温泉のさまざまな効能のなかでも、特に寒い季節に注目したいのはスキンケア効果。名湯で体の芯から温まりつつ、乾燥によるダメージを蓄積した肌を労りたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、数ある湯宿のなかでも実際に浸かってみて「つるつるしっとり肌がご機嫌になった！」と太鼓判を押す、冬こそ訪れたい美肌温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、山形県鶴岡市・湯田川温泉にある「九兵衛（くへえ）旅館」です。
公式サイト
心地よい浴感の湯に包まれてしっとりなめらかな素肌に…
山形県鶴岡市の奥座敷といわれ、開湯1300年の歴史を誇る湯田川温泉。その温泉街のメイン通りから少し奥まったところに、「九兵衛旅館」は静かに佇んでいます。
「こちらの宿の泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。硫酸塩泉は美人の湯のひとつで、血液に多くの酸素を送り込んだり、肌細胞まで水分を補給したりする効果が期待できます。実際に浸かってみると、さらりとした柔らかな湯が肌によくなじみ、心地よい浴感で極楽気分に。湯上りには体の芯までポカポカしつつ、スッキリ爽快感もあり、肌はしっとりすべすべになったのを実感できました。
そうした美肌効果もさることながら、『九兵衛旅館』は湯巡り気分を味わえるという点でも魅力的。まず、館内に山と川をテーマにした大浴場が2か所、貸切風呂が1つあり、さらに徒歩1分ほどの姉妹宿『珠玉や（たまや）』にある3つの貸切風呂も利用可能です」（植竹さん）
「なかでもインパクトがあるのは、川をテーマにした大浴場『川の湯』。壁一面に水槽が備えられた水族館のような造りで、金魚がゆらゆら泳ぐのを眺めながら湯浴みするのは、何とも不思議な感覚です。もうひとつの大浴場、山をテーマにした『山の湯』には内湯と露天風呂があり、ちょうど私が訪れたタイミングではうっすらとした雪化粧がより旅の気分を盛り上げてくれました」（植竹さん）
「姉妹宿『珠玉や』の3つの貸切風呂で、特に印象に残っているのは展望風呂。内湯の2面が大きな窓ガラスで、全開すれば半露天風呂状態にもできます。庄内平野や温泉街を見渡せ、晴れていれば鳥海山の雄大な姿も臨める環境で湯田川温泉の名湯を独り占めできるのは実に気分爽快です」（植竹さん）
「『九兵衛旅館』も『珠玉や』も同じ源泉から湯を引いているので、どの浴槽も泉質湯質は同じです。ただ場所によって湯温は微妙に異なるように感じられました。宿泊の際には、2つの湯宿のそれぞれ風情の異なる温泉の入り比べをしながら、美肌を目指してみてはいかがでしょうか」（植竹さん）
食べられるのは今だけ！寒鱈づくしの美肌会食コースに舌鼓
湯田川温泉のある庄内地方は、1年を通して海の幸、山の幸、野の幸が楽しめる食の宝庫。季節ごとに旬の食材を贅沢に盛り込んだ会席膳を味わえるのも九兵衛旅館の醍醐味です。
「私がいただいたのは冬の味覚・寒鱈づくしのコース。鱈の身だけでなく、胃袋や白子、肝、エラなど珍味も含めて鱈をまるごと堪能するという貴重な食体験をすることができました。とりわけ、脂ののった寒鱈をぶつ切りにし、味噌仕立てでまるごと鍋にして味わう郷土料理『どんがら汁』は絶品です。
鱈は各種ビタミンをバランスよく含む上、肌のターンオーバーを促すとされる亜鉛も豊富。温泉だけでなく、美食で体の内側からも肌のコンディションを改善できた感があります」（植竹さん）
※ 寒鱈の膳のプランは2月15日まで。2日前までに要予約。
以上、「九兵衛旅館」をご紹介しました。美人の湯や季節限定の美食膳で心身も肌もリフレッシュしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 九兵衛旅館
- 住所／山形県鶴岡市湯田川乙19
客室数／全13室
料金／「寒鱈の膳」プラン 2名1室1名あたり ￥25,850～ - TEL：0235-35-2777
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- WRITING ：
- 中田綾美
- EDIT ：
- 谷 花生（Precious.jp）
