前回私がひそかに福岡移住への野望を抱いていることはお伝えしておりますが、今回もまた福岡のお話です。昨年6月にオープンした「ザ・リッツ・カールトン福岡」。実は福岡はロケーション(中国や韓国が近い)と都市の規模(人口150万超)の割にラグジュアリーといえるホテルが少なく、外資のホテルでは1996年に「グランド ハイアット 福岡」が開業して以来ですから、実に27年ぶり! 空港からタクシーに乗った際も、「お客さん、リッツカールトン行くの? すごいねぇ、いま話題だよ」とおおいにうらやましがられました。あ、この空港から地下鉄でもタクシーでもアクセスがいい(ともに15分くらい)と言うのも福岡の魅力なんですよね。

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「福岡大名ガーデンシティ」は高さ111m、地上25階の複合ビルで、地上1・3階、18〜24階が「ザ・リッツ・カールトン福岡」。

「ザ・リッツ・カールトン福岡」がある天神エリアは言うまでもなくセンター・オブ・博多。ただいま、天神交差点から500メートル半径のエリアにおいて70棟ものビルが2026年までに建て替わる大規模再開発「天神ビッグバン」のさなかであり、「ザ・リッツ・カールトン福岡」のある「福岡大名ガーデンシティ」もこのプロジェクトの目玉案件のひとつです。

ちなみにこの再開発はいたずらな都市開発ではなく、警固(けご)断層などの地震リスクをふまえて「更新期を迎えたビルが耐震性の高い先進的なビルに建て替わることにより、多くの市民や、働く人・訪れる人の安全・安心につながるもの」(福岡市役所HPより)だそうです。もともと進取の精神に富んだ福岡ですから、さらに素敵な街になりそうで楽しみな反面、マンションなどの物件はさらに値上がりしちゃうのかなと心配。買うならさっさと買え、という話なんですけれどね……。

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「鍋島」でおなじみ富久千代酒造蔵元、飯盛家のみなさま。真ん中の日奈子さんのお振袖、すばらしかった。

というわけで今回は何かと話題の「ザ・リッツ・カールトン福岡」に宿泊。もちろんこのコラムの取材がメインの目的でしたが、タイミングよくバンケットルームで開催されていた富久千代酒造(佐賀の「鍋島」の蔵元さん)100周年の祝賀パーティにも臨席させていただきました。バンケットのお料理も素晴らしかったのですが、それはまた別の機会に。

スタンダードの客室でも50平方メートルあるから広々。
スタンダードの客室でも50平方メートルあるから広々。
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私が泊った客室のバスルームはなんとも開放的。ひとりで良かった……。

さて、私の宿泊した部屋は西側の大濠公園を望む角部屋のスイートでした。客室は19階から23階に位置し、計167室すべてが50平方メートル以上あるから、広々ゆったり。どのお部屋からも福岡の街(ときには博多湾も!)が一望できるのが魅力です。

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左はウェルカムアメニティの最中。右はお茶とともに置かれていた茅乃舎のだしスープ。福岡っぽくてナイスです!

これはすべてのホテルに言えることだと思うのですが、滞在の満足度を決めるのは最終的にはディテールなのではないかな、と。高価格帯のホテルであればどこももちろん清潔だし、ある程度のスペースも確保されています。つまり、だいたい満足できるはず。でも私がときどきアレ?と思うのは、ドライヤーの置き場所がよくわからない、とか、パジャマがゴソゴソして寝心地が悪い、とか、ささいなことなのです。神は細部に宿ると言いますしね。

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バスアメニティは「TSUBAKI NANO FLORAL」。九州各地のこだわりの天然原料を使用した自然由来100%化粧品というのも好感度が高い。

その点で「ザ・リッツ・カールトン福岡」はパーフェクトでした。アメニティはわかりやすく引き出しの中に整理されていたし、ドライヤーはなんとレプロナイザー!(ご存じない方のために念のために説明しますと、髪の密度を高めることで美髪に仕上げ、顔にも使えてリフトアップ効果が期待できるドライヤー。高価です)。

さらに特筆すべきなのがパジャマのクオリティの高さです。英国の高級ナイトウエアブランドとして知られるDEREK ROSEのソフトなコットン素材のクルーネック。肌にやわらかく、しっとりと寄り添い、長袖、長ズボンのこれ、なんとしても欲しくて調べたら「和光」で一部の取り扱いがあるらしいです(まったく同じものはなし)。「ザ・リッツ・カールトン福岡」でも売ってくれないかしらん。

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一度着たら忘れられない「ザ・リッツ・カールトン福岡」のパジャマ。私の出た腹は見ないで。

さてさて、部屋の中を撮りまくっていたら早やディナーの時間です。「ザ・リッツ・カールトン福岡」にはモダンウエスタン「Viridis(ヴィリディス)」、カフェ「Diva」、「ザ・ロビーラウンジ」、会席・鮨・鉄板焼「幻珠」という4軒のダイニングがあります。このうち、私はお鮨をチョイス。ミシュラン一つ星店「鮨 将司」(東京・北青山)が監修する「幻珠 by 鮨 将司」です。

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暮れなずむ博多の空を眺めながらお鮨。福岡や佐賀の地酒と合わせながら、至極のエクスペリエンス。
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私の後ろは旧知の『LEON』編集長代理の堀川正毅さん、向かって左はブランディング会社を経営されている小柳俊郎さん。みなさん、かっこよかぁ~。福岡のこと、これからもたくさん教えてください。

食後はもちろんバーへ。博多湾を見晴らすテラスで飲むカクテルはサイコーでした。が、それに飽き足らず私は福岡のナイトシーンへ。立ち飲みバーで知り合った方たちと焼鳥屋さんへ行き、さらにはワインバーまで。福岡のミシュランで1つ星を獲得したフレンチのシェフにも偶然お会いするなど、ディープな一夜となりました。こうして、人がフレンドリーで距離感が近いのも、福岡の魅力。知己が増え、福岡移住計画がグッとリアルに感じられるようになってきました。

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二日酔い気味でいただいた朝食はクロワッサンのエッグベネディクト。ポーションもほどよく美味!
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「ザ・リッツ・カールトン福岡」のシンボルであるライオンのキャラクター。ここ福岡では博多祇園山笠仕様。どこにいるか探してみては。

問い合わせ先

ザ・リッツ・カールトン福岡

  • 住所/福岡県福岡市中央区大名2-6-50 福岡大名ガーデンシティ

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この記事の執筆者
女性ファッション誌や富裕層向けライフスタイル誌、グルメマガジンの編集長を歴任後、アマゾンジャパンを経て独立。得意なジャンルに食、酒、旅、ファッション、犬と馬。
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秋山 都
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秋山 都