起源は紀元前まで遡る!アンティークコインを用いた唯一無二のジュエリーコレクション|時を超える芸術的ジュエリー「ブルガリ」モネーテ
コインを用いたジュエリーの歴史は古く、その起源は紀元前まで遡ります。アンティークコインの唯一無二の美しさと価値に気付いていた「ブルガリ」は、1960年代、古代コインを主役にしたジュエリーコレクション『モネーテ』を発表。現在も高い人気を誇るコレクションから、希少なハイエンドピースをご紹介します。
古代コインとゴールドによる洗練されたコントラストの遊び
ペンダントトップのコインは、紀元前400~350年に古代ギリシャで造幣されたルカニアヴァリア銀貨。表面には知恵と芸術、戦術を司る女神アテナの横顔、裏面にはライオンが彫刻されている。ダイヤモンドをあしらったグルメットチェーンとコインのフレームは、ゴールドの輝きが際立つポリッシュ仕上げ。古代コインとのコントラストにブランドの遊び心が宿る。
古代ローマの夢とロマンが息づく、永遠に色褪せない輝き|9枚ものジェムコインが連なる希少なロングネックレス
ネックレスに連なる9枚ものジェムコイン(宝石のようなコイン)は、すべて西暦193~217年に古代ローマで発行された銀貨。その表面のモチーフは、ローマ皇帝セプティミウス・セウェルスの后ユリア・ドムナで、裏面には月の守護聖人にして狩りの女神であるディアナが佇む。直線的なラインにこだわったチェーンとコインフレームが、デザインをモダンな印象に。
美しさ重視で選ばれるジェムコイン── その出合いは、まさに運命!『モネーテ』の魅力が堪能できるシークレットウォッチ
重厚に見えるチェーンブレスレットは驚くほどしなやかなつくりで、無理なく手首に沿う。時計のケースはダイヤモンドの繊細な輝きによって、フェミニンな印象に。アンティークコインは文字盤を覆う開閉式のカバーにセットされている。このコインは3世紀頃までローマ帝国で流通したデナリウス銀貨。表面のレリーフはローマ帝国のカラカラ皇帝で、西暦198~217年の造幣。
時計のカバーは大きく開閉し、コインの裏面が確認できる。彫刻されているのは、音楽や詩、工芸を司り、職人の守護聖人として知られるローマ神話の女神ミネルバ。文字盤は小さいながらも視認性が高く、機能的にも秀逸。
ギリシャ雷紋のような装飾で古代コインがモダンに華やぐ!
チェーンとフレームの装飾は、魔を除け、幸運を招くというギリシャ雷紋を思わせる。古代ギリシャのコインと調和し、モダンな華やかさに。ネックレスの銀貨(紀元前344~317年発行)の像は、コリント式甲冑をまとった女神アテネ。イヤリングの銀貨(紀元前359〜336年発行)には、マケドニア王フィリッポス2世が彫刻されている。
『モネーテ』に秘められた古代コインと宝飾の物語
通貨であるコインを宝飾品として身にまとうようになったのは、紀元前4世紀頃のヘレニズム時代からだといわれています。その革新的なジュエリーは、古代ローマ帝国時代を経て7世紀頃まで盛んに制作されていました。しかし、その後、コインは宝飾の世界で長きにわたり忘れ去られてしまいます。
そんな状況に変化が訪れたのは19世紀後半のこと。エジプトやギリシャで重要な考古学的発見が相次いだために、世の中の関心は一気に古代文明へ。それに伴い、古代コインとそのジュエリーにも注目が集まりますが、大きなブームにはいたりませんでした。
それから半世紀以上を経た1960年代、「ブルガリ」はコインを主役にしたジュエリーコレクション『モネーテ』を発表します。以前からアンティークコインの魅力と価値に気付き、準備を進めていた「ブルガリ」は、初期のコレクションですでにそのスタイルとイメージを確立。古代コインとイタリア伝統のグルメットチェーンを組み合わせたデザインは、現在も高い人気を誇っています。
『モネーテ』コレクションで使用されるコインは「ジェムコイン」と呼ばれ、宝石に等しい美しさをもつものだけが選ばれてきました。加えて、使用されるコインはすべて、裏面に名称、通貨の単位、発行年が記されたものを厳選。『モネーテ』のジュエリーはコインの裏側が見えるようにつくられていますが、それはコインの文化的価値や歴史的背景を確認するためでもあるのです。
また、『モネーテ』のデザインは、素材や仕上げのコントラストが重要な特徴となっています。例えば、銀製のコインに対して、そのフレームやチェーンはあえてポリッシュ仕上げのゴールドに。質感と光の対比が、独自のセンスと遊び心を感じさせます。すべてにおいて最も「ブルガリ」らしいジュエリー、それがこの『モネーテ』なのかもしれません。
※掲載した商品は、すべて税抜です。
※文中の表記は、YG=イエローゴールド、PG=ピンクゴールドを表します。
※ジュエリーに使用されるコインは変更の可能性があります。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 小池紀行(CASK)
- 構成・文 :
- 福田詞子(英国宝石学協会 FGA)