方は広がっていく一方です。同時に、時計界にも、“クワイエットラグジュアリー” の波が到来。ジュエリーやムーブメントの確かな価値は担保しながら華美になりすぎない、趣味のいい名品が並んでいます」

守屋美穂「ますます広がっていくラグジュアリーウォッチの可能性」

「いよいよ時計がファッションアイテムとして存在感を発揮しはじめた! と実感した今年の『Precious WATCH AWARD』でした。エントリーされたどの時計を見ても、“どのシーンでどんな着こなしに合わせようかな?” と妄想がふくらみ、審査はとても悩みつつも楽しかったです。複雑機構の時計もデザイン性、アート性が非常に高くなっていると感じました。アートと機械式時計はそう考えると親和性も高い。時計の可能性がますます広がっていると思います」

 

※掲載した商品は、すべて税込みです。
※文中の表記は、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、SS=ステンレススティール、YG=イエローゴールドを表します。
※掲載されている商品の価格は、2023年12月7日現在のものです。

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PHOTO :
池田 敦(CASK)
STYLIST :
関口真実
EDIT&WRITING :
安部 毅、岡村佳代、安村 徹(Precious)