小雪さん季節連載【美しく食べることは、美しく暮らすこと ― 食でつながる人と世界】
都会と北国の二拠点生活を営み、自分らしく日々を重ねる小雪さん。冒険的な試みを楽しむ精神性としなやかな発想が、豊かなライフスタイルの礎です。この連載では、四季折々の恵みと共にある「食」に注目。
今回は、小雪さんの親しい友人である杉山絵美さんをパートナーに迎え、旬の食材を主役にしたテーブルメニューを披露します。
〈1月のテーブル〉親しい人と過ごす日のおもてなしメニュー
よそいきの特別感を意識するより、「いつもと変わらず、家族も好きで喜ぶもの」でお迎えするのが小雪さんの流儀。
今回は秋冬に美味しいきのこやかぼちゃを使ったポタージュやパスタ、常備している酒粕を使ったデザート、野菜をたっぷり添えたスペアリブを。ナチュラルな温かみのあるセッティングで、おもてなしの心を伝えます。
1. 酒粕ベイクドチーズケーキ
<材料>(直径18cmのケーキ型1台分)
クリームチーズ…200g(1箱)、砂糖…100g、卵…2個、⽣クリーム…200cc、酒粕…50g、薄⼒粉…30g(⼤さじ3)、レモンの絞り汁…⼤さじ2、粉糖、好みで飾り用フルーツ…適量
<つくり方>
- オーブンを170度に温めておく。クリームチーズと酒粕は室温に戻しておく。酒粕が硬い場合は、⽔大さじ2(分量外)と共に電⼦レンジ500Wで約1分加熱する。
- ボウルに室温に戻したクリームチーズと酒粕、砂糖を⼊れ、ハンドミキサーで混ぜてなめらかにする。
- 卵を⼊れて、ハンドミキサーでよく混ぜる。さらに⽣クリームを加えてハンドミキサーで混ぜ合わせる。
- 薄⼒粉をふるい⼊れて軽く混ぜ、レモンの絞り汁を加えてさらに混ぜる。
- ケーキ型に流し⼊れ170度に予熱したオーブンで約40分焼く。
- 焼き上がり後、冷ましてから、粉糖をふり、フルーツなどで飾る。
2. いろいろきのことナッツのペペロンチーノ
<材料>(2〜3⼈分)
マッシュルーム…1パック、舞茸…1パック、その他 好みのきのこ…1パック、ニンニク…2かけ、オリーブオイル…100cc、好みのナッツ…40g、塩・胡椒…適量、鷹の⽖の輪切り…ひとつまみ、パスタ(ファルファッレ)…120g、イタリアンパセリ…適量
<つくり方>
- きのこは適度な大きさに⼿で裂き、塩(分量外)をふってオリーブオイル、半分に切ったニンニクを⼊れて、200度に予熱したオーブンで30分加熱する。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、パスタを規定の時間より1分ほど短い時間でゆでる。その際に、ごく少量オリーブオイル(分量外)を⼊れると沸点が上がらずお湯が吹きこぼれにくい。
- ナッツ類を細かく刻んでおく。
- パスタがゆで上がったらフライパンに①のきのこをオリーブオイル、ニンニクと共に入れ、ナッツと鷹の爪を⼊れてパスタと共に炒め、味がしっかりつくように塩胡椒する。
- 皿に盛りつけ、イタリアンパセリを散らす。
3. オレンジ香るポークスペアリブ
<材料>(3〜4⼈分)
⾻付き豚⾁…600g、舞茸…1パック、はちみつ…⼤さじ1、マーマレード…⼤さじ2、醤油…⼤さじ3、⾚ワイン…⼤さじ3
<つくり方>
- 豚⾁をポリ袋に⼊れ、はちみつとマーマレードを加えてもみ込む。
- 醤油、⾚ワイン、⼩分けにした舞茸を加えてマリネし、冷蔵庫に約3時間おく。
- 豚⾁と舞茸を鉄板に並べ、180℃に予熱したオーブンで約20分焼く(余ったつけだれを⼩鍋に⼊れて煮詰め、ソースに利用しても)。
<Point>
はちみつとマーマレードに含まれる果糖とブドウ糖には、⾁の組織の間に⼊り込んで加熱によるたんぱく質の凝固を防ぐ効果がある。そのため、しっかりもみ込むと柔らかい仕上がりに。また、舞茸も酵素の効果で⾁を柔らかくするので、⼀緒にマリネすることをおすすめ。
4. パンプキントマトポタージュ
<材料>(3〜4⼈分)
かぼちゃ…150g(中サイズ約1/4個)、トマトジュース…200㏄、⽔…100㏄、⽣クリーム…50㏄、塩…⼩さじ1/2、胡椒…適量、トマト…1個
<つくり方>
- かぼちゃは種とわたを取り、厚さ3cmほどのくし形に切る。耐熱⽫に⼊れてラップをし、電⼦レンジ(600W)で柔らかくなるまで約4分加熱する。
- かぼちゃの⽪をむき、約1cm⾓に刻んでおく。刻んだかぼちゃは大さじ2くらいの量を別にしておく。残りのかぼちゃ、トマトジュース、⽔をハンドミキサーなどでなめらかになるまで撹拌する。撹拌してできたスープを鍋に入れて温め、塩、胡椒をふり、沸騰したら⽕を止めて⽣クリームを⼊れ混ぜる。
- スープ⽫に別にしておいたかぼちゃとざく切りにしたトマトを入れ、上からスープを注ぐ。好みでハーブ(材料外)を飾り、⽣クリーム(分量外)を少し回し入れる。
<Point>
かぼちゃは、小さく切ったほうが早く火が通り、丁寧に撹拌するとなめらかな口当たりに仕上がる。
【Cooking talk】お料理の舞台裏をちょっとのぞき見!
「仲よしの友達とふたりでお料理することは、時間自体が最高の贅沢。作業も分担できるので、一石二鳥です」(杉山さん)
「絵美さんは友人でありお料理の先生。田舎にいながら近しく感じられるのがうれしいですね」(小雪さん)
小雪さんと杉山絵美さんは、公私にわたって親しい間柄。「ふだんでも調理温度やコツなどテクニック面でわからないことがあったら、即、連絡(笑)。本当に頼りにしています」と小雪さん。一緒にお料理する時間も笑顔があふれ、会話が弾みます。抜群のパートナーシップで、手際よく進める様子に、信頼関係がうかがえます。
今月の食材は…
写真左:さまざまなきのこを細かく裂き、オリーブオイルをかけてオーブンで熱を通したマリネ。保存瓶に入れたら表面が空気に触れないようにオリーブオイルで「蓋」をするのが長持ちするポイント。
写真右:自分たちで育てて、収穫したトマトからつくった自家製ジュース。知人の工場で保存のきく瓶詰にしてもらって常備している。今回はそれを、かぼちゃと組み合わせてポタージュに。野菜の自然な甘みや滋味深さが感じられて、心も体も健やかに導いてくれる。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- マナ ローザ ジュエル TEL:011-251-6386
- オーロラ TEL:0120-527-559
- PHOTO :
- 神谷 誠
- STYLIST :
- 押田比呂美(ファッション)、岩﨑牧子(プロップ)
- HAIR MAKE :
- ヘア/TETSUYA YAMAKATA(SIGNO)、メイク/川原文洋(UM)
- MODEL :
- 小雪、杉山絵美
- COOPERATION :
- 雪国まいたけ、みよい農園、AWABEES、UTUWA
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子(Precious)